『熱々をすすれば、心まで温かく 感涙の待つ「温蕎麦」』湯気とともに芳醇な香りを立ち上らせるつゆ。牡蠣や天ぷらなどの具材とつゆの旨みをまとった蕎麦。すするたびに温かさと美味しさが口に広がるこだわりの温蕎麦は、必ずや感動を呼ぶこと間違いなし。
画像ギャラリー撮影/西㟢進也、瀧澤晃一(蕎香、月心)、貝塚 隆(三合菴)、小澤晶子(國定)
取材/菜々山いく子(やぶ、國定)、岡本ジュン(もりいろ、三合菴)、松田有美
江戸前 手打そば 蕎香(最寄駅:ときわ台駅)
つゆと蕎麦を粋に味わうならコレに限る
『江戸前 手打そば 蕎香』の蕎麦は、その時期の最も状態のいいものを3種ほどブレンド。毎日手打して、喉ごし滑らかな二八蕎麦に仕上げる。その旨さをシンプルに味わうなら、やはり「かけ」が一番だろう。昆布、鯖節、干し椎茸からとったダシが香るつゆは雑味のないスッキリした味。それでいてまろみがあり、身体にスーッと染み渡る旨さだ。お供には、ぜひ「野菜かきあげ」を。高温でカラリと揚げ、驚くほどにサックサク! 気の利いた酒肴も充実しており、実に居心地のいい店である。
もりいろ(最寄駅:大森町駅)
陽だまりのような卵色のほっこり蕎麦
『もりいろ』のふわふわのかき玉に覆われた水面を箸で手繰れば、ミルキーな湯葉が顔を出す。淡い味わいのかけ汁は卵に抱かれてさらに丸く優しくなり、細打ちの蕎麦に絡みつく。気づけば無心ですすってしまう。深いダシの香りが鼻に抜けてなんとも心癒される味わいだ。途中で、添えられた黒七味を落とせばピリリと引き締まって、また旨い。
蕎や 月心(最寄駅:祐天寺駅)
牡蠣の旨みを余すところなく味わう逸品
『蕎や 月心』でまずは蕎麦をひと口。清々しい香りが鼻を抜けたら、すかさず牡蠣をパクッ。つゆを飲めば深みのあるダシがじんわりと染み、後味に残る牡蠣の風味もなんとも美味。こんな魅惑の「牡蠣そば」が味わえるこの店は9年前にオープン。温蕎麦のダシは利尻昆布にムロアジ、ウルメ、マグロ節、本枯節を合わせた関西風で、丸抜きの実を使用した細挽せいろと抜群に合う。
銀蕎麦 國定(最寄駅:銀座駅)
昆布の旨みを利かせたつゆは完飲必至!
『銀蕎麦 國定』の温蕎麦に使用するダシは昆布が主体。組み合わせる具材の風味を邪魔せず引き立てるためだ。2ヶ月かけて熟成させたかえしと合わせてから、さらに3日寝かせて角のとれたまろみのある味わいに仕上げている。ひと口飲めば、上品な旨みがじんわりと舌に伝わり、思わず飲み干してしまうほど。力強く打ち上げた渾身の二八蕎麦は、なめらかな喉ごしと、歯を押し返すようなコシで、その出来映えに拍手!
三合菴(最寄駅:広尾駅)
芳醇なダシにシャキシャキの青ネギが香る
『三合菴』で味わいたいのは清々しい青ネギたっぷりの「ねぎ蕎麦」。「最後まで飲めるように」と計算したかけ汁は、せいろとはダシを引く鰹節から変えているそうで、キリっとしたダシとかえしのバランスがいい。蕎麦は引きぐるみの外一でせいろよりやや太め。柚子や三つ葉の香りと揚げ玉のほのかな湯気と共にすすれば至福の笑みがこぼれる。
【移転しています】おり戸そば切り やぶ(最寄駅:大塚駅)
「薮」のかえしに合わせる香り高きダシに魅了
『おり戸そば切り やぶ』のツユは「薮」ならではの醤油のたった辛口のかえしを継承し、温蕎麦のダシには、本枯節に宗田節、そしてサバ節の3種類を使用。温めることで華開くすっきりとした旨みと、湯気と共に立ち上る豊かな香りが抜群! このツユにキレのあるスパイスの風味が加わった「カレー南ばん」(900円)も今の時期に人気の一杯だ。
[住所]東京都豊島区北大塚1-34-9 [TEL]03-6903-6536 [営業時間]11時~15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)※ランチタイム有 [休日]木 [席]32席/全席禁煙/夜のみ予約可/カード不可/サ・お通し代なし [交通アクセス]都電荒川線巣鴨新田駅から徒歩3分、JR山手線ほか大塚駅北口から徒歩5分
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