ここにきて新店続出なのが「つけ麺」。今や第3次ブームといえる勢いです。そこで、東京を中心に約1年間で開店したお店を調査すると、王道のつけ汁を自家製麺で楽しませたり、新たなアプローチで驚きを与える店も。厳選した4軒、とくと…
画像ギャラリーここにきて新店続出なのが「つけ麺」。今や第3次ブームといえる勢いです。そこで、東京を中心に約1年間で開店したお店を調査すると、王道のつけ汁を自家製麺で楽しませたり、新たなアプローチで驚きを与える店も。厳選した4軒、とくとご覧あれ。
『つけそば 担担麺 航龍(こうりゅう)』 @南与野 ’23年5月OPEN
ズバズバズバッ!無心で啜りたくなるつるもちの自家製麺
名店『丸長』の味を愛してやまない店主が、「丸長のれん会」の公認を勝ち取った。豚と鶏、魚介のダシを合わせたスープに甘みと辛み、酸味を効かせる伝統的な丸長スタイルは踏襲しつつも、動物の旨みを強めに効かせ、往年のファンにも、丸長を知らない若い世代にも満足してもらえる味を作り上げた。
特製つけそば 1250円
つけ汁は甘みが強めで、酸味は控えめ。そこに、店で挽いた黒コショウの鮮烈な刺激や一味唐辛子などを加え、立体的にまとめ上げている。「ズバズバ食べられるのど越しのよさを意識した」という自家製麺はもちもち、つるっとした食感で、特に「つけそば」で啜り心地の威力を発揮。
店主の言葉通り、店内には、ズバズバッ、ズバズバッと麺を啜る音が絶えず響き渡っていた。
[住所]埼玉県さいたま市中央区鈴谷6-1-4
[電話]なし
[営業時間]11時~14時半、18時~20時半
[休日]火の夜、水
[交通]JR埼京線ほか南与野駅東口から徒歩10分
『本田麺業 神田』 @神田 ’23年1月OPEN
名店『ほん田』の新ブランドは麺の存在感が光る
加水率51%を超える、超多加水の極太手揉み麺のインパクトがすごい。ふわもち、ちゅるんとした独特の食感、鼻腔を駆け抜ける芳醇な小麦の香り、そして暴れ回るようなランダムな口触りと、麺を啜る度に、鮮烈な印象が舌と脳に刻まれていく。
それを受け止めるつけ汁だって負けてはいない。大山どりの鶏ガラや国産豚のゲンコツ、高級乾物を惜しげもなく使ったスープに、どっしり重厚な醤油ダレを合わせ、清湯らしからぬパンチを効かせている。
自家製手揉みつけめん 特上 1800円
麺もスープも出色の出来映えなのだが、多彩なトッピング類も抜かりなしの旨さ。特に、低温調理後にフライパンで焼き目を付けた大山どりの炙りローストは、ジューシーな食感と濃厚な鶏の旨みが素晴らしく、かじった瞬間に笑みがこぼれる。
[住所]東京都千代田区内神田3-7-8
[電話]03-3525-7075
[営業時間]11時~22時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか神田駅西口から徒歩1分
『Tokyo Style Noodle ほたて日和』 @秋葉原 ’22年12月OPEN
並んででも没入したいホタテワールド
まずは、ホタテのカルパッチョをいただくのが店の流儀。口をホタテモードにして、ホタテ欲をかき立てるのが目的なのだそう。
ホタテの旨みが詰まったつけ汁に今すぐ麺をダイブさせたくなるが、いったん心を鎮めて昆布水に浸した麺をよく混ぜるべし。空気に触れさせることで、昆布の香りが開いていく。
特製 帆立の昆布水つけ麺(白) 1400円
別添えのカツオ塩やワサビ、ディルで麺を堪能した後は、お待ちかねのホタテタイム。つけ汁には干し貝柱とベビーホタテ、生ホタテから抽出したエキスが凝縮されていて、ファーストインパクトから余韻までホタテが続く。
肉厚な炙りホタテのほか、つけ汁にもベビーホタテが忍ばせてあり、トッピングもホタテ三昧。月替わりの割りスープで〆れば、フルコースを食べたような幸せに包まれる。
[住所]東京都千代田区神田佐久間町2-25 ウメヤビル1階
[電話]03-3863-3773
[営業時間]11時~15時、17時半~20時、土・日・祝11時~15時(ホタテがなくなり次第終了、変則営業のため、時間はSNSで要確認)※記帳制(昼の部10時10分~、夜の部16時~記帳開始)
[休日]水
[交通]JR山手線ほか秋葉原駅昭和通り口から徒歩3分
『つけ麺 神儺祁(じんだぎ)』 @西巣鴨 ’22年11月OPEN
スパイシーさが魚介の旨みをより引き立てる新感覚
熊本の人気店『つけ麺魚雷』が東京に進出。注目は“カレールウ付き”つけ麺だ。
三河屋製麺特注という太麺をまずはひと口。ぷりもちっとしてツルリとのど越しもいい。最初はこれを豚骨魚介スープで。魚介の風味がしっかり絡む。17時間かけて炊くスープは確かに濃厚ながら、とろっとし過ぎず旨みがきれい。
つけ麺(カレールウ付き) 950円
すでにとてもいい。でも、お楽しみはこれから。半分ほどになった麺にカレールウを投入して一心不乱に混ぜる。
ルウはインディな香りに唐辛子系の辛みも加わってややオイリー。そのままでスパイシーなカレー混ぜそばに。そして最後はその麺を再びつけ汁へ。ズズズっと啜ると、鼻から抜けるスパイス感のあとから魚介の旨みが上がって渾然一体。絶妙なハーモニーのまさに新感覚の旨さ!
[住所]東京都北区滝野川7-46-3
[電話]なし
[営業時間]11時半〜14時45分、18時〜21時、土・日・祝11時半〜19時45分 ※月は昼のみ
[休日]火
[交通]都営三田線西巣鴨駅A3出口から徒歩6分
撮影/西崎進也(航龍、本田麺業)、小島昇(ほたて日和)、石井明和(神儺祁)、取材/松井さおり(航龍、本田麺業、ほたて日和)、池田一郎(神儺祁)
※2024年2月号発売時点の情報です。
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