タンメンの殿堂店5選 懐かし美味しい昭和の味

丼の中にあったかいスープ、上には野菜がどっさり。それをどけて持ち上げた麺からは湯気がふわ~っ。ハフハフしながら食べるタンメンは、どこか昭和を感じさせます。そんなノスタルジックな気持ちにさせてくれる5杯をお届けします。

画像ギャラリー

『中華 味一』@不動前

タンメン(700円)
2種類の地鶏のガラやモミジを炊いたスープは、コクがありつつも、すっきりとして後をひく。具はモヤシ、キャベツ、ニラなど。

シャキシャキ感のなかにコシのある細麺が存在感を放つ

たっぷりの野菜から スープの旨さがあふれ出す 店主が惚れた懐かしの味

かつて三田にあった中華料理店『味一番』。少年時代、この店のタンメンと炒飯が大好物だった店主・今野さんは、それを再現するため植木職人から料理の世界に飛び込んだ。

タンメンは、記憶を辿って独学で修得。たっぷりの野菜を炒めてから、2種類の地鶏で取ったコク深い濃厚スープを注ぐ。溶け出した野菜の甘みが特注麺に絡み、なんともやさしい味わいだ。

ふんわり、パラリの炒飯も食べずには帰れない。街中華の名店ここにあり!

炒飯(680円)
具は刻んだチャーシューやナルト、玉子、ネギといたってシンプルだが、炒めの技で香ばしさを生み、米の旨さまでも引き出している。タンメン+半炒飯セットも(1000円)

餃子(390円)
野菜たっぷりの餡をモチモチとした厚めの皮で包み、かぶりつけばジューシーな肉汁がほとばしる

店主 今野博史さん
「近隣ならば出前も承ります!」

『中華 味一』こぢんまりした店内。昼時はいつも満席だ

[住所]東京都目黒区下目黒2-24-7
[電話]03-3490-9531
[営業時間]11時半~15時LO、17時半~23時(22時半LO)
[休日]無休
[交通]東急目黒線不動前駅から徒歩6分

『中華 味一』

『富白』@御徒町

鶏ぶた塩タンメン(880円)
カツオ節や昆布で旨みを持たせた塩ダレが、スープにさらなる深みと厚みを出している

麺は浅草開化楼製の太い縮れ麺。小麦粉をぎゅっと凝縮したような、力強い香りとコシにあふれている。

剛麺の力強いコシと小気味いい食感の野菜で際立つ白湯スープの旨み

シャキッと小気味いい野菜に、ゴツゴツとパワフルな縮れ麺。両者の相反する食感が、口の中で鮮やかに調和し引き立て合う。

野菜にたっぷり吸わせたスープは、鶏ガラをベースにニンニクや生姜、香味野菜で深みを持たせた濃厚白湯。その骨太な旨みが、具材と麺をたくみにつないでくれるのだ。

唐辛子入りの鶏油をかけた辛タンメンも人気の一杯。

基本的に昼の営業で、その日の仕込み分が売り切れとなってしまうのでご注意を。

鶏塩拉麺(700円)
同じ素材でとった清湯スープに細麺を合わせた、あっさりとした味わい。スープに浮かぶ鶏油が麺に絡みつきコクを増している

『富白』カウンター席の他に4名用のテーブル席もある

[住所]東京都台東区台東3-14-10
[電話]非公開
[営業時間]11時~15時
[休日]日・祝(臨時休はツイッターで告知)
[交通]地下鉄日比谷線仲御徒町駅1番出口から徒歩2分

『富白』

『タンメンしゃきしゃき 新橋店』@新橋

タンメン(700円)
具はモヤシ、キャベツ、ニンジンなどの国産野菜に豚バラ肉が入る。好みで卓上の自家製ラー油をかけて辛みを足しても

タンメン(700円)

テンコ盛りの野菜でヘルシーかつ満腹! 行列必至の人気店

麺モノはまさしくタンメンのみ。昼時ともなればこの一杯を求め、新橋界隈のビジネスマンが行列を作るのだ。

山と盛られた野菜は1人前でなんと500g以上! 店名に違わぬシャキシャキとした歯触りが、なんとも心地良く響くのだ。

麺は自家製の平打ち中太麺。鶏ガラに昆布や煮干しのダシをあわせたすっきりとしたスープがほどよい縮れに絡み付く。

餃子(5個、450円)
餡にはキャベツやニラなどの野菜がたっぷり入り、あっさりとした味わいだ。厚めのモチモチ皮との相性も抜群

店長 古坂大地さん
「九段下や錦糸町にも支店があります」

『タンメンしゃきしゃき 新橋店』

[住所]東京都港区新橋4-6-7
[電話]03-3437-7222
[営業時間]11時~23時半(23時15分LO)、土・日・祝11時~22時(21時45分LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか新橋駅烏森口から徒歩4分

『花家』@日暮里

タンメン(780円)
瑞々しく仕上げたモヤシ・キャベツ・ニラなどの野菜の食感も抜群。

すっきりとしたスープにあわせて特注する麺は細打ちながらもしっかりとしたコシがある

あっさりスープ×細麺 懐かしくも奥深いタンメンに拍手喝采!

戦前に生花店から始まり、戦後は甘味処、そして今では街の人々に愛される食事処となった。

定食や丼物に洋食と幅広いメニューのなかでも、いちばん人気がこのタンメン。豚骨や鶏ガラベースの動物系ながらも、あっさり清湯に仕上げたスープに、スマートな特注の細麺がマッチする。

素朴で実直なその味わいは、毎日でも食べたくなる旨さなのだ。

焼き餃子(550円)
粗く刻んだキャベツの食感や、生姜の爽やかな香り、豚挽き肉のコクがひと口サイズにギュッと詰め込まれている。しっかりした味付けで、ご飯やビールとも相性ピッタリ

3代目 金森伯文さん
「持ち帰り用の生餃子も人気です」

昨年8月末に改築してリニューアルオープン

[住所]東京都荒川区西日暮里3-2-2
[電話]03-3821-3293
[営業時間]11時~20時(19時半LO)
[休日]火
[交通]JR山手線ほか日暮里駅西口から徒歩1分

『花家』
谷中散策の途中にも立ち寄りたい

『来々軒』@木場

タンメン(750円)
麺は浅草開化楼製の平打ち麺。鶏ガラ、豚ゲンコツ、モミジなどを炊いた上品な清湯スープを受け止める

タンメン(750円)

やさしいタンメンとガッツリ餃子 旨さ膨らむバッテリー

ここへ来たら”タンギョウ”(タンメン+餃子)で注文すべし。

キャベツたっぷりのタンメンは、野菜の甘み際立つライト系。塩ダレは使わず中華鍋で塩や胡椒とあわせた、淡くおだやかな味わいだ。一方むっちり厚い皮に包まれた餃子は豚肉のコクをしっかり感じるどっしり系

交互に食べれば、それぞれの旨さが倍増する、まさに黄金コンビだ。

餃子(510円)
通常の約2倍の餡を包んだ特大サイズ。スープで茹でてから底面をラードで焼き、肉汁からあふれるコクと香ばしさがたっぷり

店主 荒張好衛さん
「餃子と自家製ラー油はお取り寄せもやってます」

『来々軒』

[住所]東京都江東区東陽3-21-4 ライオンズマンション東陽2
[電話]03-6458-6368
[営業時間]10時半~15時、17時~20時(各10分前LO)※材料がなくなり次第終了
[休日]水、第1•3木 ※祝日の場合は営業し翌休
[交通]地下鉄東西線木場駅1番出口から徒歩4分

撮影/小島 昇(味一)、西﨑進也 取材/菜々山いく子
※店のデータは、2019年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

画像ギャラリー

関連キーワード

この記事のライター

関連記事

町中華を超えた宮廷料理レベルのチャーラーを近鉄大和八木駅で発見!日本最安レベルの半チャーハンにも衝撃

池袋の「ガチ中華」で発見した、《ディープな羊肉店》を覆面で調査…!塊肉、串焼き、ラーメン、「高いコスパの高級食材」を実食

覆面調査隊が 《最強の冷やし中華》 を発見…!町中華の “王道” から “謎のうまダレ” まで「4つの名店」で実食

なぜ人はふわとろ卵にそそられるのか。愛知県春日井市の町中華『仙楽』の「ふわ玉チャーハン&ミニラーメン」を食べて思うこと

おすすめ記事

名古屋のコーヒーは量が多い!?コーヒー好き女優・美山加恋がモーニングでその真相を知る

肉厚!もつ煮込みがうまい 創業70年の老舗『富久晴』はスープも主役「ぜひ飲み干して」

東京、高田馬場でみつけた「究極のラーメン」ベスト3店…鶏油、スープ濃厚の「絶品の一杯」を覆面調査

禁断の2尾重ね!「うな重マウンテン」 武蔵小山『うなぎ亭 智』は 身がパリッと中はふっくら関西風

この食材の名前は? やせた土地でも育ちます

満腹でも気分は軽やか!東京産食材にこだわったヘルシービュッフェ を提供 八重洲『ホテル龍名館東京 花ごよみ東京』

最新刊

「おとなの週末」2024年12月号は11月15日発売!大特集は「町中華」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。11月15日発売の12月号は「町中華」を大特集…