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全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回取り上げるのは、厳選した東京の町寿司の名店3店。卵を乗せた「甘エビ」、ふっくら煮た「穴子」、口の中でとろける「中トロ」…。絶品のネタが生きる名人芸の寿司をご堪能ください!

『鮨処 まる』(世田谷代田)つまみになる握り、秘密は赤酢のシャリにあり

「ご飯でお酒を飲みたくなるのは寿司だけでしょう?」と店主の柴木さん。この道40年の熟練の指使いから1貫ずつ供される握りは、まさにその言葉通りの味わいだった。

味を支えるのが米酢と赤酢を同割で使ったシャリ。口に含めば酸味はシャープでありつつも、後からじわじわと舌を包むようなまろやかさもあり、米粒に沁みた塩もやや強めだ。

江戸前十五貫 6500円

『鮨処 まる』江戸前十五貫 6500円 赤貝の身とヒモに、酢で〆られたキスと小肌、卵を乗せた甘エビ、藻塩をあしらった白イカなど、旬を感じさせる極め付きのネタ15貫が揃う

川崎の市場に足を運び、できる限り天然物で揃えた上質なネタと合わせれば、個性ある人肌のシャリが脂の甘みや旨み、繊細な風味を鮮やかに立たせてくれるのだ。

こんな寿司には冷酒よりもおだやかに甘みが膨らむぬる燗がよく似合う。珠玉の握りでゆるゆる酒盃を傾ける、そんな粋な過ごし方もいいだろう。

『鮨処 まる』

東京・世田谷代田『鮨処 まる』

[住所]東京都世田谷区代田1-33-12
[電話]03-3413-7716
[営業時間]17時半~21時
[休日]水
[交通]小田急線世田谷代田駅南口から徒歩10分

撮影/鵜澤昭彦、取材/菜々山いく子
※2023年11月号発売時点の情報です。
※各店舗のネタやコースの内容は季節や仕入れで、変わることがあります
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

『蛇の目鮨』(成城学園前)気負わず通える風情と値段、老舗の江戸前仕事に唸る

成城と言えば高級住宅地。そんな場所で暖簾を出す寿司屋はさぞかし……と身構えつつ入ってみれば、いい意味で肩透かしを食らった。店内はカウンター席に小上がりのある昭和の町寿司そのまんまの風情。夜でも握りもチラシも1650円~と庶民派だ。

にぎり鮨(特上)3300円

『蛇の目鮨』にぎり鮨(特上)3300円 昆布水で天日干しの米を炊き米酢と合わせたシャリは旨みがありネタを支える。大トロ、ボタン海老など。巻物は鉄火と山芋巻き

豊洲と川崎の両方の市場で目利きしてくるネタの良さもさることながら、店で炊くカンピョウに、香りを残しつつふっくら煮た穴子、チラシのご飯の上で彩りを添えるおぼろまでもと、細やかな江戸前仕事の積み重ねが56年間、看板を支えてきたのは間違いない。

さらに二人三脚で切り盛りする、純一さんとお母さんのやりとりも“味”で、飾らない親子の会話に加われば、自分が一見だったことも忘れてしまう。

『蛇の目鮨』

東京・成城学園前『蛇の目鮨』

[住所]東京都世田谷区成城5-13-25
[電話]03-3482-0968
[営業時間]11時半~14時、17時~21時
[休日]水
[交通]小田急線成城学園前駅西口から徒歩4分

撮影/西崎進也、取材/菜々山いく子
※2023年11月号発売時点の情報です。
※各店舗のネタやコースの内容は季節や仕入れで、変わることがあります
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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『鮓 伊保』(本郷三丁目)“一期一会”に込めた想いをコースで...
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おとなの週末Web編集部
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