はじめに
12の百貨店で聞いた各店のNo.1惣菜をご紹介します。和と洋、肉と魚、食事にも酒のお供にもなるような、幅広いラインナップになりました。
京王百貨店 新宿店、東武百貨店 池袋本店のデパ地下No.1惣菜
『PAOPAO』の黒豚シューマイ
8個843円
噛むほどに粗挽きの黒豚の凝縮された旨みが際立つ。
「店内に厨房を併設。店頭のせいろで蒸し、出来たて熱々をお持ち帰りいただけます」(京王百貨店 新宿店/レストラン・惣菜担当)
「おひとりで60個ご購入された方もいらっしゃいました」(東武百貨店池袋本店/食品担当)
東武百貨店 池袋本店
[電話]03-3986-3784(直通)
西武そごうのデパ地下No.1惣菜
『RF1』の緑の30品目サラダ
100g 411円 ※写真は200g
15年以上に渡るベストセラーで、どんな料理とも合う看板メニュー。たっぷり野菜の食感が楽しい。定番の“和風ガーリック”と季節限定の2種から選べるドレッシングも美味。
「季節ごとに入る品目が変わるなど、創意工夫にあふれる“家庭では作れないサラダ”。そごう・西武合わせて2020年1〜9月までで12トン売れました」(フード担当)
伊勢丹新宿店のデパ地下No.1惣菜
『中国飯店 富麗華(フレイカ)』の富麗華名物 黒酢の酢豚
小サイズ 864円
麻布十番の高級中国料理店が百貨店に唯一構える店舗。黒酢の深いコクと酸味に、揚げた豚のカリッとした食感が絶妙だ。
「小サイズは月平均約1000パックを販売しています」(売場担当)
[電話]03-3352-1111(大代表)
小田急百貨店のデパ地下No.1惣菜
『黒毛和牛 腰塚』の黒毛和牛と彩り野菜のグリル~グレイビーソース仕立て~
1100円
赤身と野菜を香り高くローストし、風味豊かな赤ワインを使ったグレイビーソースで仕上げ。黒毛和牛らしい肉の旨みと上品な脂が魅力だ。
「幅広い客層から支持されており、週に複数回リピーターされる方もいらっしゃいます」(売場担当)
渋谷ヒカリエ ShinQs 東横のれん街のNo.1惣菜
『京料理 美濃吉』の京小箱
1491円
四季折々の素材を伝統の味付けにて店内厨房で調理。上品な味は、全世代にウケること間違いなし。
「小ぶりながら見た目からも四季を感じられると、好評をいただいている一番人気のお弁当です」(バイヤー)
[電話]03-6427-3920(直通)
百貨店担当者に聞いた、2020年の惣菜売り場事情
[松坂屋上野店]
「駐車場完備のため、車を利用される新規のお客様が増加しました。5月の営業再開後は、なかなか外飲みできないという理由などからか、焼鳥や手間のかかる揚げ物などがよく売れました」
[渋谷ヒカリエ ShinQs(東急百貨店)]
「ご自宅でも少し贅沢に、という需要が高まっており、お弁当の単価も上昇。お惣菜の購入量も増え、ご家族との食事に美味しいものを、とお考えのようです」
[高島屋]
「オンラインストアでのご自宅用の惣菜の売り上げが前年比約3倍に伸長。中でもうなぎ、中華・洋風惣菜など、ご自宅で贅沢に、外食気分を味わえる商品がご好評をいただいております」
大丸東京店のデパ地下No.1惣菜
『ポール・ボキューズ デリ』のローストビーフ パヴェ仕立て
100gあたり 891円 ※写真は200g
“パヴェ”とは仏語で石畳の意。角切りで抜群の存在感を誇る。トモサンカクを真空調理し、肉汁を閉じ込めジューシーに。パクパクっと食べられる。
「1日最高50kgの完売実績がございます。ソースは2種類からお選びいただけます」(広報担当)
[電話]03-3212-8011(代表)
高島屋オンラインストアのNo.1惣菜
『野田岩』の冷凍鰻蒲焼詰合せ
2枚入 4708円(送料660円別)
寛政年間創業の老舗。江戸前うなぎ伝統の技と、キリッとした上品な甘さの秘伝のタレが味の決め手。
「ご自宅でのちょっとした贅沢に選ばれています。ギフトにも人気です」(オンライン担当)
高島屋新宿店
[電話]03-5361-1111(代表)
日本橋三越本店のデパ地下No.1惣菜
『京料理 美濃吉 日本橋三越本店』の九条葱だし巻
594円
上品なダシが玉子の味を引き立て、噛むとジュワッとあふれだす。九条ネギのシャキシャキ食感も魅力だ。
「ご来店時に必ず購入されるお客様がいらっしゃる、美濃吉定番の品です」(売場担当)
[電話]03-3241-3311(大代表)
松坂屋上野店のデパ地下No.1惣菜
『井泉本店』のヒレかつサンド
6切入 900円
カツサンド発祥店の銘品は、お肉が柔らかな“お箸で切れるトンカツ”をサンド。
「旨みのあるヒレカツとパン、甘さ控えめのソースが三位一体に。1日平均50箱売れます」(広報担当)
[電話]03-3832-1111(代表)
松屋銀座のデパ地下No.1惣菜
『銀座十石』の銀さけ熟成味噌漬け
1切れ 897円
濃厚な旨みがあと引く逸品。味噌の風味がほどよく、ご飯、燗酒にも合う。
「おにぎり専門店ながら、ファンが多いのが魚の惣菜。温かいご飯をその場で詰められる弁当も好評です」(弁当・惣菜バ イヤー)
[電話]03-3567-1211(大代表)
百貨店担当者に聞いた、2021年の注目フード
[伊勢丹新宿店]
「“サステナブル”に着目したお弁当などを常時展開しています。例えば、フードロス対策にもなる小サイズの『コベントウ』は、女性でもお子さまでも食べ切れると好評です」
[西武そごう]
「手間暇かけて下ごしらえした肉や付け合わせ、ソースなどを袋詰めしたミールキットに力を入れます。初心者でも失敗せず、家庭にいながらレストランの味を再現できます」
大丸東京店]
「感染症対策として、シェアではなく“個食化”がトレンドに。年末年始にご用意するオードブルも例年は大皿だったものを、今期は“おひとりさま分”のメニューを取り揃えます」
おわりに ~出来たての味に勝るものなし!~
「京王百貨店 新宿店」と「東武百貨店 池袋本店」でベストイートに輝いた『PAO PAO』の黒豚シューマイは、「東武百貨店 池袋本店」では今年1月から9月末までで約19万個を販売したというから驚き。
本品をはじめ、店内に厨房を整備する百貨店は多々ある。例えば『中国飯店 富麗華』(伊勢丹 新宿店)では、食材等一式と料理人は東麻布のレストランから来ている。『井泉本店』(松坂屋 上野店)も本店が近隣だが、ほぼ店内で調理している。デパ地下の美味、それも出来たてがいただけるのだから、美味しいに決まっている。
肉惣菜の肉汁が滴る旨さには抗い難い魔力があるけれど、 魚惣菜は自宅での面倒な調理が省けるのも魅力。『銀座十石』(松屋銀座)の銀さけは忘れ難い美味しさの上に、ご飯もふっくらつやつやで超絶美味。お弁当(1221円)もおすすめだ。
京料理の『美濃吉』(東横のれん街・日本橋三越本店)の料理は、若者の和食の入門編として食べるのに最適なのでは。手軽に本物の味に触れられることが百貨店グルメの最大の魅力だと思った。
撮影/鵜澤昭彦 取材/市村幸妙
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