”まんぷく”が止まらない。ビストロ『石川亭』 気取らずお腹いっぱいになれるフランスの大衆食堂がテーマ。特にランチのコスパに目を見張る。 前菜とメインをそれぞれ4〜5種類から選べるプリフィクス・スタイルで、メインのスペシャ…
画像ギャラリー東京駅の八重洲北口改札からすぐのエリア1階にお目見えする飲食店街『グランスタ八重北』。
2022年4月27日に開業後、グラングルメから大幅リニューアルした1階・地下1階は、ランチにも夜の一杯にも使えるお店がずらりと連なっている。
老舗でも名店でも気軽に入れる雰囲気、かつ日本橋側はワールドワイドなお店で構成。地下1階の『黒塀横丁』は大人の雰囲気がありつつも、カジュアルにふらりと立ち寄れる新機軸のグルメスポットだ。
そんな観光客も近辺で働く人たちも、仲間と集い「おいしい」と「楽しい」が交差する激戦区の中から選りすぐりおお店を覆面調査でおなじみの『おとなの週末』が、<東京駅、じつは『朝ラーメンの天国』だった…! 朝からペロリの絶品ラーメン 《ベスト5店》 を覆面調査隊がレポート>に引き続き、”忖度なし”でレポートする。
(お店の情報は<東京駅の店舗情報>からご覧ください)
ド直球の牛肉をどうぞ。『極味や』のハンバーグ
ずらっと並んだ鉄板付きのカウンター。駅構内とは思えぬ光景に思わず足が止まるはず。しかも周囲には食欲を刺激する香りも立ち込めているではないか。
その正体がハンバーグ。レアのまま供されるそれを客自身がひと口サイズに切って鉄板でジュッと焼き上げるスタイルで、熱々をパクリとやれば、ごろっとした肉感の後から濃厚な旨みとコクが炸裂!
つなぎは極少量で玉ねぎもなし。まさに牛肉をド直球に味わうハンバーグなのだ。
さらに6種類のソースや薬味も付いてきて、ひと口ごとに味変すればくるおしいほどに白飯を呼ぶ!
ちなみにセットで注文すれば、ガス釜で粒立ち良く炊いたご飯に、スープ、サラダ、さらにソフトクリームまで食べ放題というのもうれしいかぎり。
加えてメニューにはA5ランクの伊万里牛のステーキも。高級店さながらの味を、東京駅ならばスピーディかつ手頃に堪能できる。
昼も夜もつまみたい。立喰い寿司の『ひなと丸』
さっとつまんで電車に乗り込める。改札近くにある立ち食い寿司は、忙しいビジネスマンにとってありがたい存在だ。
でも利便性だけじゃありません。こちらは味と値段で勝負する。水産会社直営という強みをいかし、プロが目利きして競り落とした魚をすぐさま店へ。
鮮度も質も折り紙付きながら、手が出しやすい価格帯もありがたい。
ネタの揃えで目を引くのがマグロで、トロや赤身のみならずカマや頭肉といった珍しい部位も用意する。さらに寿司に合う米を厳選し、硬めに炊き上げ、まろやかな酸味と甘みを持たせたシャリは、味の強いネタにも淡白な身にもすんなり寄り添ってくれる。
時間に余裕があれば店内に設置されたテーブル席で日本酒を傾けつつ、つまみから始めるのもいいだろう。
もちろん握りや巻物のテイクアウトもウェルカム。こんな寿司を車中のお供にすれば旅気分を盛り上げてくれること間違いなしだ。
「絶対的エース」登場。韓国酒場の『コッキオ』
ネオンサインに飾られドラム缶テーブルが置かれた店内に入れば、ここが駅構内ということを忘れてしまうはず。
本場よろしくマッコリやソジュ(焼酎)を並べたら、楽しい夜の始まりだ。
店名の『コッキオ』は、日本で言うところの“コケコッコー”で、品書きには韓国の鶏料理がズラリ。衣ザクザクの「ヤンニョムチキン」に、鶏のモミジをとろりと煮込んだ「タッパル」で空腹をかわしつつ、いい頃合いでやってきたのが店の絶対エース「タッカンマリ」だ。
じっくり炊いた濃厚なコクのスープに浮かぶのが、但馬鶏の骨付き肉。程よい歯応えの後からやってくる力強い滋味に圧倒される。
〆は深みを増したスープで食すカルグクス(韓国うどん)がこれまた最高!仲間や家族と賑やかに湯気を囲もう
プリっ、とろーり、の共存。鉄板ホルモンの『蟻月』
もつ鍋で有名な同店が東京駅に進出した。
駅ナカというスピード感も求められる立地柄、看板に据えたのが鍋ではなく自慢のホルモンを使った鉄板焼きだ。
湯気を立ててやってくるピリ辛味噌が絡んだそれをパクリとやれば、プリッと弾ける歯応えの後から甘〜い脂がとろけて広がった。すかさずビールで流し込めば、もはや快感!
ちなみに生ビールは「八重北食堂」内でもおそらく最安値ではないだろうか(ハッピーアワー除く、価格は本誌発売時より)。赤紫蘇エキスで割った爽やかな「ゆかりビール」もこってりしたホルモンと抜群の相性だ。
加えて心を奪われたのが「極上の肉ホル丼」で、牛バラ肉とホルモンをどっさり盛り込んだ腹ペコには堪らぬパワフル系。昼なら千円少々と飛び切りお得に味わえる。
進化し続ける老舗の天ぷら『ハゲ天』
言わずと知れたこちらの老舗も江戸前天ぷらの新機軸を引っさげやってきた。そのひとつが“天ぷら串”。
野菜や魚介などの旬のネタに工夫を凝らし、例えば小玉ねぎはあらかじめブイヨンを煮含ませ、サツマイモは衣の上からひと振りしたブランデーで甘みをぐんと引き立てる。
ひと口サイズの串にぎゅっと詰め込んだアイディアと遊び心がめっぽう楽しい。
そしてもうひとつが“まぶしめし”。
小エビがどっさり入ったかき揚げをご飯にまぶし、薬味や塩で味わった後は別添えのタレをかけて天丼に、最後はほうじ茶ダシを注いで天茶へと味が3度変わる仕掛け。
そんな老舗のたゆまぬ進化は、ここ東京駅から全国へ発信されている。
行列店がやってきた!月島もんじゃの『たまとや』
もんじゃ焼きの聖地といえば月島。しかしそこまで足を伸ばさずとも、行列店が東京駅にやって来た。
母体となるのは、明治4年創業の豊洲市場水産仲卸。コンセプトは「酒と肴ともんじゃ」ってことで魚介のつまみやお酒も充実している。
そして自慢のもんじゃ。一番人気の「明太子もちもんじゃ」には豊洲から直送された大ぶりな明太子が丸ごと1本ドン!と乗って大迫力。
さらに決め手は、鳥ガラ、魚介、香味野菜をブレンドし、毎朝炊き上げるという自家製ダシだ。
明太子のプチプチにお餅のもちもち、桜エビからは海の香り……そこにおダシが味に深みとコクを与え、焼けるほどに旨みが凝縮!もんじゃの種類もユニークで多彩。
アレコレ食べたいって場合は茶碗サイズにすれば、一度に2種類焼くのもOKだ。
カリっと、肉ジュワ〜。名古屋コーチン一鳳『東京弌鳥』
日本3大地鶏のひとつ、名古屋コーチン。そのおいしさを存分に味わえる専門店だ。その旨さを堪能するなら、まずは各部位を備長炭で丁寧に焼き上げた串焼を。
名古屋コーチンならではの跳ね返るような肉質と力強いコク、その旨みがふっくらカリッと焼かれた中に凝縮。中でも看板の「弌鳥焼」は八丁味噌のオリジナルタレとも相まって、頬張るほどに目尻が下がる。
使われているのはすべて純系名古屋コーチンで、あえて低カロリーな飼料を与え、十分な運動をさせてゆっくり飼育しているもののみ。
力強くもヘルシーさを感じさせる味わいだ。東海地方の地酒とともに満喫したら〆にはぜひ極上親子丼を。皮面を炭火で炙ったモモ肉を濃厚な名古屋コーチンの卵でトロリととじた丼。めちゃウマだ!
”まんぷく”が止まらない。ビストロ『石川亭』
気取らずお腹いっぱいになれるフランスの大衆食堂がテーマ。特にランチのコスパに目を見張る。
前菜とメインをそれぞれ4〜5種類から選べるプリフィクス・スタイルで、メインのスペシャリテがハンバーグ。
ザク切りしたキャベツがたっぷり入り、食感も楽しい上にボリューム満点だ。ディナーではさらにパワーアップしたコースも用意。
世界のヌードルを東京でどうぞ『Noodle House Laundry』
アジアを代表する大都市にして多種多様な人が行き来する東京駅。
そんな場所だからこそいろんな文化がカオスのように交差する新しい酒場があっても――。そんな思いから“ストリート酒場”をコンセプトに登場したのがこの店だ。アジアのストリート料理といえばまずはヌードル。
「鶏肉のフォー」(ベトナム発)、「トムヤムヌードル」(タイ発)、中国のたまり醤油を使うちょっと珍しい「ガンバン麺」(台湾発)等々、多彩な麺が15種類。
さらに「グリーンカレーいなり」や「海老トースト」など、ユニークで刺激的なつまみも豊富。そしてうれしいのが15タップ揃うクラフトビールだ。
料理の個性を受け止める、味わいも多彩で個性豊かなビールの数々。
15タップ中8つはこだわりの国内ブリュワリーだ。ぜひ合わせて楽しみたい。
……つづく<東京駅、じつは『朝ラーメンの天国』だった…! 朝からペロリの絶品ラーメン 《ベスト5店》 を覆面調査隊がレポート>でも、東京駅の「おいしい」を覆面調査でレポートします。
『おとなの週末』2023年1月号より
(本記事の情報は発売時点のものです)