豚に羊に鴨に鶏、さらに穴熊だって。様々な食材で楽しむ鍋が人気となっている。ダシにくぐらせ、ハフハフ頬張るしゃぶしゃぶだ。カジュアルに食べられ、しかし奥深いこのしゃぶしゃぶ。今回は、具材を「肉」にしぼって大調査。様々な食材、味わいを集めてみました!
『南渋谷 なみの上』 @渋谷
食材もスープも主役!全部が手を取り合って完成する一体感
しゃぶしゃぶとは肉なり海鮮なり、主となる食材の滋味をストレートに堪能するための料理だ。しかしこの鍋はそんなイメージをいい意味で覆してきた。
具材は九条ネギに針生姜、そして豚バラのみ。鍋の中で軽く火を通してから全部を一緒に頬張れば、シャキシャキと小気味良い食感から広がる青々しい風味や爽やかな辛みを脂のコクがまろやかに包み込む。
鶏白湯とカツオダシを合わせたツユの旨みも加われば、まさにこのひと口は完成された料理そのもの。食材のどれもが主役であり引き立て役でもある見事な一体感に惚れ惚れした。
鶏出汁しゃぶしゃぶ 2人前 4400円
さらにカウンターに大皿で並ぶ種類豊富なおばんざいや、上質なダシの沁みたおでん、さらには旬を感じさせる土鍋ご飯と、確かな食材と技にちょっとした遊び心も込めた一品にも思わず頬が緩んでしまう。
[住所]東京都渋谷区東2-22-16
[電話]03-6427-9115
[営業時間]17時~23時(22時LO)
[休日]日、月(不定休)
[交通]JR山手線ほか渋谷駅新南口から徒歩7分
『しゃぶ邸 ことぶき』 @池袋
品のある甘みに満ちた あぐー豚
最近豚バラは胃もたれしちゃって……なんて思っている人にこそ試して欲しいのが、この沖縄産あぐー豚だ。
カツオと昆布でとった琥珀色のダシから湯気が立ってきた頃合いで、まずは野菜を投入し、その上にバラ肉を広げて火を通す。しゃぶしゃぶ禁止が旨みを逃さぬ作法とか。島マース(塩)やシークヮーサー胡椒で味わうと、品のある爽やかな甘みが広がった。
あぐー豚バラ肉コース 5500円
たっぷりのった脂身だってクドさは全く感じない。「あぐー豚は一般的な豚肉に比べて融点が低く重さがないんです」と店長の菊地さん。素材の質もさることながら、フレッシュな状態を保つために切り置きせず、客の到着に合わせて準備する。そのためコースのみの完全予約制。他に石垣牛リブロースが付くコースもあり。
[住所]東京都豊島区西池袋3-31-15 ロイヤルプラザ2 5階A
[電話]03-6903-1240
[営業時間]17時~23時半(最終入店21時半)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか池袋駅西口から徒歩5分
『羊のロッヂ』 @西早稲田
フレッシュなラムのコクと風味をストレートに堪能
山小屋風の店内に入れば、食欲を刺激するラムの香りに満ちていた。店主の越坂部さんは大学卒業後、ジンギスカン専門店で働いたことがきっかけとなり、羊肉愛が大爆発。国内はもちろん世界各国の羊料理に触れ、たどり着いた調理法こそシンプルな“焼き”と“しゃぶしゃぶ”だったという。
ロッヂコース 3780円
コースもそれら両方を楽しめる組み立てで、まず肩&ウデロースを上部の鉄板で炙って食べ比べたら、いよいよ本番。舌に吸い付くような、なめらかな口当たりから噛むほどに旨みとコクが広がって、素材の“純”そのものの味の深さに目を見張る。それも冷凍ではなくチルドで輸入した上質な豪州産のラム肉ゆえだろう。
最後は羊のエキスが溶け出したスープで作る卵麺で最高のフィナーレを飾ろう。
[住所]東京都新宿区西早稲田3-19-3
[電話]03-6457-3929
[営業時間]11時45分~14時LO(土・日・祝のみ)、17時~22時半(22時LO)
[休日]月(祝は営業し翌火休)
[交通]地下鉄副都心線西早稲田駅1番出口から徒歩5分