コロナ禍を経て、ますます増えているラーメン店。群雄割拠といえる中、東京を中心に近年したお店を調査。「今食べるべき」醤油ラーメンのあるお店5軒をご紹介します。近所の店へ行くもよし、遠征するもよし。気になる店へおでかけくださ…
画像ギャラリーコロナ禍を経て、ますます増えているラーメン店。群雄割拠といえる中、東京を中心に近年したお店を調査。「今食べるべき」醤油ラーメンのあるお店5軒をご紹介します。近所の店へ行くもよし、遠征するもよし。気になる店へおでかけください!
『there is ramen』 @荻窪 ’22年10月OPEN!
見た目の期待を裏切らない幸せあふれる一杯
なみなみと張られた琥珀色のスープ、丼を覆い尽くす脂きらめく大量のチャーシュー。このビジュアルに、そそられない人なんている?煮干しを強めに効かせたスープは、湯気からもその存在がわかるほどで、息を吸い込むだけでおいしさが伝わってくる。
チャーシュー麺 1200円
と思いきや、ファーストアタックに鶏がガツンと奇襲。親鶏由来の濃厚な鶏油を多めに合わせることで、無化調のスープにパンチを加えているのだそう。それを下で支えているのが豚のゲンコツ。すぐさまそこに煮干しが加勢し、深い余韻となってしんがりまで務め上げる。
途中、ずどんずどんと悦びの大砲を打ち込むのは、総量100gにも上る柔らかなチャーシューの大軍。口の中で広がる肉の旨みと脂の甘み、何より食べても食べてもチャーシューが減らない感動といったら!最後の最後までテンションを上げ続けてくれる至福の一杯。幸せここに極まれり。
[住所]東京都杉並区天沼3-10-16
[電話]非公開
[営業時間]11時~16時、18時~21時半
[休日]無休
[交通]JR中央線ほか荻窪駅北口から徒歩5分
『自家製麺 うるち』 @田原町 ’23年9月OPEN
麺は極太平打ち スープの味わいもストロング!
名門『地雷源グループ』や老舗『春木屋』など、数々の名店で腕を磨いた店主が満を持して暖簾をあげた。繰り出すのは、煮干しが香る中華そば。昔ながらの作り方を踏襲しながらも、丁寧な仕込みに心を砕き、ネオクラシックな一杯に仕立てている。
ひと口目は、鮮烈な煮干しの香りが先行。後から追いかける魚介の風味をフルボディの動物スープが下支えする。
東京醤油ラーメン 850円+味玉 120円
タレには木桶で2~3年熟成させる小豆島の濃口醤油を使い、重厚なスープと張り合える力強さを持たせた。
トラディショナルな中細麺ではなく、平打ちの極太麺を合わせているところも面白い。つるつる感と歯切れのよさ、風味豊かな小麦の味をあわせ持つハイブリッド麺のおいしさが、満足度とネオ感をぐいと引き上げている。
[住所]東京都台東区寿2-9-16
[電話]03-5830-6556
[営業時間]11時半~14時半LO、18時~20時半LO
[休日]火
[交通]地下鉄銀座線田原町駅A1出口から徒歩1分
『喜多方ラーメン 新じま』 @三ノ輪 ’23年7月OPEN
均整のとれた旨さが染み渡る喜多方ラーメン
あぁ、ほっとする――。スープが体にじんわり染み渡るのを感じながら、思わず天を仰いだ。
店名に掲げる通り、こちらは喜多方ラーメンを供する。店主・新島さんのお母さんが喜多方出身。約10年間数々の店を渡り歩き、独立する際、選んだのが幼少期から親しんだ味だった。
醤油ラーメン 820円
豚骨をベースに鶏ガラを加えて旨みを補強。そこに複数の煮干しに昆布を加えたスープは、冒頭で書いたほっとする旨さだ。
それを持ち上げる麺は、地元で有名な曽我製麺製。ちぢれがあって絡みがよく、スルスルっとのどを伝う。
カエシに節類や昆布が使われているから全体にダシ感があり、心地いい余韻を残す。子連れのお客さんも多いというのも納得のやさしい味。こういう店が長く愛されるのだろう。
[住所]東京都台東区三ノ輪1-8-5 T&Mビル1階
[電話]非公開
[営業時間]10時〜14時、18時〜20時半(月・水・金のみ)※材料なくなり次第終了
[休日]不定休
[交通]地下鉄日比谷線三ノ輪駅1b出口から徒歩3分
『麺庵 利休』 @本郷三丁目 ’23年10月OPEN
ちょっと濁った清湯 絶妙に足し引きされたスープが秀逸!
店主のたけおちゃんは多くを語るをよしとしない。それは「情報を食べてほしくない。まずラーメンを食べよう」ということ。なのだが、実はこだわりが詰まっている。
ともかくスープが秀逸。配合バランスを足し算引き算しながら煮詰めたそれには地鶏、牛骨、豚骨、貝、羅臼昆布、煮干しやカツオ節……。でも何かが突出することはない。きれいな清湯というより少し粘度のある中に感じるコクと重層的な味わい。いろんな旨みが顔を出す。醤油の香りと味わいも丸みがあって心地よく溶け込んでいる。
特製中華そば 醤油 1500円
中細のストレート麺がこのスープにぴったりですすり心地よく、適度な弾力。黄身が赤く濃厚な真っ赤卵を使う味玉や、特製には3種のるチャーシューにもグッとくる。多くを語らずとも旨いものは旨い!
[住所]東京都文京区本郷4-3-2
[電話]なし
[営業時間]11時〜15時
[休日]不定休(休業の場合は前日までにXで告知)
[交通]地下鉄大江戸線ほか本郷三丁目駅1番出口から徒歩3分
『たかのちゅめ』 @花小金井 ’22年12月OPEN
飲めば飲むほど旨みが膨らむ魅惑のスープ
カフェのような空間で供されるのは、醤油と塩を軸とする洗練された佇まいのラーメン。スープは、鶏ガラをベースに豚の背ガラと牛骨で厚みを持たせた動物系のダシと、昆布やカツオ節、アジ煮干し、ムール貝、椎茸などでとった魚介ダシを合わせたもの。ひと口で旨みの沼に引き込まれる。聞けば、寸胴鍋の半分は食材とのこと。旨みの階層が異なる素材を幾重にも重ね――それも惜しげもなく使うことで、深い味わいに仕立てるのだ。
特しょうゆらぁめん 1400円
「しょうゆらぁめん」は、艶やかな醤油の香りも相まって、思わずうっとり目を閉じてしまった。対する「しおらぁめん」は、食べ進める度に増していく貝の旨みに、目を見開かずにはいられない。どちらもレンゲが止まらない。実にけしからんラーメンである。
[住所]東京都小平市花小金井1-6-32 共立ビル1階
[電話]042-466-9180
[営業時間]11時~14時20分LO、18時~20時50分LO
[休日]水(祝日の場合は営業)
[交通]西武新宿線花小金井駅北口から徒歩5分
撮影/小島昇(there is ramen、新じま、利休)、西崎進也(うるち、たかのちゅめ)、取材/松井さおり(there is ramen、うるち、たかのちゅめ)、編集部(新じま)、池田一郎(利休)
※2024年2月号発売時点の情報です。
※いずれのお店も味玉は撮影用にカットいただいております。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。