美味しい実山椒の見分け方 みずみずしく、実が柔らかで、乾燥していないことが大前提です。また、実のサイズが大きいものは熟していて皮が硬い場合があるため小さめのものを選びましょう。 傷みやすいので、購入したらすぐに下処理をし…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■小粒ですが
正解:実山椒
難易度:★★★☆☆
さわやかな柑橘系の香りが魅力です
ひと昔前までは、うなきのかば焼きにパラパラとかけるくらいしか使い方がわからないという人も多かった地味な香辛料、山椒。
しかし近年、スナック菓子やカップ麺、蒸留酒などにも使用されるなど、山椒ブームが到来したこともあり、その存在感が増しています。
「山椒は小粒でも、ピリリと辛い」という言葉があるように、しびれるような独特の辛みと、柑橘系のさわやかな香りをもつ香辛料です。柑橘系の香りがするのは、山椒がミカン科の木のためです。
山椒は若芽から花、実、枝まで、すべてが活用できる無駄なしの香辛料です。枝は食用ではなく、非常に固くて抗菌作用があることから、昔から「すりこぎ棒」として利用されてきました。
6月に旬を迎えるのは実の部分の「実山椒」です。花の部分を使用したものは「花山椒」と呼ばれ、5月頃が旬となります。また、3~4月に旬を迎えるのは若芽の部分を食す「葉山椒」です。
ちなみに、花椒(ホアジャオ)というスパイスがありますが、これは花山椒とは似て非なるもの。花椒は中国産のスパイスで、四川料理にかかせない香辛料です。
実山椒は山椒の実が未熟な状態で見た目が青いため「青山椒」と呼ばれることもあります。実がつくのは山椒の雌株で、雄株は実をつけません。ただし、受粉が必要なため雌株のみを栽培しても実をつけることはできません。
佃煮や醤油漬け、ちりめんじゃこなどに使用されるのは実山椒です。
実山椒が熟すと皮が硬くなって皮がはじけます。この皮を乾燥させてすりつぶして粉末にしたものが、うなきのかば焼きなどに振りかける、おなじみの「粉山椒」です。
美味しい実山椒の見分け方
みずみずしく、実が柔らかで、乾燥していないことが大前提です。また、実のサイズが大きいものは熟していて皮が硬い場合があるため小さめのものを選びましょう。
傷みやすいので、購入したらすぐに下処理をしないと、硬くなったり、えぐみが強くなってしまいます。下処理は塩水で7~8分ほど茹でてアク抜きすればOK。冷凍保存や、醤油漬けにすれば半年程度は保存が可能です。
実山椒の注目栄養素
山椒は漢方薬として使われているほど薬効の高い植物です。
なかでも、独特な辛みや香りのもととなる「サンショオール」や「シトラネロール」は薬効が高いことで知られています。
サンショオールは辛み成分で、内臓の働きを活発にし、消化不良の改善、血行改善、殺菌・抗菌作用があるといわれています。
シトラネロールは柑橘系の植物が持つ香り成分で、殺菌・抗菌作用、鎮静作用、抗不安作用などが期待される成分といわれています。
山椒を食べたときに感じる舌のしびれの原因となるのは、キサントキシンと呼ばれる麻痺成分である痙攣毒です。ただし、毒性は弱いので香辛料として使用する程度であれば心配はありません。とはいえ、大量に摂取することは控えましょう。
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。