京成線で、じつは 「ラーメン激戦区」 の意外な街を発見…! 町中華の “王道” から 《一杯400円》 の激安まで 「全15店」 で覆面調査隊が実食

堀切菖蒲園のラーメン

「ラーメン」一杯900円〜の店 ■『ラーメン大 堀切店』並ラーメン(900円) ■『大黒天 堀切店』台湾まぜそば(900円) ■『焼豚ラーメン 三條 堀切店』焼豚ラーメン(900円)

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降りたことあるでしょうか、京成本線・堀切菖蒲園駅。

焼酎にシロップなどを加えて炭酸で割る焼酎ハイボールのメッカとして知られ、立石の次に来る酔いどれタウンと目されている街ですが、実はかくれラーメン激戦区でもあります。

「ラーメン屋多すぎない?」ライター渡辺が、「おとなの週末」編集武内と飲み歩いている時のふとした会話から、爆誕した本企画、早速調査すべく現地に向かいました。

撮影・文/渡辺高

なぜ、こんなにもラーメン店が多いのか?

京成本線・堀切菖蒲園駅を降りたら、ひとつだけある改札を出て、気が向くままに歩いてください。

何軒ものラーメン屋、町中華の店に出くわすでしょう。私の調査では駅から徒歩5分圏に15軒を確認しました。

ラーメン激戦区と言われる池袋駅周辺にはなんと120軒ものラーメン屋があるそうです。池袋駅の乗降客数は1日約46万人。ラーメン屋1軒あたりにすると3833人の計算です。

京成電鉄堀切菖蒲園駅(写真:東京特許許可局/Creative Common)

対して堀切菖蒲園の乗降客数は1日約1万人。ラーメン屋1軒あたりは666人ですから、あの池袋よりも堀切菖蒲園の方が5倍もラーメン屋が多い計算です。

激戦も激戦、キングダム並みの密度です。それでも、他にガチ寄りの中華料理店も何軒かありましたが、見て見ぬふりをしたことを告白します。時間的にも身体的にもギリだったんです。

実は普段はグルテンフリーの生活なんです。そのせいでしょうか、ラーメン一杯の満足感がハンパありません。とある夕方に『大八元』のやさしい醤油味のスープにホッとし、「やっぱりラーメンって世の中で一番おいしい食べ物だ!」と『長門』へはしご。スタミナも付けてしまいました。

綾瀬駅までの往復ウォーキング後、富士の湯で汗を流し、『けんちゃん』で今時なコクのある醤油ラーメンを夜遅くにいただきました。翌昼まで満腹だったのは50歳目前だからかもしれません。

ラーメン弱者(麺弱)の私は、『ラーメン大』のパンチある旨みにひれ伏して即帰宅。後日、『美山亭』の昭和然とした中華そばでリハビリし、『陽』の濃厚な担々麺をペロリといけるほどに成長しました。『三條』では焼豚の増量を考えたほどです。

ところが、濃縮スープ1本の『とんちん軒』では、スープ割してから食べるという貼り紙を見落とす麺弱っぷりが露呈。その後、三日戦争と呼ばれる『一番鶏』『まるいち』『大黒天』との闘いに敗れ、「我にこのおいしさを消化する胃さえあれば」と涙しました。

そんな翼の折れた私を迎えてくれたのは、町中華飲みでしばしば訪れていた『三河屋』と『タカノ』の澄んだスープだったのです。

なぜラーメン屋が多いか? 方々で聞きましたが、得られたのは「そういや最近増えたね」「始めやすいからじゃない?」という証言だったことを報告します。

全15軒で実食:「ラーメン」一杯400円〜の店

『下町中華 樹』ラーメン(400円

15軒の中で最もあっさりした中華そばという印象。驚きの破格値

■『大八元』ラーメン(550円)

醤油の風味がしっかり感じられる昔ながらのラーメン。飲んだ後に好適

『タカノ』ラーメン(500円)

やさしくシンプルな味わい。リピート必至。

「ラーメン」一杯550円〜の店

■『美山亭』ラーメン 550円

毎日でも食べられそうなすっきりとした醤油ラーメン

■『長門』スタミナラーメン(600円

にら・もやし・挽肉炒めがスタミナの素。麺のボリュームもたっぷり

『中華料理 三河屋』ラーメン(650円)

1928年創業、界隈最古の町中華と言われる老舗。淡麗な味わい

「ラーメン」一杯700円〜の店

■『居酒屋 けんちゃん』醤油らーめん(700円)

背脂を少し浮かべた醤油味。居酒屋利用の締めに味わいたい

『来集軒』タンメン(720円)

堀切菖蒲園で1、2を争う昭和感。具の野菜炒めもスープも激アツ!

『らー麺 まるいち』「極」塩らー麺(850円)

豚骨、丸鶏、京風一番ダシのトリプルスープが濃厚。麺はモチモチ

「ラーメン」一杯900円〜の店

■『ラーメン大 堀切店』並ラーメン(900円

二郎系で男性に終日人気。スープがほんのり甘く、クセになる味わい

■『大黒天 堀切店』台湾まぜそば(900円)

辛みやニラの風味が濃厚な味わいを軽やかに。食べやすさに驚き

■『焼豚ラーメン 三條 堀切店』焼豚ラーメン(900円)

バラ肉を使った煮豚がたっぷり。ラー油が効いた醤油味のスープが美味

「ラーメン」一杯970円〜の店

■『麺席 一番鶏』鶏白湯らーめん+たまご(970円)

クリーミーなスープは旨みとコクたっぷり。青唐辛子入りもある

■『つけ麺 陽』担々麺(1000円)

旨みと辛味のバランスのよいあと引くスープ。麺自体のおいしさも光る

■『とんちん軒』全部のせ濃縮中華そば(1000円)

2023年10月オープン。メニューは濃縮スープタイプの全部のせ1本

…つづく『京成線で『せんべろ』の新名店を発見…!立石につづく「隠れ家」3店を覆面大調査!』では、せんべろの新名店を紹介します。

『おとなの週末』2024年2月号より(内容は発売時点の情報)

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