しっとり、大人の、情緒ある……そんな言葉が似合う神楽坂。JRを挟み反対側になる飯田橋エリアはオフィスビルも多く、午後に向けての活力を与えてくれる料理を出す店が数多い。ランチで活力を、夜はお酒で癒しを。そんなお店を紹介です。
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しっとり、大人の、情緒ある……そんな言葉が似合う東京・神楽坂。JRを挟み反対側になる飯田橋エリアはオフィスビルも多く、午後に向けての活力を与えてくれる料理を出す店が数多い。ランチで活力を、夜はお酒で癒しを。そんなお店を紹介です。
素材を生かして調理法を研究した華麗な美味に拍手『飯田橋 和庵（なごみあん）』
食いしん坊かつ優柔不断の私やあなたもこの店なら間違いない。昼は迷うことなき日替わり1択。店主の伊藤さんに任せれば驚きと感動が待っている。いや本当に。
例えばこの日の一汁三菜。「鰹たたき造り」には生姜醤油じゃなくニンジン＆レモン汁のソースを合わせた意外な相性に大興奮。目からウロコがボロボロ落ちる。
夜の割烹料理と食材は少々違えど、掛ける手間は同じ。ランチでも「どうすればおいしくなるか」に心を注いでいるのだ。
夜は完全予約制。その日の客のため最良の食材を探して献立を考える。評判はハモ料理。湯引きが一般的だが伊藤さんならご覧の一例。
おまかせコース（夜） 11000円～ 鱧鍋土瓶蒸し仕立て
骨切り、昆布〆の後に衣を付けて揚げ、さらに土瓶蒸し仕立てにしたそれは深い旨みに溺れそう。ハモってこんな表情もあるんだ。すごい店だ。
庵主の伊藤英樹さん「平日ランチは一汁三菜、金曜日はフライの日です」
［住所］東京都千代田区富士見2-4-13 NOAAビル3階
［電話］03-3222-5120
［営業時間］11時半～13時 ※ランチは火～金・売り切れ次第終了、18時～22時（予約により変わる）
［休日］不定休
［交通］JR総武線ほか飯田橋駅西口などから徒歩5分
深く、広いオリーブオイルの世界を堪能『オリーブオイルダイニング la cantina cancemi（ラ・カンティーナ・カンチェーミ）』
もっと早く知りたかった！オリーブオイルがこんなに多彩で味わい深いとは――カルパッチョにオリーブオイルをまとわせれば白身魚にコクと深みが出る。ピッツァは香ばしい生地とチーズが、ぐっとまろやかで軽やかに。ひと皿ごとに、その料理に合うオリーブオイルが供されるのだ。その「ひと振り」で、さらなる美味が待っている。
仔羊のグリル ローストポテト添え 2200円
「オリーブオイルは調味料とは少し違うと思います。味をつけるのではなく、より『素材を生かす』のですね」と、代表取締役のエンツォ・カンチェーミさん。
オリーブの品種はイタリアだけで538種。同じ生産者でも収穫年、搾る時期によって味が違う、またブレンドやフレーバーもあり……などなど、なんとも深く、広い。ここは、めくるめくオリーブオイル世界への玄関となる店だ。
代表取締役のエンツォ・カンチェーミさん「オリーブオイルは、細胞をきれいにしてくれます」
［住所］東京都千代田区富士見1-9-21
［電話］03-6272-3880
［営業時間］11時〜15時（14時半LO）、17時〜22時（20時LO）※日のディナーは予約のみ営業
［休日］月
［交通］JR総武線ほか飯田橋駅西口などから徒歩5分
昼はパスタ、夜はワインでおとなタイム『パスタ屋 小島』
「おとなのお客様に、ゆったりと食事を楽しんでほしい」と、店主小島篤也さんが2022年12月にオープン。
ランチパスタの一番人気は「濃厚カルボナーラ」。小島さん自身も大好きなメニューだが、「年齢とともに重くなっていって（笑）、20数年でレシピを8回変えました。完成したのが、濃厚だけどくどくない『おとなのカルボナーラ』です」。
濃厚カルボナーラ 1430円（ディナー価格）
いただいてみれば、もちっとしたパスタに絡むコクのあるソースは満足感あり。だが、たしかに食後まったくもたれず。
ディナーはパスタの他、アラカルトも豊富で、予算と食べたい料理などを伝えればおまかせコースも可能。「お値打ちの内容にしますよ！」と小島さん。昼も夜も楽しめる、飯田橋で頼りになる一軒だ。
店主の小島篤也さん「ワイン1杯でも、気楽に寄ってくださいね！」
［住所］東京都千代田区飯田橋4-2-6 アヴァンセ飯田橋1階
［電話］03-6272-4239
［営業時間］火～金：11時半～14時LO、17時半～23時（フード22時LO）※月はランチのみ
［休日］土・日・祝
［交通］地下鉄東西線ほか飯田橋駅A5出口から徒歩2分
繊細さを積み重ね 焼き上げる幸福な一枚『広島風お好み焼 もみじ屋』
「焼き上がった時『きれい』と言ってもらえるのがうれしいんです」と、焼き手の大林将吾さんは語る。
「きれいなお好み焼き」って？と思うまもなく、目の前に現れた一枚はたしかに端正で美しい。旧店名『れもん屋』として飯田橋で創業し、40年以上。長年の試行錯誤の末、最高のお好み焼きに行き着いた。
肉玉ソバ 980円
選び抜いたキャベツはより甘みが出るようにごく細い千切り、麺は店の特製。気温や湿度によって火力を変えて焼き加減を調整する。お好み焼きはシンプルだからこそ繊細な料理なのだ。だからこそ見た目にも美しく、ハフハフと頬張れば思わずにんまり。
「当たり前のことを当たり前にやるだけです」と大林さん。いやいや、当たり前ではない積み重ねが幸福な一枚を生み出している。
［住所］東京都千代田区飯田橋4-2-6 アヴァンセ飯田橋101
［電話］03-6272-9320
［営業時間］月・火：16時～21時、水～金：11時半～13時45分、16時～21時、土・日・祝：11時半～15時、16時〜21時
［休日］無休
［交通］JR総武線ほか飯田橋駅東口から徒歩3分
撮影／西崎進也（和庵）、撮影／小澤晶子（la cantina cancemi、小島、もみじ屋）、取材／肥田木奈々（和庵）、本郷明美（la cantina cancemi、小島、もみじ屋）
※2024年11月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「東京駅『グランスタ東京』の飲食店から厳選！昼ごはん・夜ごはんにオススメ4軒」では、覆面調査隊が東京駅改札内のエリア『グランスタ東京』から昼・夜2軒ずつを実食レポートしています。
