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期間限定公開の“白象”と“仔犬”がかわいい!

京都御苑のすぐ北側にある相国寺にもちょっとユニークな絵があります。毎年、春と秋の特別拝観の際に公開される白い象とかわいい仔犬の杉戸絵。

「白象図」は江戸時代の絵師・原在中(1750〜1837)によるもので、2面の杉戸いっぱいに描かれた象の姿は本物に勝るとも劣らない迫力。法堂の右手にある開山堂にはなんとも愛らしい仔犬の絵が。白くてモフモフした仔犬を繰り返しモチーフにしてきた円山応挙(1733〜1795)とその息子・応端(1766〜1829)の筆による「芭蕉小狗子図」だ。その容姿に思わず頬も緩んでしまいます。

また、相国寺の塔頭・林光院に描かれた〈虎図〉は虎の絵なのですが、巨大な猫のようで愛らしい。現代の水墨画家・藤井湧泉(1964〜)による2017年の作品。ただ限定公開なのでなかなか観ることができなく残念です。

表方丈庭園にある杉戸絵「白象図」。江戸の当時、果たして本物の象を見たことがあったのか。真相は不明ですがなかなか写実的な作品。ふくよかで幸せな印象。
開山夢窓国師の木像を安置する開山堂の杉戸に描かれた「芭蕉小狗子図」。円山応挙は仔犬たちを何度も描いている。
相国寺法堂は1605(慶長10)年建立。現存する法堂建築では最古のもの。狩野光信(1565〜1608)筆となる、龍の名で有名な蟠龍図が天井に描かれる。
相国寺方丈は初建以来幾度となく焼失。現在の建物は1807(文化4)年の再建。
数多くの歴史的な襖絵を見ることができる。

その他に、たとえば南禅寺本坊小方の〈竹虎図〉は狩野探幽筆といわれる大作。40面もあり、作品名のとおり虎たちが数多く描かれています。たとえば虎は何匹いるか数えてみたり、しかも虎と思いきやヒョウもいたりして……と探す楽しさもあり。

観る側の気持ち、楽しむ視点を変えれば京都は子供たちと一緒に十分楽しめる場所。今も変化を続ける障屏画体験はきっと子供たちにもいい刺激になるはずです。もしかして絵心が開花しちゃったりするかも……。

くれぐれもマナーとエチケットは守ってくださいね。

真言宗大本山 隨心院

[住所]〒607-8257 京都市山科区 小野御霊町 35
[電話]075-571-0025
[拝観時間]9:00〜17:00(16:30受付終了)
[拝観料]一般500円、中学生300円
[アクセス]地下鉄東西線「小野駅」から徒歩約5分

青蓮院門跡

[住所]〒605-0035 京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1
[電話]075-561-2345
[拝観時間]9:00~17:00(16:30受付終了)
[拝観料]一般500円、中高生400円、小学生200円
[アクセス]地下鉄東西線 「東山駅」から徒歩約5分
[備考]※春・秋に夜間ライトアップを開催。

相国寺

[住所]〒602-0898 京都府京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701
[電話]075-231-0301(相国寺寺務局)
[拝観時間]10:00〜16:00(受付終了16:00/閉門16:30)※特別拝観時のみ参拝可能。
[参拝料金]一般・大学生800円、65歳以上・中高生700円、小学生400円、未就学児無料
[アクセス]地下鉄烏丸線『今出川駅』から徒歩約8分
[備考]2022年秋の特別拝観は9月17日(土)から12月11日(日)まで。法堂、方丈、開山堂が公開される。


編集/エディトリアルストア
取材・執筆/成田孝男、渡辺美帆
写真/児玉晴希

※情報は令和4年7月25日現在のものです。

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おとなの週末Web編集部
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