一番おいしかった食品は何? 塩味以外もコントロール可能?
おと週編集部的に気になるのが研究チーム、研究対象者の方々がこのデバイスを使い、何を食べたときに一番効果(おいしさ)を感じたのか?佐藤さんによると試食した数は約1200種類といいます。
「研究対象者の方々の中で評価が高かったのは、お味噌汁やラーメンのスープでした。これらは、減塩を開始する際、食べることを控えるよう指導されることが多いです。このデバイスを使うことで、身体に負担のかからない塩分濃度で、おいしく食べることを可能にしたいと考えています」(佐藤さん)
塩分だけでなく砂糖も摂りすぎが課題になっていますが、塩分のように少量の砂糖ですごく甘く感じさせることはできるのでしょうか、また、塩味以外の味(酸味、甘み、苦みなど)のコントロールは可能なのでしょうか。「本技術で味の濃淡がコントロールできるのは、塩味、うま味、酸味です。電気によって+-(プラスマイナス)の性質を持つイオン性成分の動きをコントロールしています」(佐藤さん)
砂糖はイオン性成分でないため、甘味のコントロールは難しいそうですが、スイカやお菓子に少量の塩を加えると甘味が引き立つように、塩味をコントロールすることで甘味を含め全体の風味が上がる効果があるといいます。
この箸型デバイスについて商品化の予定について聞くと「現在、プロトタイプ機の開発を進めています。早くお客様にお届けしたいと考えて様々な検証を行っており、箸形以外のカトラリーも含め、23~24年には事業を開始することを目指しています。まずは限定的に通販での販売を検討しておりますが、将来的には広く店舗での販売も行っていきたいと考えております」(佐藤さん)との回答がありました。未来の食卓はもうすぐそこまでやってきています。
刺激は微弱、もちろん痺れません
微弱とはいえ、電気刺激を与えるデバイスを口に入れるのは少々ためらいがあります。実際に食したときビリビリと感じたり、痛みが出ることは無いのでしょうか?
「流す電流値が高いと、人はビリビリとした刺激を感じてしまいます。ビリビリとした刺激や痛みがあると、食事シーンで使用することは難しいため、微弱な電流で刺激や痛みなく高い効果が得られるような方法を開発しました」(佐藤さん)。回答を改めてもらうとホッとします。