商品開発においてネーミングは大切だ。ファミリーレストラン『ジョナサン』の『プリンノセターノ』(税込549円)は、徹夜で知恵を絞ったコピーライターが「もうこれでいいや!」とやけを起こして提出したかのような、脱力感あふれる名前が注目を集めてヒット商品となっている。何にプリンを乗せたのか、どのような味なのか、その正体をレポートしよう。
画像ギャラリー商品開発においてネーミングは大切だ。ファミリーレストラン『ジョナサン』の『プリンノセターノ』(税込549円)は、徹夜で知恵を絞ったコピーライターが「もうこれでいいや!」とやけを起こして提出したかのような、脱力感あふれる名前が注目を集めてヒット商品となっている。何にプリンを乗せたのか、どのような味なのか、その正体をレポートしよう。
チーズケーキにプリンを乗せたので『プリンノセターノ』!?
『プリンノセターノ』 (税込549円) という商品名に触れて誰しも思うのは、「プリン『に』ノセターノじゃないの?」とか、「何に乗せたの?」だろう。
プリン・ア・ラ・モードのように、プリンはデザートの核となることが大半で、脇役に回ることはあまりない。仮にプリンが乗る側に回ったとしても、いったい何に乗っているのか。肝心のところが、この名前からは判らないではないか。
と、このように、思わずツッコミを入れてしまうネーミングが、プリンノセターノを人気商品に押し上げたのは間違いない。
その正体は、濃厚バスクチーズケーキ、自家製カスタードプリン、ホイップクリームの3つを重ねた、スイーツのタワー。フォークを刺すのに気を使う背の高さだ。
まとめて食べることで引き立つ、3つの個性
では、3層のタワーを崩さぬように注意しながら食べ進めるとしよう。
土台となる濃厚バスクチーズケーキは濃厚と謳うだけのことはある、ずっしりとした舌触りだ。そしてその上に鎮座する自家製カスタードプリンもしっかりした食感で、この2つをまとめて口にすると、飲み物なしではつらい重さになる。一口ごとに飲み物で舌を洗いたくなる重さだ。旨いのだが、野暮ったさは否めない。
そこに頂上の、ふわふわのホイップクリームを介入させると、一気に調和する。つまり、チーズケーキとプリンとホイップの3つを、同時に口にするのがおすすめだ。ホイップの軽さは絶妙で、つい多めに使いたくなる。
周りのココアパウダーを使って適度に味を変化させながら、ドリンクバーの飲み物と一緒に喫するのが最高の組み合わせだ。
アイスやクリームを増量できるオプションも豊富
プリンノセターノには注文時のオプションが何種類も用意されている。バニラアイス(税込165円)、ホイップ(税込165円)、ソフトクリーム(税込165円)、オレンジソース(税込55円)、ラズベリーソース(税込55円)、チョコソース(税込55円)という選択肢だ。
まずおすすめしたいのが、ホイップクリームの増量だ。濃厚チーズケーキと自家製プリンの重さをすべて打ち消すには、標準添付のホイップの量は少々物足りない。ドリンクバーの飲み物で舌を洗いながらでも解決するが、ちょっと贅沢な気分を味わうならホイップ増量だ。
その後は好き好きだが、コーヒーや紅茶と組み合わせるのでなければ、オレンジソースやチョコソースが欲しくなるだろう。ココアパウダーと併用することで、甘さに変化を与えるのに役に立つ。
名前に興味を惹かれたなら、一度注文してみてはいかがだろうか。奇抜さに偏った味ではないので、安心してお召し上がりいただける。会話の種にも最適だ。
文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。