ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

【ティモンディ前田裕太の“おとな”入門】第2回 「食」編(1)“食への興味”と“人間関係”の意外なつながり

『おとなの週末Web』のリニューアルに合わせ、お笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんのコラム「ティモンディ前田裕太の”おとな”入門」がスタート!「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げ、30代を目前にした前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう! 今回は、「食編」の1回目。大人になると、周囲の人との親睦を深める意味でも重要度が増す「食事」について、前田さんはとある悩みを抱えているようです…! 皆さんも、実体験と照らし合わせながらお楽しみください!

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「何食べたい?」問題の根深さ

もっと食事に興味を持っておけばよかった。

学生の頃は、遊びに行こうと友人を誘ったら、とりあえず街に繰り出してゲームセンターやカラオケで一日脳天気に過ごしていた。
新宿や渋谷に出れば何かしらあるし、ご飯も大体いつも同じファストフード。

読者諸兄姉も大抵はそんなものだっただろう。

ただこれが、大人になると勝手が異なる。

社会に出てからは出会った人達と仕事以外で会う時の誘い文句が遊びに行こうから、もっぱら「食事にでも行こう」へ変わる。
大人になると人との関わり方で一番ハードルの低い誘い文句がご飯に行くことになるのだろう。

この歳になって、遊びに行こうと誘われたら「どこで?」「何しに?」と矢継ぎ早に質問してしまいそうだし、自分の趣味と合わないものに誘われたとしたら、嫌だなあ勘弁して欲しいと感じてしまう。

それが食事なら丁度いいのかもしれないけれど、ただ、食事に対してそこまで強い興味を持っていない私のような人間は困る。

というのも、このご時世、不味いと思う料理を出す店の方が希少であって、適当に入った飲食店であっても大抵は美味しい。

昔は大したものが置いていなかったサービスエリアの飲食店ですら、今では行列ができるほどの商品を提供していたりする。

だから、別にどこの店に行ったって当たり前のように美味しいし、そうなってくるとどこに行ったって別にいいのだ

食事に誘われた後に「何か食べたい物ある?」と聞かれることが多いのだけれど、正直なんでもいい人間からすると、この回答が難しい。

そんなものはその日の気分次第だし、寿司行きたいです!と言って実際に寿司に連れて行ってもらったとしても、約束した日の近辺で、たまたま寿司や魚料理が続いてしまう場合もある。

そんな時なんかは、焼き肉の口になっているんだけどなあ、と思っていても、自分が言い出しっぺで場所を決めたというのに、そんなこと口にできるはずもない。

だから余計に「何か食べたい物ある?」と聞かれても、別になんでもいいとしか答えられない

「不味いものでなければいいです」なんて答えてもなんだか生意気だけれど本心だし。

なんだか素っ気ない回答をするのも気がひけるので、今では「先輩が食べたいものが食べたいっす」と答えになっていない答え方をしている

学生時代の自分よ、「食」に興味を持っておけ!

芸人になってからは、随分と先輩に食事を奢ってもらった。

三四郎の相田さんには美味しい寿司に連れて行ってもらったりするし、ロッチの中岡さんは素敵な居酒屋に連れて行ってくれる。
サンドウィッチマンの富澤さんは家族ぐるみの付き合いで、普段行けないような焼き肉に連れて行ってくれる。

だから、してもらったことは後輩にしてあげようと思って、仲の良い芸人も同様に食事に誘ったりするのだけれど、私はどうしてもこれが食べたい!というものが基本的にはないので、誘ったはいいものの、どこに連れて行ったらいいか分からなくなる。

だから「何か食べたいものはある?」と私自身も聞くのだけれど、聞かれたら困る質問を他人にしている自分は如何なものなのだろうか、ともう一人の自分が問うてくる

お前は、なんでもいいから決めて欲しいな、と思う癖に、自分が食事に誘う時には、相手に委ねるのか、と。

だから「何か食べたいものある?」と聞かれた時には、別に食べたくもないけれど、とりあえず「焼き肉ですかね」と答えるようにしている。

もっと食に対して興味を持っていれば、素敵で美味しい店の知識も増えて、人との交流もスムーズに出来たのに

大人になるまでに、いろいろな飲食店を知っておいた方がいいぞ、と学生でいる段階で誰か大人に教えて欲しかった。

まだまだ飲食店に関しての勉強はこれからだ。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で披露した絵の実力も話題になるなどマルチな活動で注目を浴びている。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディベースボールTV』は登録者数25万人超え。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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