インパクトが凄すぎる! 個性派“三ツ星とんかつ専門店”4軒はココ

とんかつが食べたい! せっかく食べるなら、店名に『とんかつ』が入るようなお店に行きたい。というわけで、専門店に絞って大調査。じっくり揚げて食べさせてくれる王道の店と、食べ方やスタイルに特徴のある個性派に分けてお届け。好みの食べ方でお選びください。今回は個性派編!

画像ギャラリー

食べ方、味付けで変わる!

専門店ながら、独自のスタイルで客の心とお腹を満足させる店があります。

それぞれの食べ方、味付けでとんかつのイメージをほんの少しだけ変えてくれる。これもまた美味なるとんかつなり。

『元祖やきかつ 桃タロー』@浅草

焼きかつの衣の香ばしさよ! 昭和から令和になっても変わらぬホンモノの味

「焼きかつ」とはその名の通りフライパンで一枚ずつ揚げ焼きしたとんかつのこと。『上野精養軒』で修業した初代がフランス料の“コートレット”を元にアレンジした、昭和12年の創業からの看板だ。

一般的なものとの大きな違いが衣の食感で、咀嚼の度にザクザクッと頼もしき音が鳴り、歯にも耳にも心地よく響く。

しかもあっさり軽やか胃もたれなし。香味野菜をたっぷり加えて煮込んだ自然な甘みのソースも手伝って、あっと言う間にペロリだ。

「手間暇かかるけど年配のお客さんも喜んでくれるから」と元店主の3代目。80年経っても色褪せない、これぞ本物!

特上焼きかつ定食(1550円)

熱々の鉄板に乗せられ、ソースをかければジュワ〜ッと湯気が上がり食欲を刺激! 昭和な風情を感じる付け合わせにもグッとくる。

焼き方にこだわりあり!

揚げ焼きにすることで油の吸収を抑える上に、焼き目の香ばしさもたっぷり。終始フライパンを揺すって火の通りを均一にするため、出来上がりまでひと時も目が離せない


ポーク生姜焼き(1300円)

フレッシュな生姜をたっぷり利かせた特製のタレが後をひく。このタレが染みたキャベツもこれまた旨し!

焼豚(680円)

ロース肉をじっくり4時間ほどかけて煮込み、ほろっと崩れるほどの柔らかさ。酒のつまみにもピッタリだ。

[住所]東京都台東区花川戸1-10-9
[電話]03-3841-0735
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、17時~21時(20時LO) ※土・日は16時45分~
[休日]月、第2・4火(祝は営業、翌休)
[交通]東武スカイツリーラインほか浅草駅北口から徒歩1分

『元祖やきかつ 桃タロー』内観

『車力門 ちゃわんぶ』@荒木町

自家製かえし醤油&ソースで〆はすり流しの和風カレー とんかつの新たな魅力に刮目

目から鱗が落ちた。とんかつの新味に気付かされた。2017年に惜しまれつつ閉店した割烹が昨年春に再始動。それもとんかつ専門店としてだ。

メニューは定食の1本で全貌がご覧の写真。カラシを浮かべた自家製の“ かえし醤油”に、奥の片口が温めて風味を立たせた、これまた自家製のソース。それらが素材と技を徹頭徹尾に追求した主役を見事に彩り引き立てる。

〆にやってくるのがいわば和風ポタージュの“すり流し”で、残しておいた数切れをご飯に乗せてソースで調味すると、程よいスパイス感が加わって、まさしくカツカレー。最初から最後まで興奮が止まらない。

とんかつ定食(3500円)

網に乗り切らない大きさと厚さで1人前は約320g。パン粉は薄めで素材をダイレクトに感じる。

特筆ものが“かえし醤油”。まろやかな醤油の風味が豚肉のコクや甘みを繊細に引き立てる。

少し固めに炊いたご飯や、味噌汁などもとんかつに合うよう作られたものだ。漆塗りのお膳に作家物の美濃焼の皿など、食器類も含めすべてが上質。

とんかつを半分ほど食べ終わると出されるのがカレー風味のすり流し。
ご飯にかけてからとんかつと卵黄をのせ自家製ソースで食すのが店主のおすすめ

肉にこだわりあり!

現在は群馬県産の「阪東もち豚」を使用。「脂身の甘さが最大の持ち味」と店主。また揚げ上がりは、弾力ある食感を楽しめるよう、ひと切れを薄めにカットする工夫も

[住所]東京都新宿区荒木町3-22
[電話]03-3356-1680
[営業時間]11時~13時LO
[休日]不定休
[交通]地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅4番出口から徒歩3分

『車力門 ちゃわんぶ』内観

『東京味噌とんかつ』@八王子

名古屋だけにあらず 東京風の味噌ダレがカツにも飯にも抜群!

“味噌カツ”といえば、名古屋のあの味をイメージするだろう。でもここで出すのは全くの別物。

店長の藤澤さんが作りたかったのが、関東人の舌に合わせた、味噌ダレのとんかつ。そのためベースは八丁味噌ではなく信州味噌。さらにカツオダシと生姜を利かせライトな味わいに仕上げている。

特注のパン粉と植物油で揚げたカツと出合えば爽やかに、でもコク深く、旨さを何倍にも膨らませてくれる。途中でマヨネーズとカラシをちょこっと足してみて。飯に合うおかず選手権、見事優勝!

よりあっさりがお好みならダシ汁で食す「みぞれとんかつ」なんてオリジナルもあり。

東京味噌とんかつロース(150g、1480円)

油切れの良い衣はサクッとした食感で、トロリとした味噌ダレとも相性バッチリ!

味噌にこだわりあり!

信州の赤と白の2種の味噌がベース。そこにカツオダシや合挽き肉、たっぷりの生姜などを加えて6時間ほどじっくり煮込んでいる。これだけでもご飯が進む!


みぞれとんかつロース(1280円)

カツオ節のダシに、山菜、長ネギ、粗く下ろした大根などを具にした特製のつけ汁で食す。

[住所]東京都八王子市暁町1-8-18
[電話]042-686-2985
[営業時間]11時半~14時LO、17時~21時LO
[休日]不定休
[交通]京王線京王八王子駅西口から徒歩20分

『東京味噌とんかつ』内観

『富士㐂 人形町』@人形町

豪快にガブリと かぶりつきたい! 300gの骨付きとんかつ

「お待たせしました」と目の前に置かれる、ド迫力の骨付きとんかつに目を奪われる。

骨を持ち上げるとズッシリ重い。かぶりつけば、カリッとした衣の食感が小気味よく、アツアツの豚ロース肉の旨みがじんわり。ワイルド、そして何より肉を喰らう充足感が半端ない。

豚は、茨城県産の瑞穂のいも豚。脂に適度な甘みがあり、豊かなコクをたたえた赤身肉が実に旨い。この店ではいも豚の他に岩手県産の岩中豚、タイミングがよければ三重県産の愛農ナチュラルポークに出合えることも。

豚の種類や部位の食べ比べメニューも用意されているので、シェアするのもおすすめだ。

骨付きとんかつ(300g、1700円)

骨付きで見た目のインパクトはかなりのもの。

綿実油やコーン油などをブレンドした油で10分ほど揚げ、ミディアムレアの仕上がりに。粗塩、自家製柚子胡椒、ソースの順で味の変化を楽しんで

岩中豚極厚切りロース(300g、3000円)

4cmはあろうかという分厚いとんかつだが、噛むと驚くほど柔らかい。しっとりして、肉の繊細な旨みがたまらない。

肉にこだわりあり!

肩ロースの中でも限られた量しか取れない骨付き肉。瑞穂のいも豚を1頭買いしているからこそできるメニューだが、時には違う銘柄の国産豚になることも

[住所]東京都中央区日本橋人形町1-5-14
[電話]03-6667-0559
[営業時間]営11時半~15時半(15時LO)、17時~22時(21時半LO)、土・日・祝11時半~15時半(15時LO)、17時~21時半(21時LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A2出口から徒歩2分

『富士㐂 人形町』内観

撮影/小島昇、西崎進也(ちゃわんぶ、富士㐂) 取材/菜々山いく子、松田有美(富士㐂)
※店のデータは、2020年3月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

画像ギャラリー

関連キーワード

この記事のライター

関連記事

【お湯をかけるだけ?】ブロックから現れた「海老天とじ丼」がマジうまい!! 想像を超えた「フリーズドライ」技術に腰を抜かした

『てんぷら黒川』の衣は中身が透けて見える…!野菜のみずみずしさに驚くランチセット

つめたい「夏のうどん」を実食…!極太、のど越し、つゆまでゴクゴク飲み干したい《ベスト5店》

東京駅に進出した江戸前天ぷらの老舗「銀座ハゲ天」が提案する新機軸”天ぷら串”と”まぶしめし”とは 『天ぷら串とまぶしめし ハゲ天』

おすすめ記事

『琉球かめ~食堂』の“母のちまき”は台湾の味 パイナップルを食べて育ったあぐー豚のチャーシューが入ってる!縁起の良い7種の具材

おひとりさまで「近江牛」を気軽に!『焼肉ライク』でブランド牛がサクッと食べられる

“タワマン”の日本初の住人は織田信長だった? 安土城の「天守」ではなく「天主」で暮らした偉大な権力者の野望

芝浦市場直送の朝締めホルモンは鮮度抜群 高円寺『やきとん長良』は週末の予約は必須

不思議な車名の由来は「ブラックボックス」 ”ミレニアム”に鳴り物入りでデビューした革命児の初代bB 

大分県に移り住んだ先輩に聞く(2) 移住でウェルビーイング「移住とはコミュニティの中でその想いを受け継ぐこと」

最新刊

「おとなの週末」2024年12月号は11月15日発売!大特集は「町中華」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。11月15日発売の12月号は「町中華」を大特集…