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『おにぎり・とん汁山太郎』 @雑司ヶ谷

おにぎり&豚汁 こだわり抜いた人生最後の味

「人生の最後に食べるものはおにぎりと豚汁がいい」。それほどまでにおにぎりと豚汁を愛してやまない店主による専門店が雑司が谷に誕生した。大塚の老舗おにぎり店「ぼんご」で修業し受け継いだおにぎりの特徴は、大きく、具沢山で、ほっかほかの握りたて。そこに合わせる豚汁は一見すると母の味のような素朴さだ。

とん汁定食(2個セット) 920円〜

『おにぎり・とん汁山太郎』とん汁定食(2個セット) 920円〜 おにぎりは豚汁とセットで20円割引。シンプルなさけおにぎりも、さっぱりとしたフィレに脂の乗ったハラスを組み合わせるなど工夫が光る。2種盛りで異なる具材同士を組み合わせるのもおすすめだ!

けれどその味の奥行きがすごい。豚肉はにんにくと生姜と炒めて香り付け。ごぼうをごま油で炒めることで香ばしさを引き出し、味噌には麹が効いた柔らかな味わいのものを、ダシにはコク深い厚削りと香り豊かな薄削りを組み合わせてを使う。各素材が絶妙に調和した豚汁と出来立ておにぎりはまさにベストコンビ。ああ、日本人でよかった〜!

『おにぎり・とん汁山太郎』

[住所]東京都豊島区雑司が谷2-10‐7
[電話]03-6823-7549
[営業時間]11時〜15時
[休日]不定休
[交通]地下鉄副都心線雑司ヶ谷駅出口1から徒歩2分

『和チャイナ Roppongi』 @麻布十番

中華によく合う うまさの秘密はカツオ削り粉

中華なのに豚汁!?と思われるかもしれないが、その店の通り、同店は元ホテル料理人の店主が和の調味料を使って作り上げる中華料理が人気のお店。ゆえに魚介ダシの味わいが深い豚汁はカツオの削り粉入りで、具材はダイコンやニンジン、コンニャク、油揚げのほか旬の野菜が入る。そこに隠し味としてラオチュウ、仕上げにごま油をイン。

エビチリ定食 1250円

『和チャイナ Roppongi』エビチリ定食 1250円 エビチリには特大エビがなんと5尾も入っているといううれしい驚き!お得感満載な昼もいいが、カウンター越しに店主と話しながらお客の好みに合わせたおまかせコースが食べられる夜もいい

カツオダシの旨みはありつつもさっぱりしているから中華の味にもよく馴染み、はぁ~この豚汁が中華になんとも合うのだ。「利益よりもお客さんに喜んで欲しいから」と店主が笑顔で話すように、豚汁がつく定食は小鉢にデザートの杏仁豆腐まで添える充実ぶり。お得でおいしい中華料理人の豚汁をご賞味あれ。

『和チャイナ Roppongi』

[住所]東京都港区六本木5-11-32 第三岩崎ビル1階
[電話]03-3408-0122
[営業時間]11時〜14時、17時半〜23時
[休日]日・祝
[交通]地下鉄大江戸線ほか麻布十番駅7番出口から徒歩3分

『生産者組合とんかつ 幻水豚』 @三軒茶屋

心と体が喜ぶ とんかつ屋渾身の豚汁定食

ミネラル豊富な水を飲み、伸び伸びと育った“幻水豚”のトンカツが絶品の同店。実は1番手間をかけているのは10時までの朝食限定で提供している、この豚汁だというから驚きだ。豚汁に使われているのは、幻水豚の赤身、バラ肉を7時間じっくり煮込み旨みを引き出したダシ。ひと口すすれば豚の奥深い甘みにかけられた手間暇に思いを馳せずにはいられない。

朝限定豚汁定食 700円 卵、納豆、梅干し 各100円

『生産者組合とんかつ 幻水豚』朝限定豚汁定食 700円 卵、納豆、梅干し 各100円 豚汁が食べられるのは7時半~10時まで限定の朝定食のみなので、早起きして食べに行こう。付け合わせは100円で那須御用卵、北海道大豆の納豆、梅干し専門店の紀州南高梅から選べる

豚汁だけでなく、お米や付け合わせに選べる卵、納豆、梅干しも厳選した産地のものを用いる。それらのこだわりの根底にあるのは「おいしいものを届けたい」というシンプルな思い。体に優しい素材で丁寧に作られた朝ご飯を食べる。幸せってそういうことなんだよなあ……ということを思い出させてくれる一杯だ。

『生産者組合とんかつ 幻水豚』

[住所]東京都世田谷区三軒茶屋1-40-14 太子堂ハイム102
[電話]非公開
[営業時間]7時半〜10時、11時〜15時、17時〜21時半 土・日・祝7時半〜21時半 ※7時半〜10時は豚汁定食のみ
[休日]年末年始
[交通]東急田園都市線三軒茶屋駅南口A出口から徒歩3分

【この冬は主役級豚汁で癒されたい!】

『おとなの週末』ライター藤沢(以下藤)「北風が胸に染みるこの季節、癒してくれるのは風呂に布団に、やっぱり豚汁!心に染みる一杯を求めて、都内の豚汁を食べ尽くした今企画……。どうでしたか?」

編集武内(以下武)「藤沢さん疲れてるんですか?(笑)まあでも癒しの味わいではあるかもしれないですよね。どこかノスタルジックというか」

藤「家庭料理だからですかね?金沢にはさつま芋が入った『めった汁』っていう豚汁があるし、九州には豚汁に小麦粉のだんごを入れた『だご汁』があったり。地域とか家庭でそれぞれ育ってきた味があるので、郷土心をくすぐるものがあるというか…」

武「でも今回紹介したお店はどこも家庭の味以上。ダシ味だったり、中華風にアレンジしてたりラーメンスープ的な作り方をしていたり……。豚汁ってこんなに奥深かったんだと正直驚き」

藤「そうそう。とんかつ屋さんとかの端切れ肉を使い、牛蒡、ネギ、大根などが少々…。そんな脇役的な豚汁というよりも、どこも具沢山で豚汁とご飯だけで一食が成立する、つまりメインを張れるものばかりでしたね。ちなみに本来は『ぶた汁』と呼んでいたのが、とんかつ人気に乗っかる形で『豚汁』と呼ばれるようになったという説もあるらしいですよ」

武「へ〜〜。今回はとんかつ屋は1軒だけだけど、どこのお店も豚肉はいいものを使っている印象」

藤「そうなんです! 豚から出るダシは優しい味わいの豚汁の要。豚を使う以外にも野菜の味を生かしたり魚のダシを使っているところも多くて。色んなタイプはあるけど豚汁の命はダシなんだなあと感じましたね」

武「あとは七味だよね。具材の旨みが溶け込んでいるからそのままでもおいしいけど七味をひと振りしてピリッとした辛さを加えると、その旨みがさらに引き出される。ひと口飲み、具材を食べて、またひと口飲む。永遠に繰り返せるっす、これは!」

藤「で、たまにご飯を食べて口をリセットして、またひと口ってやるんですよね……。いつのまにか主食が豚汁、脇役がご飯になってるっていう逆転現象が起きてたり(笑)」

武「まさに豚汁が主役になっている!豚汁のポテンシャル、予想以上です!」

撮影/小澤晶子、取材/藤沢緑彩

※2023年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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