スーパードライの大ブレイクでひっそり姿を消した名作
クラフトビールが好きですが、やはり今夏もアサヒスーパードライの切れのあるビールがほしくなり、グビッと飲んでは「大手のビールも美味しいなぁ」と唸っていたものです。
そんなアサヒから新しいビールが発売。といっても、新しいよりも古いというか懐かしいんです。え、なんでって? 2021年9月14日に復活した「アサヒ生ビール」通称「マルエフ」は、アサヒスーパードライが出る前年の1986年に発売され、人気を博した商品だから。
しかし、「スーパードライ」の大ブレイクにより1993年4月に終売。
ひっそりと一部のお店で樽生のみ扱われるなど表舞台から遠ざかっていました。そんな“消えた天才”的存在ですから、ビール好きの間では提供店でマルエフを見つけると、「これは珍しい!」と喜び勇んで飲まれておりました。かくいう僕もそのひとり。
それがこの度、缶ビールとして復活するというから驚き。しかも、CMキャラクターがガッキーこと新垣結衣さん。それもビールどころかアルコール飲料のCM初登場ってことで、アサヒさんのマルエフへの気合いの入りように二度驚き。ということで、ガッキー投入でネットでも話題沸騰になっているわけです。
まろやかな味わいをじっくり楽しみたい“おとなビール”
というわけで、早速飲ませていただきました!
缶は、アイボリー&ゴールドというやさしいカラーリングに、角張ったフォント。中央には、幸運の不死鳥を配し、全体にレトロ感漂うデザインです。温かみがあって手に取りたくなります。
さて、プシュッと開けましていただきます。
お、琥珀色の美しいビール……グビグビッ。ぷはぁ~というより、ふ〜っとひと息。スーパードライのようなキレがあるガツンとした飲み口と正反対のまろやかな飲み口。ほんのり甘みとホップの旨みを感じます。缶を見ますと、アルコール度数が4.5%。スーパードライの5%より少し低いです。
こうなると、スーパードライとの違いをちゃんと確認したくなる。と思い、スーパードライも買っておいたのです。
スーパードライを飲むとより明確にわかるキャラの違い
では、スーパードライにちょっと寄り道。グビグビッ、ぷはぁ~! これこれ! 物心ついたとき、親や親戚が飲んでいたビールがスーパードライ。そして、はじめて飲んだビールもスーパードライ。それもあって、僕にとっての基準の味がスーパードライ。
でもマルエフを飲んだあとに思うのは、当時このキレがあって辛口なビールって相当衝撃を持って受け入れられたんだろうなと。
飲み比べた結果、炭酸があってキレがあり、苦みもしっかりあるドライが好きな人からすれば、マルエフは低炭酸でまろやかな味わいで余韻があるビールですから正直物足りなさを感じるかもしれません。
夏がスーパードライなら、秋はマルエフ。そんな印象を受けました。これからの季節にピッタリなビールでしょう。ダシが利いた煮物や、焼いたサンマなど、和食に寄り添ってくれそう。
スーパードライに寄り道していたことで、開封後から少し時間が経ったマルエフ。飲んでみますと温度帯が上昇したからか麦芽の風味が感じられ、また違う顔を見せてくれました。これは、じっくり楽しみたいおとなのビールで間違いなし。
閉塞的な世の中になってしまった今、ちょっぴりやさしいマルエフでほっこりとした時間が過ごせそうです。
超先行! 「黒生」を試飲 これまたじっくり飲むべき一本
そして、もうひとつ復活する商品があります。それが「アサヒ生ビール黒生」。
こちらは、1982年に日本初の缶の黒生ビールとして発売した「アサヒ黒生ビール」がルーツ。1995年に、3つの麦芽をブレンドして芳ばしい麦芽の香りと少ない苦み、やや甘みを感じるまろやかな旨みを実現してリニューアル。人気を集めました。
しかし、2012年の「アサヒスーパードライ ドライブラック」の発売を機に2015年に終売。この度、2021年11月24日に「アサヒ生ビール黒生」という缶ビールで発売されることになりました。
こちらは超先行で飲ませていただきました。飲んだ瞬間ほんのり香ばしく、あとから甘みがふわり。こちらもまろやかな旨みがあります。どこかダシっぽさを感じるので、黒ビールながら和食も合いそうな雰囲気です。
黒はビターなものが多くて苦手に思う人も多いと思いますが、これなら飲めそうです。ぜひチャレンジしてみてください。僕はマルエフとのハーフ&ハーフにチャレンジしたいと思います。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。