×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

icon-gallery

名古屋駅地下街エスカで、超絶旨い串揚げと人情味溢れる店主の話を肴に呑む

名古屋駅新幹線口にある地下街、エスカ。
ここへ行けば、味噌かつや手羽先、ひつまぶしなど、名古屋めしがひと通り楽しめるのだが、地元在住の私からすれば、ここはビギナー向け。
東京や大阪に出店している有名店が多いので、リピーターには向かないのだ。
まぁ、名古屋に限らず、駅前の地下街というのはそんなものだろう。

しかし、エスカには、地元のみならず全国に常連客がいる穴場の店がある。
それが地下街のいちばん端、E11出入り口すぐの『珍串』だ。
ここは、昭和46年に『エスカ』の開業とともにオープン。

看板メニューは、三重県産のさくらポークをはじめ、厳選した食材使った串揚げや串焼き。
さくらポークは、脂に甘みがあり、赤身もコクのある濃厚な味わい。
その旨みを衣の中に封じ込めた串かつ……。
いかん、考えただけでヨダレが出そうだ。

串揚げや串焼きは1本から注文できるが、私が頼んだのは、「串かつ盛り合わせ」(950円)。
もちろん、キンキンに冷えた「生ビール」(中ジョッキ・660円)も忘れてはいない。
盛り合わせの内容は、豚と、ねぎま、エビ、うずら、玉ねぎ、なすの6本。
まずは、なすからパクリ。
あえて何もつけずに食べたが、きめの細かいパン粉を使った衣のサクサク食感が何とも心地良い。
衣の中のなすの甘みが、見事なまでに引き出されていて、メチャクチャ旨い!

串かつのなかで本当に美味しかったのが、やはり「豚」と「ねぎま」。
いずれもさくらポークのバラ肉を使っていて、赤身と脂のバランスが最高。
さらに添えられた味噌ダレをつけると、思わず唸ってしまうほど激ウマ。
居酒屋やとんかつ専門店で食べる味噌かつのタレは、やや甘めの味付けをしているところが多い。
しかし、ここの味噌ダレは、和風ダシの香りと味噌のコク、そしてほのかな酸味が絡み合う複雑な味わいなのだ。

ビールを片手に串揚げを堪能していると、店主の加藤高幸さんが話しかけてきた。
「ウチはカウンターで料理を仕込むから、お客さんからどんな食材を使っているのかがまる見え。
冷凍物や出来合いのものは一切使ってないってことがわかると思う。
肉も野菜もいいものばかりだよ」と、加藤さん。

加藤さんが先代から店を継いだのは28年前。
今では加藤さんとの話を楽しみに訪れる客も少なくはない。
「地下街にあるけど、路面店と変わらない店にすることをいつも心がけとるよ。
たとえば、席の移動に応じてくれたお客さんに『ハイ、引っ越し手当をどうぞ!』って、何かサービスしたりね。
ときにはお客さんの隣に座って話し込むこともある。
そんなやりとりが僕も楽しいんだよ」
名古屋発、東京行き新幹線の最終列車(平日)が22時12分。
大阪行きが22時58分。
店が閉店する22時(21時半L.O.)までここで飲んでいても間に合う。
名古屋を発つ前に美味しい串揚げと加藤さんとの楽しい会話を楽しんではいかがだろうか?

珍串
[住所]愛知県名古屋市中村区椿町6-9 先 エスカ内
[TEL]052-452-2588
[営業時間]10時半~22時(21時半L.O.)
[定休日]不定休(エスカに準ずる)

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

icon-gallery
関連記事
あなたにおすすめ

関連キーワード

この記事のライター

永谷正樹
永谷正樹

永谷正樹

最新刊

2024年12月20日に開業110周年を迎える東京駅を大特集。何度来ても迷ってしまう。おいしい店はど…