【ランキング】「多皿系カレー」ベスト4を発表! 東京で奥深きカレーの世界を堪能せよ

『ピプレー』ダルバート(チキン) 2290円(夜は1800円) (奥の3皿のカレー、左から順に)ダルスープ 3〜4種の豆をブレンド。とろんとなめらかな舌触りだ、チキンカレー 鮮やかなスパイスの香りからコクと旨みが広がる、タルカリ 旬の野菜のカレー風味炒め、(おかず、時計回りに)アチャール、特製ソース 甘みと辛さのトマトソースでご飯やおかずとの相性良し、青菜炒め、スパイスチキン タンドール釜で香ばしく焼き上げている、ニンジンとマスタードの和え物、キュウリのゴマとレモンの和え物 レモンの酸味を効かせた爽やかな味わい、(中央)バスマティライス

主に南インドで食べられている「ミールス」、ネパールで親しまれている「ダルバート」。これらは大きなプレートに、数種類のカレーや多数の副菜、ライスをのせたお料理。それぞれを楽しみつつ、最終的にすべて混ぜ、味の変化を楽しむ。これを「多皿系カレー」として、編集部スタッフが実食しランキング。味、接客、雰囲気、立地の4項目から各10点、合計40点満点の評価から厳選した4軒をご紹介します。

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主に南インドで食べられている「ミールス」、ネパールで親しまれている「ダルバート」。これらは大きなプレートに、数種類のカレーや多数の副菜、ライスをのせたお料理。それぞれを楽しみつつ、最終的にすべて混ぜ、味の変化を楽しむ。これを「多皿系カレー」として、編集部スタッフが実食しランキング。味、接客、雰囲気、立地の4項目から各10点、合計40点満点の評価から厳選した4軒をご紹介します。

【1位】混ぜるほどに調和 素材の滋味を感じるカレーとおかず『ピプレー』@春日

ダルバートとはいわゆる“定食”のこと。とはいえ日本でも大衆食堂のわんぱくなそれもあれば料亭や割烹で出す御膳もあるだろう。この店は間違いなく後者のタイプ。

シェフのスラジさんは東欧や中東の有名ホテルで腕を磨き来日した。彼が目指すのは素材を感じるネパール料理。そのためスパイスの組み合わせはもちろんヨーグルトやパニール(チーズ)、ギーまで手作りする。

ダルバート(チキン) 2290円(夜は1800円)

『ピプレー』ダルバート(チキン) 2290円(夜は1800円)(カレー左から順に)ダルスープ 3〜4種の豆をブレンド。とろんとなめらかな舌触りだ、チキンカレー 鮮やかなスパイスの香りからコクと旨みが広がる、タルカリ 旬の野菜のカレー風味炒め、(おかず時計回りに)アチャール、特製ソース 甘みと辛さのトマトソースでご飯やおかずとの相性良し、青菜炒め、スパイスチキン タンドール釜で香ばしく焼き上げている、ニンジンとマスタードの和え物、キュウリのゴマとレモンの和え物 レモンの酸味を効かせた爽やかな味わい、(中央)バスマティライス

そんなダルバートに挑めば、ダルスープはふくよかな豆の甘みが広がるし、チキンカレーはスパイスの香りによって鶏のコクが膨らんでいる。和え物や青菜炒めといったおかずも素材の滋味が伝わる端正な作りだ。全部を混ぜ合わせれば、異なる味わい、香り、食感が調和して見事な一体感を生んでいる。

【三ツ星ポイント】味…10、接客…10、雰囲気…10、立地…8、合計…38

『ピプレー』広々とした席で居心地も良い。ネパール人スタッフによるサービスも好印象

[住所]東京都文京区小石川2-24-14 2階
[電話]03-3814-1169
[営業時間]11時〜15時(14時半LO)、17時〜23時(22時LO)
[休日]無休
[交通]都営三田線ほか春日駅A5出口から徒歩5分

【2位】4種のカレーと8種の副菜でおいしさ無限大『ゼロワンカレーA.o.D』@三田

始まりは本場大阪で営んでいたスパイスカレーの店。店主・立田さんがインドを旅したことがきっかけで、南インド、それも特に食材豊富なケララ州の味へと舵を切った。かの地へのリスペクトからカレーも単品では置かず南インドを象徴する食事スタイル、ミールスで出す。

カレー4種のミールス 3000円(昼は2600円)

『ゼロワンカレーA.o.D』カレー4種のミールス 3000円(昼は2600円)(カレー左から順に)炭焼チキンマサラ 炭火で炙った燻香と炒めたスパイスの香ばしさがマッチ、季節野菜のベジマサラ、ケララマトンステュー、本日の魚介カレー この日はリッチなコクのマレーシア風フィッシュカレー、(左上)サンバル、(左下)ラッサム、(下の皿:右上)ダヒプーリ、(右下)人参のアチャール、(中央)レモンライス ライスはスパイスの香り広がるレモンライス(+100円)をチョイス、(左上)ポテトギーロースト ギーをたっぷり使ったコクのあるマッシュポテト、(左下)マンゴーとココナッツのチャトニ、(左)旬野菜のトーレン

主役のカレーは常時4種類(夜は+1種)あり、「ケララマトンステュー」は、コクの中からホールスパイスが弾けるストロング系で、「ベジマサラ」は野菜の甘み広がる優しさだ。

さらにプレートに付くのは8種類もの味も食感も異なる副菜たち。思い思いに混ぜれば、ひと口ごとに変わる旨さに没頭してしまう。

【三ツ星ポイント】味…10、接客…9、雰囲気…9、立地…7、合計…35

『ゼロワンカレーA.o.D』

[住所]東京都港区三田3-2-9 杉浦ビル1階
[電話]03-6722-6380
[営業時間]11時半〜14時半LO、17時半〜22時(21時半LO)
[休日]年末年始
[交通]都営三田線ほか三田駅A3出口から徒歩7分

【3位】ベテランシェフの腕が光りまくる北インドカレー『すぱいし家』@飯田橋

田渕さんとラビさんの馴れ初めは今から33年前のとあるインド料理店。それぞれ別の道へと進むも「ラビほどのシェフはいない」と田渕さんがラブコールを送って今年3月にこの店を立ち上げた。

カレーは北と南、両方のスタイルの良いとこ取りで、特にバターチキンは出会った当時の店のレシピを復刻させた看板カレー。カシューナッツペーストのリッチなコクからスパイスの香りが鮮やかに広がってくる。

選べるカレー3種盛り 1848円(昼は1300円)

『すぱいし家』選べるカレー3種盛り 1848円(昼は1300円) カレーは7種類からチョイスできる (カレー左から)完熟トマトのプローンマサラ エビとトマトで濃厚なコクに、復刻 甘くない大人のバターチキン、辛口マトンブーナ マトンはホロホロで黒胡椒の香りと刺激もたっぷり、(手前の皿:奥)野菜のバジ この日はピーマンとジャガイモのスパイス炒め、(右)パラタ 香ばしくもっちり。カレーとの相性も◎、(手前)バスマティライス、(左手前)オニオンピクルス 食感のアクセントにも、(ライス上)パパード、(左)アチャール

加えてふたりして酒場好きのビール党。夜はポテサラやモツ煮なんかの居酒屋メニューをアレンジしたスパイス料理もわんさかあって、あれもこれもとテーブルを埋め尽くしたくなる。

【三ツ星ポイント】味…10、接客…9、雰囲気…8、立地…7、合計…34

[住所]東京都千代田区飯田橋4-2-5 フジテラス飯田橋102
[電話]03-6261-7131
[営業時間]11時半〜14時LO、17時半〜22時LO
[休日]土の夜、日
[交通]JR中央線ほか飯田橋駅西口から徒歩6分

【4位】おだやかなスパイス感が胃袋を包み込む『深川インド 月と亀』@森下

これは毎日でも食べたくなるカレーだ。野菜たっぷりで軽やか。しかもスパイス使いはシンプルな上にとがったところがひとつもない。これこそ割烹からエスニックまで30年間、幅広いジャンルで腕を振るってきた店主の集大成なのだ。

「身体に優しくて、おいしくて、しかも安い、こんな素敵な料理って他にないでしょう?」とにっこり語る。

鰯のつみれカレー定食 1150円(ポークビンダルー追加+300円)

『深川インド 月と亀』鰯のつみれカレー定食 1150円(ポークビンダルー追加+300円) (小皿:手前から)ラッサム トマトの軽い酸味が爽やか、野菜カレー、ポークビンダルー 甘酸っぱいスープが豚肉の味を膨らませる、鰯のつみれカレー 岩手から脂の乗った刺身用のイワシを仕入れ、ほろっとした繊細な口当たりに仕上げている、サラダ、(手前の皿:右)パパド、(中央)雑穀ライス 24時間かけて精米した雑穀入りの熟成米。もちもち感がさらっとしたカレーに合う、(左上)ポリヤル (左下)アチャール

定食の中でも核となるのが野菜カレー。南インドではサンバルと呼ばれる味噌汁的な存在で、野菜と豆がほっこり甘くて後からスパイスの香りがふっと鼻を抜けていく。もっちり炊いた雑穀米のご飯と合わせれば、夏の疲れた胃袋もたちまち元気を取り戻す。

【三ツ星ポイント】味…9、接客…9、雰囲気…6、立地…9、合計…33

『深川インド 月と亀』

[住所]東京都江東区新大橋3-7-3
[電話]非公開
[営業時間]11時半〜14時半(14時LO)
[休日]金・土(他に不定休あり)
[交通]都営新宿線ほか森下駅A1出口から徒歩1分

撮影/小島昇、取材/菜々山いく子

2024年9月号

※2024年9月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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