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5、6年前、名古屋では空前のビストロブームが巻き起こった。 その後、そのブームはひと段落していたのだが、名古屋駅の近くに比較的新しい、話題のビストロがあると聞いて、食べに行ってきた。 名古屋市西区名駅2丁目にある『BISTRO Ciel (ビストロ シエル)』がそれだ。

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味もボリュームも大満足! 普段使いしたい『BISTRO Ciel (ビストロ シエル)』

5、6年前、名古屋では空前のビストロブームが巻き起こった。
その反面、店名にビストロと付けただけの洋風居酒屋のような、よくわからない店も登場し、ブームは終わった。
そんななか、名古屋駅の近くに比較的新しいビストロがあると聞いて、食べに行ってきた。

名古屋市西区名駅2丁目にある『BISTRO Ciel (ビストロ シエル)』がそれだ。
もともと2年ほど前に栄でオープンし、昨年9月に現在地へ移転オープンしたという。

「ビストロは食堂であり、一杯飲み屋なんです。
オープン前にパリへ渡って都心から郊外までさまざまなビストロを巡りました。
料理も雰囲気もそのエッセンスを余すことなく再現することができたと自負しています」と、
オーナーの吉見卓さん。

ディナーは、前菜とメインをそれぞれ選ぶビストロならではのプリフィクススタイル。
それにアミューズが付いて3200円。
この日のアミューズは「キノコと野菜のマリネ」。
さっぱりとした美味しさが食欲を掻き立てる。

この日、用意していた前菜は全13種類。
その中から私が選んだのは定番の「田舎風パテ」。
写真からは伝わりにくいかもしれないが、レストランで食べるそれよりもかなり大きい。
これだけでお腹一杯になりそうだ。
実際に食べてみたところ、肉が粗く挽いてあるが、しっとりとした食感。
ワインがすすむ絶妙な塩気が何とも心地良い。
「パテは食感が命。
粗挽きした肉を低温でじっくり火を入れていくのがポイントです」(吉見さん)

同行者が選んだのは、「焼きたてキッシュ(3種のチーズ)」。
カットされたものをイメージしていたが、ホールごと出てきて驚いた。
この豪快さもビストロの醍醐味だ。
やわらかい食感とともにクリームやバターの甘み、そしてチーズのコクが広がる。
カフェなどで食べるキッシュとはまったく違う。
「これは私の考えですが、日本人が美味しいと感じるのは、やわらかくてほのかに甘いものだと思うんです。
マグロのトロや和牛のサーロインも然りです。
このキッシュもまた、その条件を満たしていると思います」(吉見さん)

もう、この時点でかなりお腹が満たされた。
でも、メインはここから。
この日のメインは前菜と同様に全13種類を用意。
そのなかから選んだのは、「リヨン風クネル」。
茹でた魚のすり身をソースと共にオーブンで焼いた料理だ。
何を隠そう、クネルは私の大好物。
魚のすり身はなめらかな舌触り。
海老の殻でだしをとったアメリケーヌソースとよく合う。
器に残ったソースをパンで拭って食べたのは言うまでもない。

同行者は「岩手県産アイナメのポワレ ヴィエルジュソース」をセレクト。
これも、写真ではわかりにくいが、ひと皿にポワレしたアイナメが二切れも盛られていて、食べ応え十分。
ヴィエルジュソースとは、トマトをベースにエシャロットやニンニクなどを煮込んだソース。
ほのかな酸味と深いコクがアイナメの旨みを引き立てる。彩りよく盛られた野菜も旨い。
もう、前菜とメインでお腹はパンパン(笑)。
デザートも別料金で何種類か用意されていたものの、とても食べられなかった。
今回はメインに魚料理を選んだが、肉料理もかなりのボリュームの上にたっぷりのフライドポテトも添えられるという。
「もの足りなさを感じさせてしまうよりは、あの店は食べきれないほどの料理が出てくると言われた方がよいでしょう。
お客さんにお腹一杯食べていただきたいんです」と、吉見さん。
その心意気にお腹も心も満たされた。

BISTRO Ciel (ビストロ シエル)
[住所]愛知県名古屋市西区名駅2-23-14 VIA141 1階
[TEL]052-265-6057
[営業時間]11時半~13時半、17時半~23時
[定休日]水曜

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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永谷正樹
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