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現実を目の当たりにして気付いた、「大人になる」ということの意味

私は高校までプロ野球選手になると思っていたし、大学からは、将来は弁護士として働いていると当然のように思っていたけれど、なんと無残な現状だろう。

ただ、理想通りの人生を歩めている人間がどれくらい存在するだろうか。

そりゃ東大に入って、トントン拍子に生きている人もいるだろうけれど、人類の大半は東大側ではなく前田側の人間だろう。

上手くいかない事ばかりで、日々疲弊していくけれど、その繰り返しの毎日の中でふと思う。

大人になるというのは、この思い通りにいかない事実を積み重ねることではないだろうか。

子供は駄々を捏(こ)ねるしかないけれど、大人になるにつれて、いつしか納得のいかない現状も受け入れながら、おかしいと思いつつも折り合いをつけて、その中で過ごそうと努力する。

私でいうと、打ち合わせで楽屋に入ってきたスタッフが相方に対しては丁寧に挨拶していたのに、私が挨拶しても一切返ってこないことが割とある。

その後の打ち合わせも、相方だけに仕事の内容を喋って、伝えることが済んだら、また相方に向かってよろしくお願いします、と声をかけて出ていく。

私の姿が見えていなかったり声が聞こえなかったのかな、と心配になって、打ち合わせの後にマネージャーに話しかけたら返答があったので、どうやら私の声が現実世界でミュート設定になってしまっていた訳でもなかった。

コンビなんだから2人平等に目線を向けろとは言わない。せめて一度くらいは目を向けるか挨拶に対して返事をしてくれればいいのに。

いや、もしかすると衣装さんと間違っていたのかも知れないな。実際、とあるテレビ番組の収録で、アッコさんの衣装さんと間違えられてスタッフさんに指示されたこともあるし。

ただ、私を衣装さんと間違っていても、挨拶をしたら返すのが普通だろう。

彼にとってティモンディというのは1人という認識であるならば少しは納得もいくけれど、納得はいっても腹は立つ。

そういう思いをする度に、こっちだって仕事する気無くなるからな、と開き直りたくもなるし、帰ってやろうかなと思うこともあるけれど、
そんな現実と折り合いをつけて、駄々を捏(こ)ねずにその場の仕事はこなしている瞬間は、大人だなあと自分に丸をつけてあげている。

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復讐心をエネルギーに変えて、目指せ、理想の大人...
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ティモンディ前田裕太
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