『神田 焼き鳥 とり囲』 @小伝馬町
水炊き風 濃厚スープのハイブリット鍋
このスープに浸かりたい……。そんな鍋に出合ったのはビジネス街にある、とあるマンションの地下でのこと。昨年11月末からこの焼鳥店で始めた新名物がご覧の鶏しゃぶだ。
鍋を満たす純白の水炊き風スープは国産鶏ガラを8時間じっくり煮込んだもので、コラーゲンを感じるまったりとした口当たりから凝縮したエキスが炸裂する。
濃厚白濁スープの炭焼き鶏しゃぶしゃぶ 1人前 2178円
くつくつ沸いたそれに新鮮な大山どりの身を浸すこと約10秒。ムネ肉はさっぱりとした味わいにコクを増し、皮目を炙ったモモ肉からは澄んだ甘みが広がった。
白菜やねぎなどの野菜だって、スープが沁みたらご馳走に早変わり。もちろん新鮮でクセのないレバーやイクラの醤油漬けをあしらったささみなど、鍋の前を盛り上げる串や一品料理も上々だ。
[住所]東京都千代田区岩本町2-8-10 神田永谷マンション地下1階
[電話]080-4173-9494
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)※平日のみ、17時~23時(22時LO)、土・祝16時~22時(21時LO)
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線小伝馬町駅2番出口から徒歩3分
『笑ウ鴨ニハ福来ル(ワラガモ)』 @吉祥寺
鴨とねぎのテッパンの相性に思わず笑み
“鴨ねぎ”なんて言葉があるように、このふたつは大昔からおいしい組み合わせの大定番。それをストレートに表現したのがこの鍋だ。
まずは和風ダシが張られた鍋に山のように盛られた白ねぎと九条ねぎをごっそり入れる。ひと煮立ちしたところで鴨の身に火を通し、クルッと巻いてパクリ。シャキシャキとした歯応えから、鴨のコクがやってきて、それぞれの甘みが相乗作用で増していく。
ワラガモセット 2人前 6000円
また身を藁で燻製しているのもポイントで、ふわりと感じる香りも心地良い。実はこの旨さをグレードアップさせる手もあって、それはしゃぶしゃぶの前に焼き鴨を堪能すること。鍋にしみ出た脂と香ばしさがツユの味をさらに深めてくれるのだ。両方を楽しめる「ワラガモセット」で注文するべし!
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-8
[電話]0422-24-9383
[営業時間]17時~23時(22時LO)
[休日]月(祝は営業し翌火休)
[交通]JR中央線ほか吉祥寺駅南口から徒歩3分
『地酒や もっと』 @南大塚
穴熊のイイトコロ全部、余すことなく堪能
穴熊って知ってます?クマと言うよりはタヌキ似で巣穴を掘る習性がある。そして、しゃぶしゃぶにすると旨い!
日本全国の燗酒を扱う同店では、料理もお燗に合うものがばかり。穴熊のしゃぶしゃぶもそのひとつだ。鹿児島の猟師から仕入れる穴熊は不知火や安納芋を食べて育ったことで肉質が芳醇。脂身の多い肉をごくごく薄くスライスし、カツオダシに実山椒と柚子を加えたスープの中で脂をすすぐように火を入れる。
穴熊のしゃぶしゃぶ 1人前 2800円
ダシをまとった穴熊を口に入れたらお燗をひと口。温められて開いた酒の複雑な香りが穴熊の濃厚な味わいをどんどん深くして、ふう……幸せなため息がもれる。スープは脂が溶け出し甘やか。こちらも飲み干して自然の恵みを余すことなくいただきたい。
[住所]東京都豊島区南大塚2-44-2
[電話]03-3946-6008
[営業時間]17時~23時
[休日]日もしくは月
[交通]JR大塚駅南口から徒歩2分
撮影/西崎進也(なみの上、ことぶき、羊のロッヂ、笑ウ鴨ニハ福来ル)、鵜澤昭彦(とり囲、もっと)、取材/菜々山いく子(なみの上、ことぶき、羊のロッヂ、とり囲、笑ウ鴨ニハ福来ル)、藤沢緑彩(もっと)
※2024年2月号発売時点の情報です。
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