答えは…
答えは「とどほっけ」と読む函館市の地名です。
太平洋に面し、かつて漁村として栄えた村で、2004年に函館市と合併しました。函館中心部から車で約1時間のところに位置しています。アイヌ語の「トトポケ(岬の陰)」が由来で、渡島半島の東南端にそびえる「恵山(えさん)」の山裾を現わしているといます。
函館市は江戸時代に国内最初の国際貿易港として開港して以来、外国の文化を積極的に取り入れ、異国情緒あふれるまちへ成長していきました。今回は函館エリアのちょっとディープな場所を含めてご紹介します。
五稜郭だけじゃない?四陵郭もある
函館を代表する観光地、五稜郭。隣接する五稜郭タワーからは星形の美しい公園が見渡せます。桜の季節はソメイヨシノが咲き誇り、特にきれいです。
この場所は、榎本武揚や土方歳三らが率いる旧幕府軍が、最後の砦として明治新政府軍と激戦を繰り広げた、戊辰戦争最終決戦の場所です。五稜郭の戦いは、箱館戦争とも呼ばれています。
五稜郭で有名な函館ですが、実は「四稜郭(しりょうかく)」もあるのです。箱館戦争の際に、旧幕府軍が新政府軍の攻撃に備え、五稜郭を守るために造った西洋式の土塁です。五稜郭の北東約3キロの高台にあります。
蝶の羽を広げたような形になっていて、近くまで行くと土塁で囲まれている様子を見ることができます。四隅には砲座が配置されていますが、建物はつくられなかったそうです。それでもここが歴史上重要な場所だったと思うと感慨深い気持ちになりました。残念ながら上からは見えないものの、案内図からイメージをつかむことができます。
函館の夜景は表だけじゃない?裏夜景も実は人気
函館といえば夜景で有名ですが、皆さんがイメージする夜景は、いわば「表夜景」。市街地の灯りが美しく、函館山からの景色は、旅行ガイドの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星として掲載されています。
函館山は昔、島でした。海流が運んできた土砂が堆積して陸続きになり、その上に街がつくられたのです。
反対側の山々からの函館山の眺めを「裏夜景」といい、七飯町の「城岱(しろたい)牧場展望台」や、北斗市の「きじひき高原」などからの景色も見事です。私が訪れたのは昼でしたが、城岱牧場展望台からは、海に函館山が浮いているように見えて不思議な気分になりました。改めて函館山は島だったんだなぁと感じられる場所でもあります。