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電車に揺られ、あるいはクルマに乗って出かける先は、おいしい蕎麦が待つお店。観光地でなくとも、その一枚による至福は何物にも代えがたい充実した時間をもたらしてくれます。今回は、埼玉県奥秩父『そば福』を目指して、小さな蕎麦旅、いざ!

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隠れた蕎麦処にのど越し抜群の田舎蕎麦あり『そば福』@奥秩父

ハードルが高いほど燃えるものである。秩父の山奥で見つけたこの蕎麦屋はまさに険しいハードルの向こうのご褒美だ。西武池袋駅から特急ラビューに乗ること約1時間20分。流れる景色の合間に目に入る川が透き通ってきたらもうそこは秩父だ。そこからさらに秩父の奥へ奥へと行くと、山に囲まれた小さな平家に辿り着く。

こんな辺鄙なところになぜ蕎麦屋がと思われるかもしれないが、周辺では昔から蕎麦の実が採れ、家庭で蕎麦を打っていたのだそう。同店の蕎麦は昔ながらの製法を引き継ぎ、手打で少し不揃い。そしてざらりとした食感のある六四の田舎蕎麦で提供する。なのに、のど越しのなんとなめらかなこと!

くるみ天ざる 1450円

『そば福』ツユはたっぷりのクルミをすり潰しキレのある蕎麦ツユで溶いた自家製。天ぷらはエビとホタテと三つ葉のかき揚げ、海苔と大和芋の天ぷら、えのき、シシトウ、大葉、かぼちゃにアスパラの7種類

しなやかなコシを歯に伝えながらつるりと腹に滑り落ちる。聞けば、粉を練る際に沸騰したお湯を使うことで粉と水分がよく馴染み、なめらかな蕎麦に仕上がるのだという。

東京の和食店で修業を積んだ店主が揚げる天ぷらだって負けてない。薄めの衣を短時間でさっくり揚げるので食感が軽く、7種もあるのに気付けば完食。はるばる来たのだからもっと味わえばよかった!とは思いつつ、次もまた、あっという間に食べてしまうんだろうなぁ。

『そば福』

[住所]埼玉県秩父市荒川贄川1311
[電話]0494-54-1473
[営業時間]火~木:11時半~15時(売り切れ次第終了)金・土:11時半~15時、17時~21時、日・祝:17時~21時(予約がある場合のみ)
[休日]月
[交通]秩父鉄道三峰口駅からタクシーで6分、もしくは小鹿町町営バス三峰口駅から古池下車で徒歩9分

撮影/鵜澤昭彦、取材/藤沢緑彩

2023年12月号

※2023年12月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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