2025年2月に開催された第12回「秩父ウイスキー祭」。その名のとおり、埼玉県秩父市を舞台に開かれるウイスキーをテーマにした祭で、知る人ぞ知る、いや、年々人気爆上がりのイベントだ。数千枚が販売されるというチケットは5500円。秩父のバーで前売りされるほか、ネットでの一斉販売もあるが、販売開始後1分で即完したというから、人気の高さが伺えるだろう。編集部のえびす氏がそのプラチナチケットを用意してくれたとのことで、初参戦してきた!
ようやく!イチローズモルトとの邂逅
2月に開催された第12回「秩父ウイスキー祭」への参加レポート後編。蒸留所の出店ブースをめぐっては試飲を重ねて酔いは深まり、幸せな気分になってきた。
もう何杯飲んだかわからなくなってしまった。意識的にこまめに水を補給しているので、酔ってきてはいるものの、とてもいい気分だ。秩父に宿を取らなかったことを後悔し始めていた。
さて、秩父に来て、「イチローズモルト」を味わうことなく帰れまい。意を決して長い列の最後尾につけたが、思いのほか前に進む。創業時の2008年の原酒をキーモルトにした「モルト&グレーン ワールド ブレンデッド ウイスキー リミテッド エディション」、そしてミズナラの樽で熟成させた「ミズナラウッド」をいただいた。
旨い……。
すでにいい心地である編集えびす氏と顔を見合わせた。さすがに世界から脚光を集める蒸留所だ。秩父の地元で飲むことも味わいに花を添えているのだろう。泡盛を沖縄で飲むと、なぜか東京で飲むよりずっとおいしく感じるように……。この体感が得られただけでも、来てよかったと思える。
「イチローズモルト」のベンチャーウイスキー代表・肥土伊知郎さんにもやはり本誌2025年3月号にて連載「杜氏の晩酌」に登場していただいた。肥土さんは夜な夜な秩父のバーをパトロールし、自社のウイスキーを愛飲しているとの話を聞いた。この日、西武秩父駅からイベント会場に来る間にも、いろんな店先に「イチローズモルト」の文字やボトル、ポスターをたくさん見つけた。