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アインシュタインやヘレン・ケラーも招待された

余談であるが、園遊会とはそもそもどのように始まったのであろうか。

園遊会の前身は、明治13(1880)年に始まった「観菊会」と翌年に始まった「観桜会」である。「観菊会」は赤坂離宮から新宿御苑と場所を移していった。「観桜会」は、皇居・吹上御所から浜離宮、新宿御苑と場所を変えながら催された。

大正時代には、イギリスのエドワード皇太子(のちのエドワード8世)や物理学者のアインシュタイン、昭和になるとヘレン・ケラーといった来日中の著名人も招待されている。「観菊会」「観桜会」ともに、第二次世界大戦のために中断された。

再び皇室が功績のあった人々を招くようになったのは、戦後の昭和28(1953)年のことである。「園遊会」の名称に代わり、はじめのうちは秋のみの開催だったが、昭和40(1965)年からは春にも行われるようになった。花の季節を楽しむ秋の「観菊会」と春の「観桜会」という、風雅なひとときの名残りが戻ってきたのである。(連載「天皇家の食卓」第27回)

愛子さま (C)JMPA

参考文献/『宮中 季節のお料理』(宮内庁監修、扶桑社)、宮内庁公式ホームページ

文/高木香織
たかぎ・かおり。出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

気鋭の皇室研究者が「女性天皇実現までの道」と「女性天皇を求める5つの理由」を説く。 著者=高森明勅 発行=講談社ビーシー/講談社 四六判 定価=1870円(税込)
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高木 香織
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