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明治時代のベストセラー『食道楽』にも“バターチキン”が

村井弦斎(1864~1927年)のベストセラー小説『食道楽』(明治36年刊行開始、計8巻)には、和洋中合わせて数百もの料理が登場します。この「秋の巻」に、ライスカレーの作り方に関する記述がありました。

「先づ鳥の肉を骨共に一寸位な大きさに切つてフライ鍋へバターを溶かして今の肉を強火でよく炒り付けます。それから肉を揚げて残つた汁の中へ復たバターを落として」

まさに、これは“バターチキン”のカレーですね。

横濱カレーミュージアム初代名誉館長、小野員裕さんの著書『明治・大正・昭和のレシピで食道楽』(洋泉社)を読むと、このレシピをもとにアレンジして、当時のカレーを再現した感想が載っていました。
「バターの濃厚の味わいが後を引くカレーの想像以上の完成度の高さに驚くはずだ」

無印良品の「バターチキン」も、完成度の高さに驚く逸品でした。

「グリーン」はコクがあって、クセになる辛さ

「素材を生かしたカレー グリーン」(1人前180g、税込み350円)

無印良品のカレーは、辛さが6段階あります。「グリーン」は、上から2番目の辛さです。他のカレーと同じような感覚で、口の中に入れると、あまりの辛さにむせてしまうかもしれません。「激辛」と言ってもいいでしょう。

ですが、この辛さがクセになります。辛さの正体は、青唐辛子。ルーのグリーンの色合いが、美しいです。ココナッツミルクがコクを与え、レモングラスなど6種類のハーブが香りを引き立てます。

具材も豊富です。鶏肉は、やわらか過ぎず、硬すぎず、絶妙な歯ごたえ。ふくろたけ、たけのこの食感も楽しめます。ルーは、“しゃぶしゃぶ”な感じですが、コクがあるので、満足感が得られます。

お店で出されても、レトルトとは気づかないほどのクオリティーの高さです。実際、知人からも同じような声を聞きました。

ひき肉の歯ごたえがたまらない「キーマ」

「素材を生かしたカレー キーマ」(1人前180g、290円税込み)

食べた最初の印象は、「香りが高く、スパイシー」。そして、「バターチキン」とは印象の異なる濃厚さがあります。ご飯にルーがよくからみます。

何と言っても、ひき肉の弾力がたまりません。ひき肉には、にんにくと生姜の風味が効いています。辛さも、ちょうどいい感じです。

ボリュームに大満足! “旨み”と“甘み”の「牛ばら肉の大盛りカレー」

「素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー」(1人前300g、350円税込み)

無印良品のレトルトカレーには、「大盛り」のシリーズがあります。「無印良品 銀座」の店員さんに聞くと、中でも人気なのが、この「牛ばら肉の大盛りカレー」とのことでした。

300gという通常(180g)の1・7倍近い量なのに、「バターチキン」や「グリーン」と同じ値段というのが嬉しいです。

食べた印象は、王道のカレーという感じでしょうか。牛肉の旨み、玉ねぎの甘みが効いていて、ルーが濃厚。深い味わいです。

味、全体のボリュームに加え、牛ばら肉の量にも大満足です。

「華麗なる街、銀座。カレーなる店、無印。」

「無印良品 銀座」のレトルトカレーが並べられた棚の前には、横断幕がかかっています。そこには、「華麗なる街、銀座。カレーなる店、無印。」のキャッチコピーが。思えば、銀座は日本の洋食文化を牽引してきた印象が強い街です。もちろん、レトルトカレーは、他の無印良品の店舗やネットストアでも購入できますが、多くの種類が並んだこの棚の前で、「どれを買おうか」と悩んでみるのも、楽しいかもしれません。

「無印良品 銀座」の店舗情報

[住所]東京都中央区銀座3-3-5
[電話]03-3538-1311
[営業時間]11時~20時(2021年1月8日から当面の間)。MUJI Dinerは11時~19時(LO18時)。ATELIER MUJI GINZAは11時~18時。ベーカリーは7時半~20時、土・日・祝10時~20時。※営業時間は変更されることがあります。
[交通]地下鉄銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B4出口から徒歩3分、地下鉄有楽町線銀座一丁目駅5番出口から徒歩3分、JR山手線有楽町駅中央口から徒歩5分

撮影・文/堀晃和

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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この記事のライター

おとなの週末Web編集部 堀
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