厳選【東京の三ツ星スパイスカレー店】ベスト5発表!1位は蒲田のお店“追いカレーソースいきます?”

ひと皿に作り手の自由な発想がぎゅっと詰まってるスパイスカレー。1年以内に開店した新店に加え、本誌『おとなの週末』未掲載の人気店を20軒以上食べ歩き、その中から三ツ星5店を厳選しました。さらにコスパ等を考慮して勝手にランキング!……したのですが正直いえばみんな違ってみんないい。あなたの好きを探してください。

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ひと皿に作り手の自由な発想がぎゅっと詰まってるスパイスカレー。1年以内に開店した新店に加え、本誌『おとなの週末』未掲載の人気店を20軒以上食べ歩き、その中から三ツ星5店を厳選しました。さらにコスパ等を考慮して勝手にランキング!……したのですが正直いえばみんな違ってみんないい。あなたの好きを探してください。

第1位『spice curry&BARドンカリ』@蒲田

余計なものは何もいらないシンプルで完璧なバランス

わびさびの世界にも通じるようなシンプルな造形美は枯山水ならぬ“カレー山水”か。視界に広がるカレーソースに配置されたライスの山、カリッと揚げ焼きしたチキンマサラはまるで岩石。おいしい小宇宙に垂涎……注目の最新店『ドンカリ』のスパイスチキンカレーである。

スパイスチキンカレー 1000円(昼のみ)※半熟玉子トッピング(+100円)

『spice curry&BARドンカリ』スパイスチキンカレー 1000円(昼のみ) ※半熟玉子トッピング(+100円) チキンマサラは香ばしく、マッシュポテトも名脇役。夏はトマトを多めにさっぱり仕上げるなど少し変える。米はバスマティと日本米をミックス

完売続出、間借り時代からの人気店が店主の砂長谷さんの地元蒲田で待望の実店舗を構えた。昼はこれ1本勝負だ。運ばれた瞬間に鼻腔を刺激するのはグリーンカルダモンとクローブ、クミンの香り。たまらず掻き込めばサラサラと清流の如く喉を滑る。

鶏の旨みとトマトの酸味が心地いい味は穏やかな辛さだが中毒性があり、食べ終わりたくない~となる頃合いでサービスの「追いソースいきます?」。砂長谷さん、何ていい人(涙)。夜はスパイス料理のバル。お茶漬け感覚の〆カレーもあります!

【三ツ星ポイント】
・味…10
・接客…9
・コスパ…10
・立地…8
37点。最初に出るキャベツのアチャール、1回サービスの追いカレーソース、コーヒーも付いてこの価格は涙モノ。

『spice curry&BARドンカリ』

[住所]東京都大田区西蒲田7-41-4
[電話]03-6424-9909
[営業時間]11時半~14時半(14時15分LO、カレーが無くなり次第終了)、17時半~23時(22時半LO)※日の夜は~22時(21時半LO)
[休日]月・木
[交通]JR京浜東北線ほか蒲田駅西口から徒歩5分

第2位『魔皿カレー』 @中目黒

魔皿とマサラを掛けた店名も楽しいスタンドカレー

思わず二度見する怪しげな店名。しかも極狭&スタンディング。が!そんなハードルも軽く超えられる理由はそこに旨いカレーがあるから。そりゃそうだ、実はあの柏の名店「ボンベイ」系列の新店、そんじょそこらのスタンド店とはレベルが違うのです。

特徴は本店の裏メニューをさらに改良してラインナップしていること。肉も野菜も全て国産、高品質のスパイスは鮮度を大切に、軸となるスープやピクルスも店内でイチから作る。ライスもなるべく炊きたてにこだわり、1日10回ほど炊くそうだ。

玉 ドライキーマカレー(赤) 1200円 ※たまご&たぬきトッピング(各+100円)

『魔皿カレー』玉 ドライキーマカレー(赤) 1200円 ※たまご&たぬきトッピング(各+100円) 仕上げに削るヒマラヤ岩塩の硫黄が鼻腔に残るスパイス香を引き立てる。辛さは選べる

定番はチキンカレーのソースとキーマを合わせた通称“ゆるキーマ”「魔皿カレー」だが、今回は超辛口ドライキーマを推したい。極粗挽きの鶏もも肉がたっぷり、全部混ぜ混ぜして挑めば辛味、旨み、酸味、スパイスの香りが口内スパーク! ぐいぐい引き込まれる魔性の皿です。

【三ツ星ポイント】
・味…10
・接客…7
・コスパ…9
・立地…10
36点。妥協しない素材の質と味の組み立てはさすが。スタンディングだが通し営業なので気軽にふらっと行ける。

『魔皿カレー』

[住所]東京都目黒区上目黒1-20-8
[電話]03-6262-2976
[営業時間]10時~21時
[休日]無休
[交通]東急東横線ほか中目黒駅正面改札から徒歩1分

第2位『ホンカトリー』@御茶ノ水

食べ進めるほどに旨さが加速する華麗な味わい

カレーは自由だ。芸術だ。これほど愛でて食べて驚いて楽しい味は初めてかもしれない。バスマティライスを彩る副菜は約10種。

「カレーの試作を続けてると食べ飽きてしまって(笑)、冷蔵庫にあった惣菜を入れてみたらこれが意外と面白かった」。

面白いとおいしいは友達だ――閃いた店主の滝沢さん。副菜を考えてどんどん乗せるうちに今のスタイルになったとか。カレーは肉と魚の日替わり2種。

チキン+ムングダール 1300円

『ホンカトリー』チキン+ムングダール 1300円 取材時の肉系。スパイス等でマリネしたチキンとムングダール(緑豆の挽き割り)を合わせたマイルドな味。ライスにはゴボウやファラフェルなど自家製の副菜が約10種

先のライスにかけて混ぜて食べるのだが、ここで必須がプリックナンプラーなど卓上調味料だ。なるべく胸やけしないよう工夫したやさしいカレーなので、自分好みの塩味や辛味に調整して完成させるという訳。

食べ進めるほどに多彩な副菜の旨みと食感がグラデーションのように変化し、全体が交われば味に立体感が生まれる。これは楽しい!しかも食後感は軽快、胃も心も整う。

【三ツ星ポイント】
・味…10
・接客…8
・コスパ…9
・立地…9
36点。見た目から味の構成、食べる楽しさもGOOD。昼のみ営業で店主のワンオペなので時間に余裕を持つべし。

『ホンカトリー』

[住所]東京都文京区湯島2-7-9
[電話]なし
[営業時間]11時~14時 ※カレーが無くなり次第終了
[休日]日・祝
[交通]地下鉄丸の内線御茶ノ水駅1出口などから徒歩10分

第2位『カレー サファリ』 @武蔵小山

代々木八幡から移転リニューアルした人気店

土台に調理の基礎がしっかりある料理人が作った緻密なおいしさ。それがサファリのカレー。というのも店主は洋食のコックとして20年以上の経験があるベテランだ。

メニューは銘柄鶏を使う「大山チキン」など基本3種に週替わり1種。それぞれダシを取ることから別々の素材で仕込み、玉ネギは6時間オーブンで焼いて……などなど手間を聞けば完成したその皿を拝みたくなる。

あいがけ2種(ポークキーマ・海老) 1500円 ※玉子トッピング(+100円)

『カレー サファリ』あいがけ2種(ポークキーマ・海老) 1500円 ※玉子トッピング(+100円) 旨みが凝縮したエビのカレーとボロネーゼ風のキーマ。カシューナッツもアクセント。紫キャベツのクミンマリネなど副菜と豆カレーを添える

人気はあいがけ。定番から選んだ「海老」は大量のエビ頭から旨みを抽出したダシに昆布・煮干しを加えた滋味深い味。十五穀米をブレンドしたライスに鎮座する「ポークキーマ」は極粗挽きの豚肉に白ワインを効かせた濃厚な味。奥行きある風味を出すためスパイスはホールとパウダーを使い分けるが、ホールは口に残らないよう提供前にミルで挽くという配慮も完璧。やっぱプロは違うわ。

【三ツ星ポイント】
・味…10
・接客…9
・コスパ…8
・立地…9
36点。手間を掛けた味は基礎を学んだ料理人の技を感じる。あいがけにすると値段もそれなりだが行く価値アリ。

『カレー サファリ』

[住所]東京都品川区小山4-9-18
[電話]なし
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、17時半~20時(19時半LO)※いずれもカレーが無くなり次第終了
[休日]水・木
[交通]東急目黒線武蔵小山駅東口などから徒歩4分

第5位『カリー・ザ・ハードコア』 @雑司ヶ谷

ハマる人続出の個性派カレーならこれ!

ややカオスな店構えに躊躇して踵を返したならもったいない。あなたのカレーライフに一石を投じる(?)知る人ぞ知る店をご紹介しよう。

それは肉ガッツリのワイルド系。で、上に乗った白いブツは……まさかの背脂。実はこのカレー、ドイツの煮込み料理「グヤーシュ」をアレンジしたもので、現地でバターのような存在の豚背脂「シュマルツ」とハンバーグ的な肉料理「フリカデレ」が入るのが特徴だ。

ハードコアカレー(創業ハンバーグカレー) 1100円 ※土・日限定

『カリー・ザ・ハードコア』ハードコアカレー(創業ハンバーグカレー) 1100円 ※土・日限定 玉ねぎ入りの自家製シュマルツが味のポイント。手羽元とハーブ入りのハンバーグがゴロゴロ入ったシャバシャバ系のカレーは大量の鶏肉から取ったダシの旨み

店主は元声優。イベントで振舞っていたカレーが評判で本職に転向、好物のハンバーグと二郎系ラーメンの要素を加えたらこう仕上がったんだとか。名前からしてぶっとんだ激辛と思いきや、至ってマイルド。シュマルツを混ぜるとさらにまろやか~。ほぼ毎週来るおばあちゃんもいるそう。

一方、平日カレーはその時作りたい味がテーマの攻め路線。どっちも唯一無二!

【三ツ星ポイント】
・味…10
・接客…8
・コスパ…9
・立地…8
35点。一見入りにくいが一度体験すればハマるコアなファンも多い。大胆な具とシャバシャバ系の構成が楽しい。

『カリー・ザ・ハードコア』

[住所]東京都豊島区雑司が谷2-26-6 ふらっと雑司が谷1階
[電話]なし
[営業時間]水・木・金:17時~21時LO、土・日:12時~15時LO
[休日]月・火(臨時営業あり・詳細はSNS)
[交通]地下鉄副都心線雑司ヶ谷駅1出口から徒歩4分

撮影/浅沼ノア(ドンカリ)、西崎進也(魔皿カレー、ホンカトリー、サファリ)、鵜澤昭彦(カリー・ザ・ハードコア)、取材/肥田木奈々

2024年9月号

※2024年9月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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