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フランス人に驚かれた生ハム

シュークルート

『ローブリュー』「シュークルート」フランクフルト、ミュンヘン風白ソーセージ、豚すね肉、豚肩ロース肉など具のすべてが自家製シャルキュトリー。酸味のある発酵キャベツと一緒に煮込むアルザス料理

『ローブリュー』ではシャルキュトリーをすべて手作りしているが、なかでもフランス人に一番驚かれるのは生ハムだという。

「ア・ラ・メゾン(自家製)と書いてあるので、フランス人はまず不思議に思うようです(笑)」

本場フランスでも生ハムは専門の工房で作られることが多い。それをレストランで、となると首をかしげたくなるのもわかる。さらには、その自家製生ハムの完成度の高さに驚き、目を見張るという。

「そのときが一番の快感です」

もしもパリにフランス人の手打ち蕎麦屋があって、鰹節まで手作りだったらきっと度肝を抜かれるはず。「そういうことがしたかった」と櫻井シェフは晴々と笑う。

生ハム作りに取り組んだのはまだ『ローブリュー』を始める前のこと。きっかけとなったのは、修業先のバスクでおばあちゃんが作っていた生ハムだ。

「物干しのようなところにほったらかしにして作っていたので、簡単そうに思えたんですね」と振り返る。そこで長野にあった山の家で生ハムを仕込むことを思いついた。涼しくてカラリとした気候なので、作りやすいだろうと考えたという。

しかし最初の年は大失敗。様々な人に聞いて回り、やがて熟成が必要だということがわかった。長野で乾燥させた生ハムを、今度は店のワインセラーで熟成させてみるとこれが大正解。それから約30年、試行錯誤を繰り返し、毎年仕込み続けてきた生ハムは、今や安定しておいしくできるようになった。

『ローブリュー』生ハムはなんと約30年も前から自家製に取り組んでいる。工房で乾燥させた生ハムは店のセラーで熟成させるが、仕込みから完成には2年半以上の月日がかかっている

常連のなかにはそれを待ちかねる人が多く、リリースされるやいなや、あっという間に売り切れてしまう。今も店のワインセラーには食べ頃を待つ生ハムが眠っていて、来年春頃のリリースをのんびり待っている。

フランス人も唸る『ローブリュー』のシャルキュトリー。それはフランスの食文化が育んだ普遍的なおいしさのたまものなのだ。

『ローブリュー』

[住所]東京都港区南青山 6-8-18
[電話]03-3498-1314
[営業時間]18時〜20時半(LO)、土は〜20時(LO)
[休日]日・月 ※不定休
[交通]地下鉄銀座線ほか表参道駅B1出口から徒歩10分

撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン

2024年10月号

※2024年10月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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