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名古屋エリア限定グルメ情報(41) 惜しまれて閉店したラーメン店を当時のバイト社員が復活! 愛知県春日井市『中華そば 龍龍』

お気に入りの店が閉まることになり、落胆した経験は誰にでもあるだろう。その苦悩は、恋人との別れに等しい。現在、ラーメン店『中華そば 龍龍』を営む大倉裕史さんもその一人だった。 お店が閉まって10年、大倉さんは大胆な行動に出た。当時のオーナーと会い、「もう一度、ラーメン屋をやりましょう!」と、想いを伝えたのだ……!

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多くのファンに惜しまれて閉店したラーメン店を当時のバイト社員が復活! 愛知県春日井市『中華そば 龍龍』

お気に入りの店が何らかの理由で閉めることになり、落胆した経験は誰にでもあるだろう。
なにしろ、大好きだったあの料理がこの先ずっと食べられなくなるのだ。
その苦悩は、恋人との別れに等しい。
3年前、愛知県春日井市にオープンしたラーメン店『中華そば 龍龍』を営む大倉裕史さんも、その一人だった……。

「高校時代に名古屋市名東区にある『龍龍』というラーメン屋でバイトしてたんですよ。
賄いで食べたラーメンの味が本当に美味しくて。
社会人になってからも毎週のように通っていました。
ところが、諸々の事情で店を閉めることになったんです。
以来、あのラーメンの味が恋しくてたまらなくなりました」と、大倉さんは振り返る。

代わりになる店も探したが、納得する味に巡り会うことができなかった。
次第にそのラーメンは、夢にまで出るようになった。
しかし、夢の中でいつも注文するラーメンを食べようとすると、目が覚めてしまう。
ますます欲求は膨らんでいった……。

『中華そば 龍龍』のオーナー、大倉裕史さん(左)と元オーナーの村井栄治さん
(『中華そば 龍龍』公式HPより)

そのラーメン店が閉まって約10年が経ったころ、大倉さんは大胆な行動に出た。
当時のオーナーと会い、「もう一度、ラーメン屋をやりましょう!」と、想いを伝えたのだ。
さらに、ラーメンを作るための寸胴や調理器具も揃えて、試しに作ってもらうことにした。
元オーナーから、「10年前と同じ味が出せるかどうかわからない」と言われたが……。

「元オーナーが作ったラーメンは、昔とまったく同じ味だったんです!
胸が一杯になって、涙を流しながら食べました。
そして、元オーナーが深夜から早朝にかけてスープや麺、具材を仕込み、昼からスタッフが店を切り盛りすることにしました」(大倉さん)

大倉さんが夢にまで見た一杯が「胡麻めん」(850円)。
味や香り、コクなど特徴が異なる数種類の胡麻をブレンドしてペースト状にしたものがたっぷりとスープに溶け込んでいる。
スープを口に含んだ瞬間、濃厚なゴマの味と香りがガツン!と広がって、スープの旨みと一つになる。
そして深みのあるコクが後味となって身体に染みわたる。
アクセントにくわえた少量のラー油もイイ仕事をしている。
アラフィフになってから、ラーメンは敬遠していたが、ペロリと完食できた。
食後もまったく胃がもたれることはなかった。
「胡麻めん」以外にも、にんにく風味の天かすをのせた「たぬきめん」(650円)や、肉味噌とニンニクの焦がし油をトッピングした「龍龍めん」(850円)などがある。
どれもかなり個性的な味わいだが、基となるスープはすべて同じだという。
それだけ、スープそのものの完成度が高いのだ。

これがベーシックな「中華そば」(750円)。
スープは豚骨と鶏ガラのみ使用し、野菜は使っていない。
それぞれの甘みだけを生かせるように、1日18時間以上も煮込んで、ていねいに下ごしらえをしているという。
また、スープのタレには、地元の老舗醤油店から仕入れたものを使用している。

麺は、店内の製麺所で毎日仕込むストレートの細麺。
加水率が低めで、適度なコシとのど越しの良さが特徴だ。
それと、特筆すべきは自家製のチャーシュー。
やわらかくてしっとりとした食感のロースと、甘みがあってとろけるような脂のバラ肉から好みのものを選べる。

こちらは丼一面をチャーシューで覆い尽くした「チャーシューめん」(1200円)。
こちらもロースかバラを選べるほか、それぞれ半分ずつトッピングすることも可能だ。
チャーシューで麺を巻いて食べるのがオススメだ。
「春日井市に開店してから、かつて常連だったお客さんがわざわざ訪ねてくださることもあります。
店を復活させて、本当によかったと思っています。
今年の秋、もともと店があった名東区に2号店をオープンさせます。
これが本当の意味での復活だと思っています」(大倉さん)

 

■『中華そば 龍龍』
[住所]愛知県春日井市森山田町43-1
[TEL]070-1508-1141
[営業時間]11時~14時半(L.O.)、17時半~21時半(L.O.)
[定休日]水曜

 

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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