日暮里周辺の知られざる良店4選 谷根千“じゃない”側の「つい立ち寄りたくなる店」

谷根千のゲート駅、東京・日暮里。山手線の内側に谷根千があるばかりだと思っちゃいませんか?いやいやそれだけじゃないんです。谷根千“じゃない”側で見つけた、いままでの日暮里のイメージを覆すいいお店たちを紹介します。 日暮里散…

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谷根千のゲート駅、東京・日暮里。山手線の内側に谷根千があるばかりだと思っちゃいませんか?いやいやそれだけじゃないんです。谷根千“じゃない”側で見つけた、いままでの日暮里のイメージを覆すいいお店たちを紹介します。

日暮里散歩で見つけた!

日暮里ってかわいそうだ。あ、待って、日暮里市民の皆さん誤解です、石を投げないで!決して貶しているわけではなくて、谷根千の影に隠れてしまって不憫だと言いたいのです。だって、日暮里駅といえば谷根千のゲート駅のイメージが強い。日暮里駅で降りる観光客の多くは西口から出て谷中ぎんざに行ってしまう。

駅からほんの徒歩5分程度の場所にあるお店も「谷中〇〇」なんて店名にして「日暮里〇〇」とはつけてもらえない。そりゃあ前者の方がオシャレっぽい感じはあるかもしれませんがね? 谷根千の入り口としてじゃない日暮里にだっていいお店はあるんですよと声を大にして言いたい。というわけでまずご紹介したいのが『OKEIBREWERY』。

『オケイブルワリー』

谷根千じゃない側=東口から出て日暮里繊維街を鶯谷方面にちょっと入っところに日暮里らしからぬオシャレな外観が目につく。クラフトビールと料理が楽しめる同店はなんとブルワリー併設。荒川区初のビール醸造所として2022年に稼働を開始したばかりだが、その味は大会で3位を獲得したビールもあるほど。そのビール「東日暮里ケルシュ」は酵母由来のフルーティさに軽やかな飲み心地で、散歩で乾いた喉をスッキリ潤してくれる。

そろそろおつまみをいただこうかとメニューを開くと「鶏レバーの生姜煮」「和山椒とマンゴーのキャロットラペ」「ラムランプのロースト」など目に飛び込んでくる魅力的な料理の数々!作るのはフレンチ出身のシェフ。「ビールが好きな人も飲めない人も楽しんでほしい」と、フレンチのエッセンスを感じさせながらビールに合うおつまみやグリル料理、パスタなど食事系のメニューまで何を食べても想像以上の味だからうれしくなってしまう。

『オケイブルワリー』 WEE HEAVY 910円、東日暮里ケルシュ 800円、和山椒とマンゴーのキャロットラペ 610円、鶏レバーの生姜煮 610円

『オケイブルワリー』(奥)WEE HEAVY 910円、(真ん中右)東日暮里ケルシュ 800円、(真ん中左)和山椒とマンゴーのキャロットラペ 610円、(手前)鶏レバーの生姜煮 610円 シェフイチオシの鶏レバーはクリーミー。濃厚なコクのスコッチエールと合わせたらもう食べる手が止まらない!

営業は昼からとあって散歩の寄り道には最適だ。ここだけじゃない。日暮里ののんびりとした住宅街を歩いていると、つい立ち寄りたくなる店がある。絶品ドライカレーの『ペペルモコ』、地元に人気のパン屋さん『いとぱん』、本場イタリアの味が手軽に味わえる『ブォングスタイオ』。春の陽気にあたりながら日暮里のいいお店に会いに行ってみて。

『オケイブルワリー』シュワっとゴクっと 日暮里散歩のおいしい寄り道を

ビールはゲストビールも含め10種類ほどで、さわやかなIPAからずっしり飲み応えのあるスコッチエールまで幅広いバリエーションを揃える。「やったことのないことを」と挑戦を続け、4月には乳酸菌発酵で作るゴーゼビールが登場予定。料理はパスタに小皿にグリルにと、フレンチ出身のシェフがビールに合う味を幅広く揃える

ビールは飲みきりで変わっていく
『オケイブルワリー』

[住所]東京都荒川区東日暮里5-37-4
[電話]03-5615-2080
[営業時間]15時~23時(土日祝は12時~)
[休日]水
[交通]JR山手線ほか日暮里駅東口から徒歩6分

『ペペルモコ』たっぷり野菜の甘みの中にスパイスが弾ける!

元フランス料理人の作るカレー。最近好きな言葉トップ3に入りました。上野桜木で36年間愛されたフランス料理店の店主がセミリタイアして開いた同店のメインは、まかないで人気だったカレー。ドライカレーに似たルウは口に含むとやさしい甘みの次にスパイスの香りが広がり、後にちりっと辛味を残す。10種類超のスパイス、オレンジにリンゴ、玉ねぎやセロリ、にんじんなどたっぷりのフルーツと野菜ををじっくり4時間ほど煮込み、厳選した挽き肉とベーコンを加えて1時間炒めて完成だ。

特製ドライカレー 1200円

『ペペルモコ』特製ドライカレー 1200円 カレーにはピクルス、スープ付き。挽き肉とベーコンで旨みのベースが作られたカレーは、肉の食感がしっかりあり満足感も抜群

その手間のかけ様にまかないのレベルじゃないっと驚くがそれもそのはず、作るうちにスパイスの魅力にハマり当時のレシピから研究を重ねて今の味に辿り着いた。でも店主は「まだ90%の味」とはにかんで言う。こんなにおいしいのにまだおいしくなっちゃうなんてますます目が離せない!

『ペペルモコ』

[住所]東京都荒川区東日暮里4-35-10 
[電話]03-5604-5251
[営業時間]11時半~18時半
[休日]月・火
[交通]JR山手線ほか日暮里駅東口から徒歩11分

『いとぱん』小麦を味わうハード系がうまい街のパン屋さん

地元の人に「本当は他人に教えたくない店」を聞いたら、同店の名前が挙がるのではなかろうか。ショーケースにぎっしり並ぶパンたちは、昼を過ぎる頃には売り切れ続出。なんといったってソフト系でもハード系でも、どのパンを食べてもとにかく生地が旨いのだ。「生地にはこだわりがある」と店主が語るようにパンは全て粉から手作り。

『いとぱん』にぎやかに置かれたパンたちから、食欲をそそる香りがふわり漂う

自らの舌で選んだ小麦粉に全粒粉をブレンドし、自家製酵母にイーストを加えゆっくり発酵させるのがポイントだ。理想とする味は以前に勤めたパンの卸専門店で食べた、皮が香ばしく小麦の味が濃いバゲットとのこと。ここのパンも同様に歯触り良く香り深い。特にハード系のパンは噛めば噛むほど旨みがあふれて、小麦感を堪能できる。早起きしてでも食べるべし!

『いとぱん』

[住所]東京都荒川区東日暮里4-14-10 
[電話]03-6759-1322
[営業時間]9時半~18時
[休日]日・月
[交通]JR山手線ほか日暮里駅東口から徒歩13分

『ブォングスタイオ 日暮里店』イタリアワイン×惣菜で本場の味を自宅でも

イタリアをお持ち帰りできるお店が日暮里にあった。イタリア食材の専門店である同店で購入できるのは、イタリアワインにリキュールなどなど、そしてイタリア料理の惣菜だ。メニューはパスタやラザニアなどお馴染みのイタリアンに加え「なすのパルミジャーナ」なんてちょっと見慣れない料理もある。実は同店の母体は輸入商社でありながらイタリアンレストランも経営しており、惣菜はすべてそこのシェフ手作り。

魚介のマリネ 500円、なすのパルミジャーナ 810円、砂肝とヤゲン軟骨のペペロンチーノ 626円

『ブォングスタイオ 日暮里店』(奥から)魚介のマリネ 500円、なすのパルミジャーナ 810円、砂肝とヤゲン軟骨のペペロンチーノ 626円 揚げなすやトマトペースト、卵、モッツァレラチーズを重ねて焼いたパルミジャーナはランブルスコがベストマッチ。ローズマリーや香味野菜の香りが爽やかな魚介のマリネで白ワインをくいっとするのもイイ!

レシピもイタリア人スタッフの家庭に伝わるものを使っているからまさに本場の味が味わえるのだ。店内には、そんな惣菜にぴったりな赤白各種ワインに微発泡赤ワインのランブルスコなど、ちょっと珍しいお酒もアリ。素敵なラインナップに迷っていると店員さんが試飲をすすめてくれることも。お酒に惣菜をゲットしてイタリアン宅飲みなんていかが?

『ブォングスタイオ 日暮里店』

[住所]東京都台東区根岸2-21-12
[電話]080-3536-4456
[営業時間]12時~20時(土日祝は11時~20時)
[休日]月
[交通]JR山手線ほか日暮里駅東口から徒歩4分

撮影/小澤晶子、取材/藤沢緑彩

※2023年5月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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