蒸しあわびの作り方。蒸す時間は6時間以上。かなり大きな蒸し器が必要
蒸しあわびの作り方はいたって簡単。下ごしらえも、あわびを洗って、日本酒をふり、昆布をのせるだけ。
ただし、時間はかかります。オイラのやりかたでは、最低6時間は蒸します。そのため、かなり大きめの蒸し器(蒸し鍋)でないと、すぐに水が蒸発してしまい、空焚きとなってしまうのです。そのため、何度も水を補給しなければなりません。
注意点はそこだけ。あとは、あわびが時間をかけておいしくなってくれるのです。
ざっくりとした作り方をご紹介いたします。
●蒸しあわび、仕込み編
1)あわびは水洗いしてから、タワシやブラシで身の汚れをゴシゴシ落とす。とくにあわびの身の大きな吸盤部分と、周囲のエンペラ(ヒダの部分)の黒い部分は念入りに汚れを落とす。
2)再度水洗いしたら、殻側を下にしてバットに入れ、身の上から日本酒をふる。※オイラの場合は、辛口の日本酒をあふれるほどふりかけています。
3)あわびの身の上に、同じくらいの大きさにカットした昆布をのせ、ラップで巻く。中の日本酒がごぼれないように注意して、ラップは二重、三重に巻く。
4)ラップを巻いたあわびを、ステンレス製のバットに入れ、バットの上からさらにラップを二重、三重にかける。下ごしらえはこれで完了。
●蒸しあわび、蒸し編
5)蒸すあわびの個数にもよるが、蒸し器の下に置く鍋には水3リットル以上が入る大きなものを使いたい。蒸し器にラップをかけたバットごと入れる。※バットは二つ重ねても大丈夫です。
6)蒸し器を加熱する。蒸気が出始めたら、やや弱火にし、あとはひたすら蒸すのみ。30~40分ごとに蒸し器の下に置いた鍋の水の残量を確認する。水が半分ほど減っていたら、水を足し、蒸気が立つまで火加減を上げ、蒸気が出始めたら、やや弱火にし、再び蒸す。
7)蒸し続けて6時間以上たったら加熱を止める。これで蒸し上がり。
●蒸しあわび、食べる直前編
8)蒸し上がったら、すぐにも食べられる。ただし、蒸し上がった直後は相当な高温のため、取り出す際はキッチンミトンなどをはめ、とくに注意する。
9)あわびを殻から取り出す。大き目のスプーンか、しゃもじを使い、貝柱の部分から身をはがす。肝をはずし、周囲のエンペラの部分は、キッチンバサミでカットし、「あわびの口」の部分もキッチンバサミで切りとる。
※オイラは、まず1つを蒸したてで食べ、残りのあわびは火を止めた蒸し器の中で、そのまま冷めるまで放置しておきます。さらに味わい深くなる気がします。
10)あわびの身を食べやすく切って、皿に盛る。※オイラは、しょうゆも何もつけずにいただいていますが、わさびを薬味にするのもよいと思います。
文・撮影/沢田浩
さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。