『耳をすませば』アニメーターにはお馴染みの駅@聖蹟桜ヶ丘 スタジオジブリの名作『耳をすませば』(1995年)は、東京郊外の架空の町が舞台だが、ファンの間では京王線沿線の聖蹟(せいせき)桜ヶ丘(東京都多摩市)がモデル、と半…
画像ギャラリーマツコ・デラックスさんがMCを務める人気番組『マツコの知らない世界』(TBS系、火曜午後8時57分~)は、いろんなジャンルのゲストを招き、軽妙なやり取りとともに、ゲストの得意分野を深く掘り下げて紹介する内容が魅力です。今夜4月2日の放送では、「アニメ聖地巡礼の世界」が取り上げられます。『おとなの週末Web』でも、街グルメを切り口に「アニメ聖地巡礼」を連載してきました。ダイジェストの記事で、振り返ります。
小説『バスを待つ男』などの著作がある作家の西村健さんは、路線バスをテーマにした作品の書き手としても知られています。西村さんが執筆する「おとなの週末Web」の好評連載「東京路線バスグルメ」で、2023年の年初から東京都内の「アニメ聖地巡礼編」を計5回連載しました。いずれも日本アニメ史に名を刻む傑作にゆかりのある街。第1回は、西武池袋線の大泉学園駅でした。下記は、記事の一部抜粋です。
人生のベストムービーは『銀河鉄道999』@大泉学園
あらゆる映画を含め「我が人生のベストムービーは『銀河鉄道999』(1979年)」と断言し、作者の松本零士御大を「神」と崇める私にとって、「最高の聖地」と言えばここしかありません。「東映アニメーション(旧「東映動画」)」のスタジオがある練馬区東大泉。「日本初のカラー長編アニメ映画」である『白蛇伝』(1958年)もここで生まれた。「聖地巡り」編のスタートとして、ここより相応しい場所はありますまい。
てなわけで、やって来ました、西武池袋線の大泉学園駅。
この地には「商店街」編の時も来ましたね。あの時はJR中央線の吉祥寺駅前から西武バス「吉61-1」系統に乗ったんだけど、今回は鉄路。と、言うのも、大泉学園駅における発車サイン音は、バンドの「ゴダイゴ」が歌ったあの『銀鉄』主題歌なのですよ。これは、聞かずに済ますという選択肢はありますまい。
いざ駅のホームに降り立ってみると、目の前にはいきなり、人気アニメ『プリキュア』による「東アニ」の宣伝看板が。自動販売機もプリキュアデザインでしたよ。もう、降り立った瞬間から「聖地感」満載。おまけに発車サイン音をよく聞いてみると、下りの場合は歌の出だし、上りはサビの部分と、ちゃぁんと使い分けられてました。いやぁいいなぁ。やっぱ鉄路で来て、大正解。
ふと気づいて、ホームの池袋側に立ってみる。この駅の一つ池袋寄り、石神井公園駅までは高架だったことを思い出したのだ。なのでこちらから見てみると、線路が中空に向かって登っている。まるで銀河鉄道のレールが、宇宙に向かっているかのように……。
・東アニ・大泉スタジオ前の食事処で味わった「焼きビーフン定食」 東京路線バスグルメ・アニメ聖地巡礼編(1)
https://otonano-shumatsu.com/articles/290497
『あしたのジョー』の泪橋は……@山谷
東京最大の“日雇い労働者”の町、山谷(さんや)。かつては安宿、いわゆるドヤ(「宿」を逆さにした隠語)が立ち並び、路上に酔っ払ったオッチャンが延々ゴロ寝する、異様な雰囲気だった。
実は私も20代前半、旧労働省(現厚生労働省)の研修で訪れたことがある。朝イチの地下鉄日比谷線、南千住駅を出て職安に向かうと、途上のそこら中にオッチャンが座るか転がっていて、チンチロリンをしてるか寝ているか、のどちらか。「ここは本当に東京なのか!?」とショックを受けたものだった。
ボクシング漫画の金字塔にして、「戦後最大のヒット漫画の一つ」(Wikipediaの表現より)『あしたのジョー』はこの町が舞台だ。ジョーが汗を流す「丹下拳闘クラブ」は山谷の「泪橋」の下にあるという設定で、貧しい中にも逞しさを有す、地元住民に応援されながら栄光を目指すストーリーには、さすがここを舞台に選んだ迫真力があった。
「山谷」という地名は今はなく、台東区の北部と、荒川区南部の一画をこう呼び習わす。鉄道駅のどこからも遠いので、「バスグルメ」で行くのはなるほど説得力もある。前回の東映アニメーション大泉スタジオを訪ねた時は、半ば強引にバスに乗りましたからね(笑)。いくつかルートはありますが、今回は浅草から都バス「草64」系統に乗ってみましょう。
・『あしたのジョー』の残像を求めて泪橋へ 立て、立つんだ!と思いを重ねて食べた立ち食い蕎麦屋の「ゲソ天うどん」 東京路線バスグルメ・アニメ聖地巡礼編(2)
https://otonano-shumatsu.com/articles/293932
『君の名は』ではなく『君の名は。』@信濃町
私の世代ゆえ古い作品が続いたので、たまには新しいアニメにもチャレンジしてみましょう。……とは言えもう、『君の名は。』の公開は7年前になるんですね!? 月日が経つのは早いなぁ。
よく覚えている。『シン・ゴジラ』を観に行ったら、劇場が若い者でごった返していた。さすがゴジラ、未だ若者にもこんなに人気があるんだと思ったら、こっちを観に押し掛けてたんですね(笑)。えっ『君の名は』? そんな古いドラマをアニメ化してヒットしたの!? なぁんて頓珍漢な感懐に囚われたのも、これまた世代ゆえでしょう。
てなわけでメインの舞台となった、新宿区四谷に行ってみます。主人公、瀧(たき)君はここに住んでるという設定ですね。他にも新宿や渋谷など、作中には色んな場所が出て来てとにかく街がリアルに、精緻に描かれてますが、1ヶ所だけ選ぶとなればやはりここを選ぶのがスジでしょう。
・『君の名は。』の舞台で出合えた味、厚切り豚バラの丼は“口福”をもたらす! 東京路線バスグルメ・アニメ聖地巡礼編(3)
https://otonano-shumatsu.com/articles/295597
『耳をすませば』アニメーターにはお馴染みの駅@聖蹟桜ヶ丘
スタジオジブリの名作『耳をすませば』(1995年)は、東京郊外の架空の町が舞台だが、ファンの間では京王線沿線の聖蹟(せいせき)桜ヶ丘(東京都多摩市)がモデル、と半ば公然と語られている。
一説には日本(にっぽん)アニメーションの本社スタジオが多摩市にあることから、かつて同社にいた宮崎駿氏(本作では製作プロデューサー・脚本・絵コンテを担当)には馴染みがあり、イメージに合ってもいたことからここをモデルにしたのだ、とか。ちなみに監督を務めた近藤喜文氏も日本アニメーションに在籍していた。
ネットを検索してみると、聖蹟桜ヶ丘駅とその周辺の風景が、作品に出て来るこの場面、と指摘しているサイトが複数、見つかる。「散策マップ」もあったので早速ダウンロードし、「聖地巡礼」の参考にさせてもらった。
てなわけで聖蹟桜ヶ丘駅に到着。京王線沿線に住んで間もなく40年になるが、この駅に降り立ったのは多分、初めてじゃないかなぁ? 鉄道好きからすればここは京王電鉄の本社のある町であり、そういう意味でも「聖地」と言えなくもないんですけどね。
・聖蹟桜ヶ丘で『耳をすませば』の世界観にひたる 雫と聖司を想って頬張った玉子焼きサンド 東京路線バスグルメ・アニメ聖地巡礼編(4)
https://otonano-shumatsu.com/articles/297859
『機動戦士ガンダム』はこの場所で生まれた@上井草
バスグルメ「アニメの聖地巡り」編もいよいよこれで最終回。最後のテーマは、『機動戦士ガンダム』です。
宇宙がメインのSFなのに聖地なんてあるの、って? あるんですねぇ、それが。
てなわけでやって来ました、西武新宿線の上井草駅(東京都杉並区)。アニメ制作会社「日本サンライズ」はここにあったんです。まぁその後、色々あって現在ではバンダイナムコフィルムワークスのアニメ制作ブランド「サンライズ」になってるけど。最初のガンダムを制作した頃は、ここにあったのは間違いない。
上井草駅でホームに降りると、列車の発車サイン音としてテレビ版『ガンダム』の主題曲が流れる。それも下りはサビの部分、上りは出だし、と使い分けられてる。これ、第1回の西武池袋線・大泉学園駅(練馬区)や第4回の京王線・聖蹟桜ヶ丘駅(多摩市)と同様ですね。鉄道会社、やるなぁ。これだけで「聖地感」、湧き湧きになってくれる。
この駅に降りるの初めてで、来てみて分かったんだけど駅の構造は「相対式ホーム」。上りと下りホームにそれぞれ改札が付いていて、互いに行き来ができない。なので曲がちゃんと使い分けられているか、向かいのホームの方に耳を澄まして確認しましたよ。
次の上り便が来るのを待つ間、ホームをぶらぶらしてたら壁に「アニメのまち上井草」ってポスターが貼ってあるのを発見。待った恩恵でした。
・ガンダムを訪ねて“アニメのまち”へ 幸せの頂きへ導く香り深い醤油ラーメン 東京路線バスグルメ・アニメ聖地巡礼編(5)
https://otonano-shumatsu.com/articles/299281
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