上野「珍々軒」
ガード下に張り出した店先で、アメ横らしい雑踏を感じながら注文。ほどなく提供されたタンメンには、もやし、キャベツ、ニラ、玉ねぎ、にんじんと豚肉がどさっと乗る。野菜は注文ごとに迅速にラードで炒められ、シャキシャキ感が魅力的。
そして塩味のスープと絡んだところを豪快にワシワシ。スープはベースの鶏の旨みに豚のコクを感じさせながらシンプルに旨い。ケレン味なくも力強さを感じさせる味だ。黄色い中華麺が小麦の香りを感じさせ、スープに絡む。豚バラチャーシューのつけダレをカエシに、ゴマ油も少々。食後に力が漲るような満足感。町中華の枠を超えた傑作だ。
『おとなの週末』2023年2月号より(本内容は発売当時のものです)
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。