野外で楽しむバーベキューといえば夏のイメージですが、寒い季節も人気を集めていることはご存知でしょうか。焚き火や炭火で、グリルに肉を豪快にのせて焼くだけでなく、冬は魚介など旬の食材で鍋料理も魅力です。そんな冬レジャーの新たなトレンド「ウインターバーベキュー(BBQ)」が楽しめる東京都内のBBQ会場で、焚き火の使用が解禁されました(一部会場では12月11日から)。会場は、都内なのでアクセスも便利、しかも手ぶらで行ってもOK!ゆらめく炎を前にゆったりした時間を過ごせば、みんなの心の距離もグッと縮まります。本格的な冬BBQのシーズン到来です。
画像ギャラリー都立新木場公園で初の「焚き火」解禁! チゲ鍋、味噌鍋で温まる 冬季限定プランを見逃すな
東京都内のJR京葉線「新木場」駅から徒歩7分とアクセス抜群、食材や道具の持ち込みも必要ない手ぶらでOKのBBQ広場として高い人気を誇るのが、都立新木場公園内にあるバーベキュー広場です。目の前に海が広がり、潮風が吹き抜けるひときわ開放的なエリアは、休日ともなれば、多くの家族連れや友人グループらで賑わいを見せています。
新型コロナウイルスの影響で、一時休業を余儀なくされた当広場ですが、緊急事態宣言解除に伴い、2021年10月下旬から予約が再開されるや否や、11月の週末は満席となる盛況ぶり。当広場の運営管理会社によると、「例年、11月いっぱいで人出も落ち着くのですが、今年度は12月以降もたくさんの問い合わせが寄せられています」(担当者)
こうした状況を受けて、当広場では12月11日から2022年2月末まで「冬季限定プラン」を用意(当初は12月1日からでしたが、新型コロナウイルスの影響による調整作業により11日スタートに延びました)。これにより、初めて広場内での焚き火使用が解禁され、1日5サイト限定で利用できます。
ダッチオーブンを使ったチゲ鍋か味噌鍋が提供されるほか、焼き芋用のサツマイモや、焼酎のお湯割りといったホットドリンクも注文できる飲み放題も付きます。焚き火でゆらめく炎を前にくつろぐ、非日常の時間を堪能できるとは、なんとも贅沢です。
担当者は「夏特有の騒がしさがなく、落ち着いたゆとりを感じられるのが冬バーベキューの魅力。この時期ならではのアウトドアの醍醐味を体験してほしい」と話しています。
食材の傷み、虫刺されの心配ナシ 火を囲んで連帯感アップ
実は筆者も、夏より冬にBBQを楽しみたい派です。冬のアウトドアレジャーでは、最近、キャンプを始める人も見受けられますが、専門的な装備や高度な技が必要で、小さいお子さんのいるご家庭ではハードルが高いように思います。
その点、専用の会場や自宅の庭などでできるBBQなら、道具は夏仕様のまま、食材や服装を冬支度に変えるだけで、気軽に楽しめます。
例えば、真夏にやるとなると、猛暑による熱中症のリスクがつきまとい、会場には多くの人が押し寄せ、密集した空間でさらに暑さが助長されます。女性にとっては、屋外の強い紫外線による日焼けや虫さされを心配して、思う存分楽しめない人も少なくないのではないでしょうか。
その点、冬場は多少寒くても、防寒対策をしっかりすれば、いいことづくめ。むしろ、寒い方が家族や仲間との連帯感がアップする気がします。夏場は、バーベキューコンロの周りは蒸し暑く、焼き手が汗を拭き拭き黙々と焼いている以外、みな近づこうとしませんが、冬場は暖をとろうと自然とコンロを囲んで人が集まり、話が弾みます。
食材の管理もいたってカンタン。夏場は、肉や魚介といった生モノの痛みが気になったり、ドリンクがぬるくなってしまったりする難点がありましたが、冬場なら心配ナシ。むしろ外に出しておいても、天然の冷蔵庫代わりとなって冷やしてくれます。
タラ、鮭、牡蠣、大根、里芋、レンコン…冬の味覚を使い尽くせ
何といっても、多くの海鮮が旬を迎える冬は、味覚の宝庫でもあります。魚へんに雪と書くタラやサケ、ホタテ、牡蠣、上級編でアンコウなどは、この時期に、もってこいの食材です。
夏のBBQでは、メインがどうしても肉料理に偏りがちですが、冬場は、魚介を主役にして新規開拓にチャレンジするのがおススメ。ふだんの食卓に上がる鍋料理では、なかなか魚介に箸が進まない子供達も、コンロや焚火にのせれば、あら不思議、ためらわずパクついてくれます。
一方、大根や里芋、レンコンやゴボウなど根菜類もこの時期大いに使いたいところ。夏場のBBQ では、トウモロコシやピーマンやナスをグリルすることはあっても、根菜を使用する機会はほとんどありませんが、美味しさがぎゅっとつまったこの時期、使い尽くすのも手です。
「石狩鍋」「豚汁」「牡蠣のチャウダー」 鍋料理でほっこりにっこり
そんな栄養価の高い旬の食材をたっぷり使った、冬ならではのBBQ には、体の芯から温まる鍋料理がぴったり。
例えば、「石狩鍋」。北海道・石狩地方の郷土料理として知られ、ぶつ切りした鮭やタラ、春菊やキャベツなどを入れた味噌仕立ての汁で煮込みます。鼻孔をくすぐる酒粕のにおいにつられ、箸がとまりません。〆にはうどんを投入してもいい感じ。北海道出身の筆者の夫に言わせれば、山椒をかけていただくのがツウな食べ方とか。
おなじみの「豚汁」も、いつもより大鍋にたっぷり根菜ときのこ類を入れ具だくさんにすれば、何とも滋味深い味わいにほっこりすることでしょう。ただし、里芋のぬめりとり、ゴボウやこんにゃくのあく抜きなど下ごしらえをお忘れなく。
鍋料理のお供には、焼き網を使った「焼きおにぎり」が香ばしく、次から次へと手が伸びるので、お米はふだんより多めに炊いておけば安心です。
「海のミルク」と呼ばれる栄養価の高い牡蠣は、BBQでは殻つきのままグリルで焼き牡蠣というパターンが多いかもしれませんが、ぜひ、鍋料理でいただきたいところ。「牡蠣のチャウダー」なら、子供も好きなホワイトソースにからめるので、濃厚なうま味と相まって満足度高めです。
牡蠣と相性の良いホウレンソウやブロッコリー、人参で彩りよく仕上げて。牡蠣はあらかじめ、白ワインで蒸しておき、火を通しすぎないように、最後にお鍋に投入するのがポイント。プリプリした牡蠣の食感がたまりません。網で軽くあぶったバゲットも一緒にどうぞ。
デザートもBBQで
BBQでも、デザートまで堪能したいなら、「焼き芋 焼きりんご」はいかがでしょう。それぞれ、濡れた新聞紙にくるみ、さらにアルミホイルを巻いて、鍋をかけている間、薪や炭火の部分に置きます。ちょうどメインを終えたころ、香ばしく焼き上がり食べごろとなります。お好みでバニラアイスやはちみつ、メープルシロップをかけてもおいしいです。
火の取り扱いにはくれぐれも注意を!近隣への配慮も
最後に忘れてならないのは、冬場は空気が乾燥しているので、火の取り扱いにはくれぐれも、ご注意を。年末年始は、人が集まる機会が多くなります。自宅の庭でBBQをする際には、騒音や煙の流れ具合など近隣への十分な配慮も必要です。
寒さを吹き飛ばす“ウインターBBQ”で、新たなアウトドアレジャーを開拓してみていかがでしょう。
東京都内の主なBBQ会場
東京都立新木場公園バーベキュー広場
[焚火 鍋プラン]2022年2月末まで1日5サイト限定
チゲ鍋か味噌鍋どちらか1つ選ぶ(豆腐、キノコ、季節の野菜4種、豚小間、〆のうどん)、サツマイモ(焼き芋用)、イス、焚き火用テーブル、焚き火台、薪、ダッチオーブン、箸、おてふき、シェラカップ、おたま、トング
ソフトドリンク飲み放題セット1人3300円(税込)
オールドリンク(アルコール含む)飲み放題1人4400円(税込)
※未就学児無料
[住所]東京都江東区新木場2
[予約受付]050‐5835‐0493(午前9時から午後6時)
[営業時間]午前10時から午後4時
[休]水(水が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
[交通アクセス]JR京葉線・東京メトロ有楽町線・りんかい線新木場駅から徒歩10分
若洲海浜公園キャンプ場
日帰りで焚き火を使ったバーベキューが楽しめる。直火(地面や芝生で直接、薪などを燃やす行為)禁止。利用料金、大人1人300円、小中学生150円。
[住所]東京都江東区若洲3‐2‐1
[予約]03‐5569‐6701(午前9時から午後4時30分)、各種プランの予約は050‐5835‐0493(午前9時から午後6時)
[営業時間]午前11時から午後9時(受付は午前10時15分から午後4時まで)
[休]火(火が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
[交通アクセス]JR京葉線・東京メトロ有楽町線・りんかい線新木場駅から都バス若洲キャンプ場前行き、若洲キャンプ場前下車。
城南島海浜公園キャンプ場
日帰りで焚き火を使ったバーベキューが楽しめる。直火禁止。利用料金、大人1人300円、小中学生150円。
[住所]東京都大田区城南島4‐2‐2
[予約]03‐3799‐6402(午前9時から午後4時30分)、各種プランの予約は050‐5835‐0493(午前10時から午後5時)
[営業時間]午前11時から午後9時(受付は午前10時30分から午後4時まで)
[休]水(水が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
[交通アクセス]JR京浜東北線大森駅・京急大森海岸駅・京急平和島駅・東京モノレール流通センター駅から京急バス城南島循環、城南島4丁目停留所下車、徒歩3分。
荒川岩淵関緑地バーベキュー広場
かまどエリア(計6基)は予約必要(Webのみ)。ほかのエリアは、受付後、先着順。
エリア内はたき火ができるが、直火は禁止。
利用料金、中学生以上、1人500円。
[住所]東京都北区岩淵町23‐45先
[予約]Webのみ
[問い合わせ]03‐6331‐4374
[営業時間]午前9時から午後4時(午後5時閉場、新規受付は午後2時まで)
[休]年末年始
[交通アクセス]JR 赤羽駅から徒歩24分、東京メトロ南北線赤羽岩淵駅から徒歩13分
※地面や芝生で直接火を起こす「直火」で焚き火をすると、植物が損傷するほか、周辺の落ち葉などに引火して燃え広がる危険があります。閉場の1時間前には消火や後片付けなど各会場の禁止事項、ルールに従ってBBQをお楽しみください。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー