柑橘王国・愛媛が送り出す新品種「紅プリンセス」、一個1500円のものも!
温州みかんの2023年の収穫量は11万1100tで第2位の愛媛県。ただし、温州みかんだけでなく、柑橘類も力を入れている。
そんな愛媛県発の大人気柑橘「紅(べに)まどんな」をご存知だろうか。11月末頃から1月上旬頃までが旬で、デパートのギフトコーナーでは、お歳暮やお年始のシーズンにかかるため重宝されている品種だ。豊かな香りでみずみずしい果肉はゼリーのようなとろりとした食感で、10年ほど前に初めて食べた時の感動と驚きは今でも忘れられない。
「『紅まどんな』は厳選出荷していることもあり、高品質なものを皆様に召し上がっていただいています。そのことにより、人気と価値が高まり、贈答用では1個1500円ほどする場合もあるようです」と県の担当者。
かなりの高嶺の花になってしまった!
「愛媛県の主なオリジナル品種には、『西之香』と『ポンカン』をかけ合わせた『甘平(かんぺい)』もあります。シャキッとした食感と強い甘みと酸みが特徴で、例年1月中頃から3月上旬あたりまでが旬となっています」
話題の新品種「紅プリンセス」2025年3月から出荷予定!
「紅まどんな」と「甘平」を交配した新品種「紅プリンセス」が、いよいよ2025年3月中旬頃に、初めて市場に出回る予定だ。「紅まどんな」の食感と「甘平」の濃い味わいを併せ持つと聞いただけで魅力的な柑橘であることは想像に難くない。
「『紅プリンセス』は交配を開始してからここまで、およそ20年もの時間がかかっています。品種開発にはそれくらいの期間はかかるものですが、やっと日の目を見ると思うとやはり感慨深いですね」
愛知県では2024年11月から、「紅まどんな」、「甘平(かんぺい)」は「紅かんぺい」とし、「紅プリンセス」の3品種を親子柑橘ブランドの「紅コレクション」としてキャンペーンを行っている。それぞれ旬の時期が少しずつずれているのでお見逃しなく。
ちなみにこの愛媛県オリジナル品種たち、美味しい個体の見分け方は、表皮がツルツルと美しいことだそう。
「紅まどんな」は、「南香」と「天草」をかけ合わせているのだが、「南香」と「天草」は残念ながら食べたことがないため、俄然気になって仕方がない。交配って興味深い。美味しい新品種を生み出す人々の努力に頭が下がる。