スパイス香るカレー…それだけで旨い。サクッと揚げられたとんかつ…それだけでご馳走だ。では、このふたつをひと皿にまとまると…旨さ倍増&ボリュームも大幅アップ! スパイス、スープ、蕎麦屋、食堂……様々な店の激うまカツカレーを集めた!
画像ギャラリースパイス香るカレー…それだけで旨い。サクッと揚げられたとんかつ…それだけでご馳走だ。では、このふたつをひと皿にまとめると…旨さ倍増&ボリュームも大幅アップ! スパイス、スープ、蕎麦屋、食堂……様々な店の激うまカツカレーを集めた!
さらっとリッチなカレーと高座豚のカツにスプーン止まらず!『リッチなカレーの店 アサノ』@町田
さらりとしたカレーをひと口いただくと、スパイシーな香りが鼻腔を抜ける。なのだがそれに止まらず、口の中に広がる味が深い。辛さの中に旨みがあり甘さがあり……。
ご主人が先代と研究したカレーにはホテルの味、東南アジア仕込みのスパイス、和のテイストも加わっている。鶏ガラと豚骨をベースにアゴダシなども使うブイヨンに10時間、カレーペーストに10時間、丸4日かけて仕込まれるのだ。
リッチなカツカレー 1600円
とんかつに使うのは神奈川県名産の「高座豚」。きめが細かく、ともかく脂身が上質で甘い。ほどよい厚みでサクッと揚げたてのカツは噛み締めるほどに旨く、カレーと一緒になるとさらに旨い。カレーに溶け込んだ肉、ゴロンと入ったじゃがいもやにんじんもいい。昭和62年から続く名店には今や3代目も立つ。く〜、スプーンが止まらない。
[住所]東京都町田市原町田4-5-19 仲見世飲食街
[電話]042-729-7258
[営業時間]11時半〜14時半(14時LO)、17時〜20時(20時LO)
[休日]水(祝は営業)
[交通]JR横浜線ほか町田駅ターミナル口から徒歩3分
和のグリーンカレーに驚きのとんかつクオリティ!『ジャパニーズスパイスカレー wacca』@八丁堀
むむむむむ。見た瞬間、香ってスプーンですくった瞬間、そしてとんかつと一緒に味わった瞬間、斬新なのに素晴らしい完成度に、思わず唸ってスプーンを走らすに違いない。
ココナッツミルクを使わない和のグリーンカレーは、八方ダシをベースに生のコブミカンの葉とほうれん草を使う。青唐辛子を使った心地いいスパイシーさと柑橘系の香り、ダシの旨みに、ほんのり甘みもあり、じわんと旨い。
グリーンカツカレー 1700円
長粒米と日本米を合わせたサラサラのターメリックライスとの相性も抜群。そして岩中豚を使ったとんかつだ。この完成度も見事。
厚みのある肩ロースを、ギリギリの火入れで中はジューシーに衣はサクサクに。噛み締めたときのザクジュワ感がたまらず、カレーと合わせて2度旨い。店主の「カツとカレー両方極めてこそカツカレー」って意気は本物だ。
[住所]東京都中央区八丁堀2-19-7 庄司ビル1階
[電話]03-6262-8883
[営業時間]11時半〜14時半LO(15時)、18時〜21時 ※土はランチのみ
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線A5出口から徒歩2分
軽くて旨いとんかつに絶妙なスパイシーさがマッチ!『とんかつ まさむね』@溜池山王
とんかつ屋のとんかつはおいしい。でも、カツカレーでとんかつが威張り過ぎるのはどうか。『まさむね』のカツカレーならそんな問題はない。「和豚もちぶた」を使ったここのとんかつは、軽さを追求しているのが特徴。サクッと揚がって柔らかく、旨みがあるけど重くない。岩塩や醤油と和からしで食べるのもおすすめのおいしさだ。
まさむねカツカレー 1700円
さらに、ホットなスパイシーさを感じさせるカレーも秀逸。スパイスはインド料理店で働いていたこともあるご主人のオリジナル・ブレンド。辛いんだけど自然な甘みも感じられるのは、スープに大量の野菜、特にキャベツがたっぷり入っているからだという。
小麦粉を使わず適度にさらりとして「主役のとんかつを殺さない」計算された絶妙な仕上がり。カツカレーのシアワセってこういうことだなとバクバク行ける!
[住所]東京都港区赤坂2-8-19
[電話]03-3505-3505
[営業時間]11時半〜14時半LO(15時)、18時〜21時半LO(22時)※土はランチのみ
[休日]日・祝
[交通]地下鉄銀座線ほか溜池山王駅10番出口から徒歩2分
コクの黒かキレの赤か 別添えのとんかつライスと!『スープカレー屋 鴻(オオドリー) 神田駿河台店』@神保町
『鴻』のスープカレーのスープには黒と赤の2種類あって、それとは別に具を選ぶ。その選択肢のひとつにロースカツがあるわけだが、カレーとは別添えで登場する、キャベツたっぷりのとんかつライスがまずうれしい。
ロースカツカレー 1550円
揚げたてサクサクでとんかつは脂身が甘く、いい香り。まずはソースでひと口。次にご飯をすくってスープカレーに。そしていよいよ……。食べ方は自由だが、それぞれがよく出来ているがゆえに楽しみも倍加する。
たくさんの野菜に、豚骨をベースにした黒、国産鶏の手羽ベースの赤。今回選んだ黒はコクがあってどこか懐かしの味。スパイシーさの中に焦がし玉ねぎの風味やほのかな甘さも見え隠れする。ゴロリンと入った野菜たちもいい。赤のカレーはよりスパイシーでキレがよく、トマトの旨みも。こいつに合わせるのも捨てがたいぞ。
[住所]東京都千代田区神田小川町3-10-18
[電話]03-5280-8228
[営業時間]11時〜15時LO(15時半)、週3〜4回(不定)18時半〜20時半LO(21時)
[休日]日
[交通]地下鉄半蔵門線ほか神保町駅A5出口から徒歩5分
スパイシーで緻密な旨み とんかつと合体でさらに爆発『しなのや』@吉祥寺
とろりとしたカレーをスプーンでパクリとやるとけっこう辛め。なかなかにスパイシー。でもそれだけじゃない。コクがあって、後からしっかり馴染んだ旨みがやってくる。
聞けば「カツオダシと豚ガラを合わせたスープがベースで、玉ねぎをいっぱい炒め、1日かけて仕込む」という。ケチャップや熟したトマト、みりんやウスターソースも隠し味。丁寧さと研究熱心さが伝わってくる。
カツカレーライス 1050円
油にもこだわってカラッと揚げられたカツは香りよく、やわらかで肉厚。カレーと合わせて噛み締めるとこれはもう!カレーにはごろっとじゃがいもがいて、マッシュルームやにんじん、牛肉もやさしく煮込まれており、その旨さは緻密でさえある。
「こだわればキリがない。大衆食堂だけどね」と少し照れながら言うご主人。また絶対食べに来たい、そう思う味だ。
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺南町2-20-4
[電話]0422-46-2262
[営業時間]11時〜20時半
[休日]日
[交通]JR中央線ほか吉祥寺駅南口から徒歩10分
後から来るスパイシーさ!カツと絡んだ旨さが押し寄せる『動坂食堂』@千駄木
定食だけでも20種類以上、70年以上続く老舗食堂の味は手作りで、何を食べても旨い。そしてその中でも一番手間がかかっているというのがカツカレーだ。満々と皿に満たされたカレーと迫力十分なとんかつ。食す前からアガるルックスだ。
カツカレー 1050円
リンゴと玉ねぎのペーストに6時間。自家製ケチャップに3時間。スパイスをじっくり混ぜ合わせた自家製のルウを作り、具材の玉ねぎと牛肉を合わせてやっと完成する。前日から1日かけて仕込まれた味。
とろりとしたカレーは、口に運ぶとスパイシーさが後から来て、マイルドなトマトの酸味や、よく煮込まれた具材の旨みが重層的に重なり合う。カラッと揚がったとんかつの脂の甘みが合わさるとさらにたまらない。オーソドックスなんだけど、旨さが波状攻撃のように押し寄せる絶品カツカレーだ。
[住所]東京都文京区千駄木4-13-6
[電話]03-3828-4498
[営業時間]10時半〜20時LO
[休日]日(祝は不定休)
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩11分
撮影/鵜澤昭彦(アサノ、まさむね)、浅沼ノア(wacca)、小澤晶子(鴻)、谷内啓樹(しなのや)、小島昇(動坂食堂)、取材/池田一郎
※2024年9月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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