『おとなの週末』編集部と一般社団法人焼き餃子協会がお送りし、日本全国の餃子好きへ贈る、記念すべき第一回の餃子アワード「JAPAN餃子大賞」、ついに始動します!!
JAPAN餃子大賞とは?
数々のグルメを覆面調査し、紹介してきた本誌。そのなかで今、注目しているのが、日本の国民食のひとつである餃子だ。江戸時代に中国から日本に紹介された餃子は、戦後、全国に普及。ご飯に合う焼餃子が特に愛され、独自の進化を遂げてきた。
現在は宇都宮や浜松、宮崎など、餃子の購入額トップを争う市町村が出てくるなど、私たちにとって特別な日常食になっている。おいしい餃子は数あれど、本当にうまい餃子はいったいどこにいけば食べられるのか?
そこで、心から餃子を愛し、日々さまざまな餃子店を巡り発信を続けている餃子マニアを緊急招集。「一般社団法人焼き餃子協会」の全面バックアップのもと、飲食のプロや専門家も納得のできる選考会を行った。選りすぐりの餃子マニアが選んだ本当にうまい餃子を決めるアワード、ついに始動!
審査基準とエントリー
審査対象となるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉の専門店や中華料理店が提供する餃子。焼餃子と水餃子、個性派の3ジャンルで大賞と受賞店を選出する。
審査基準はまず第一に、文句なしにおいしいこと。なおかつ魂が感じられ、訪れるたびに感動体験が味わえる餃子であることが重視される。
そこに独自性やホスピタリティ、店の雰囲気などを加味しながら、5人の審査員が各餃子ジャンルにおける推しのひと皿をノミネート。エントリーされた餃子に各審査員が持ち点10点を割り振って投票し、ランキングを決定する。
第一回 JAPAN餃子大賞概要+日程
【日程】
2025年5月15日『おとなの週末 6月号』にて「JAPAN餃子大賞」開催発表
5月29日 『おとなの週末Web』にて大賞概要リリース
6月13日 午前7時 第一回JAPAN餃子大賞(総合一位)発表
【概要】
名称:JAPAN餃子大賞(英名:JAPAN GYOZA AWARD)
第一回「総合一位」発表日:2025年6月13日(金)7:00@おとなの週末Web(および『おとなの週末 7月号』、『おとなの週末 8月号』)
第一回審査員:小野寺力/塚田亮一/オガサワラガク/クック井上。/松田理奈
主催:講談社ビーシー(おとなの週末編集部)
協力:一般社団法人焼き餃子協会
協賛:サッポロビール
審査するのは餃子を愛する5名の精鋭
焼き餃子協会の代表をはじめ、「餃子マニアNO.1決定戦」王者や餃子芸人ら、餃子愛に溢れる5人が大集結。自らも餃子を包む、餃子愛好家のレジェンドたちが「本当にうまい餃子を決めようじゃないか」と立ち上がった!
一般社団法人焼き餃子協会 代表理事 小野寺 力
Webエンジニア業務のかたわら、全国各地から餃子をお取り寄せ。1000種類以上の餃子を焼いて食べた。2018年に餃子を作る人と食べる人をつなぐコミュニティ「焼き餃子協会」を設立。毎週火曜日に、ポッドキャスト「聴く餃子」で餃子への愛を発信している。
東京餃子通信 編集長 塚田亮一
「餃子は完全食」のスローガンのもと、首都圏はもとより、宇都宮、浜松などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。食べ歩いた餃子店は3000店以上。2016年には「餃子マニアNO.1決定戦」で優勝を果たす。自ら研究を重ねた、手作り餃子も評判。
餃子超人 オガサワラガク
10年勤めたファーストリテイリングを退職し、餃子愛好家へ転身。全国の餃子の食べ歩き記録をinstagram(@kebab)とサイト「今夜も餃子とブギーバック」で紹介している。メディア出演のほか、餃子イベントの開催や朝食になる水餃子や餃子に合うビールの開発にも着手。
料理芸人&餃子芸人 クック井上。
NHK『あさイチ』やCX『ノンストップ』で料理講師を務める、8つの食の資格をもつ料理芸人。特に餃子愛は深く、“餃子芸人”の異名もとる。雑誌やWebで食べ歩いた餃子店を紹介し、TBS『熱狂マニアさん!』の「最強お取り寄せ餃子NO.1決定戦」で2連覇を達成。
愛餃家・ヴァイオリニスト 松田理奈
2歳で餃子、3歳でヴァイオリンに出合う。7 歳頃、父の餃子を包む姿に感銘を受け自ら包み始める。数々のコンクールで優勝を果たし、桐朋学園大学ソリストディプロマコースを経てニュルンベルク音楽大学に編入、首席で同大学と大学院を卒業。現在は演奏活動のかたわら、各地の餃子を楽しんでいる。
【白熱の審査会の様子をちょい見せ】JAPAN餃子大賞から見える餃子のいま
審査員が集結し、記念すべき「第1回JAPAN 餃子大賞」の厳正なる審査を決行! 時に意見が割れるシーンもありつつも、餃子愛に溢れる熱い議論が繰り広げられた。
家庭の大定番にして日本が誇る食文化
小野寺力(以下、小)「さっそく『JAPAN 餃子大賞』第一回目の審査会を始めたいと思います。餃子は多くの日本国民が好きな料理なのに、あまり関心がもたれていない気がしていて……。これをきっかけに、餃子への関心が高まればいいと期待しています」
塚田亮一(以下、塚)「『餃』は、食べて交わると書きますよね。複数人でシェアしやすいし、一緒に作るのも簡単で、コミュニケーションのキッカケになる。人の交流を促進してくれる存在ですよね」
クック井上。(以下、ク)「キャベツまたは白菜、豚挽き肉、にら、にんにく、生姜と決まった材料を使っているのに、皮の厚さやサイズ、餡の野菜の刻み具合、こね方、包み方、ひだのつけ方などでまったく味わいが変わる。同じ材料で同じレシピで作っても、包む人によって味わいが大きく変わるのが魅力です」
オガサワラガク(以下、オ)「同感です。餃子には多くの工程があって、作り手の個性が色濃く反映されるんですよね」
松田理奈(以下、松)「その一方で、なんでも包んでくれる包容力があると思います。どんな季節や地域のどんな食材も、どんな気持ちでも、どんな環境でもなんでも包んでくれるお料理。私は今、『餃子界のレジェンドたちと、同じお部屋で餃子について語り合えている』という現状に心臓がバクバクしているんですが、そんな緊張も包んでくれるような存在です」
小「餃子愛に目覚めたキッカケは何でしたか? 私は、餃子パーティを開催するにあたって、お取り寄せ餃子を調べたこと。1500以上も種類があるとわかり、片っ端から取り寄せて食べ始めました。そんななか、全国に熱い餃子愛を持つ職人が多くいることに気づき、その愛を広げていきたいと活動を始めたんです」
オ「物心ついたときからひんぱんに餃子を食べていた私。まるで幼馴染に恋にするように、気がつけば餃子を愛していた、という感じです」
ク「僕は母の作る餃子が大好物で、餃子で育ったといっても過言ではありません。毎週末、家族全員で餃子を包んで食べていました」
塚「私も子どものころ、餃子を包むのが楽しくて。誕生日には家族で大量の餃子を包み、ホットプレートで一気に焼いて食べるのが恒例でした」
松「キッカケは留学先のドイツで、自宅で餃子パーティーを開いたこと。同じ餡で同じ皮なのに、包んだ人によって味わいが違うことに気づいたんです。それから餃子の背景や職人さんの気持ちなども込みで餃子を楽しむようになり、ハマっていきました」
小「みんな、キッカケは自宅で食べた餃子なんだね。家庭食の餃子ならではで、そんなところも面白いですね!」

味にストーリー、餃子愛も評価基準!
小「私が考えるおいしい焼餃子の条件は、皮のもちもち感と、焼き目のパリパリ感が両立し、皮からも旨みが感じられること。加えて、脂に頼りすぎず、素材の中から溢れるようなジューシーさがあることも重視しています。みなさんはどうでしょう?」
ク「焼き目がおいしそうなのと、香ばしさは大切ですよね。皮と餡のバランスがよく、たくさん食べてももたれないことも重要だと思います。ですから野菜多めの餃子のほうが好みかもしれません」
塚「皮と餡の絶妙なバランス、ベストな焼き加減。本当に、そのとおりですね」
オ「さらに加えるならば、小麦粉や肉、野菜などの食材の持ち味が、最大限に引き出されていることでしょうか」
松「基準は人それぞれだと思いますが、私はおいしさとともに感動を重視しています。皮の味わいや餡と皮の比率、バランス、餡の中身や旨み、焼き具合などに加えて、作り手さんや焼き手さんの技、その方々の気持ちやこだわりなどが、感動を与えてくれるんだと思っているんです」
ク「歴史やストーリー、確立されているスタイルも、重要なファクターですよね。人の手で一つひとつ包まれている以上、そういう感覚的なものも大切。包み方の美しさもチェックポイントです」
塚「受賞店をノミネートするにあたっては、『このタイプはここから始まったよね』という起源があることも重視しました。店の雰囲気や、店主さんの餃子へのこだわり、オリジナリティも判断基準です」

オ「厨房から聞こえてくる音も重要ですよ。けっこう前からジュウジュウ焼ける音がしていても、なかなか上げない。『タイミング、遅いな!』と思いつつ待っていたら、めっちゃベストな焼き上がりの餃子が出てくる……なんてことがある。ライブ感も、餃子の醍醐味ですよね」
塚「わかります。カウンター席があったらなるべく座って、店主が皮を伸ばしたり餃子を焼いたりしているのを見てしまいますから。『あれは俺のかな』と、食べる前からテンションが上がります!」
オ「そういう『餃子って楽しいな、おいしいな』という体験が大事ですよね。餃子は工程が多いし感動体験を与えてくれる割に、コスパが良すぎ。もっと餃子の地位が上がればいいなあ」
ク「接客やホスピタリティ、空間の快適さも大切だけど、年期が入った町中華で、ぶっきらぼうな店主が黙って出す餃子もたまらなかったりする。無愛想は失礼なんじゃくて、個性なんだよね。その個性ごと楽しむのが正しい!」
小「餃子はファストフードでもあるから。みんなで和気あいあいとシェアしてもいいし、ひとりで黙々と味わってもいい。私がノミネート店選びで重視したのは、ひと口でノックアウトされるようなものではなく、噛めば噛むほどおいしく感じられるような奥深さがあるかどうか。一つひとつに魂がこもった餃子ばかりを選出したつもりです」

首都圏餃子シーンは伝統と革新が混在!
小「審査を進めるうえで、あらためて感じた餃子のトレンドはありましたか? 」
塚「この数年で、餃子を楽しめるお店のバリエーションがかなり広がりました。餃子居酒屋、クラフトビールやワインと餃子を楽しめる店など、お酒と餃子を楽しめる場所が格段に増えた印象です」
オ「素材からこだわった餃子を出す、フレンチビストロやイタリアンなどのレストランも増えましたよね」
ク「お酒とのペアリングで餃子も進化。全粒粉の皮もチラホラ見かけるようになりました。その一方で、日本人になじみ深い焼餃子は引き続き愛されていて、とくに町中華は『エモい』と若者たちにもウケています」
松「町中華ブームとあいまって、いろんなジャンルの餃子が増えて、餃子の選択肢が増えてきましたよね」
小「首都圏の餃子は、全国で最も多様化が進んでいます。2016年の『餃子女子ブーム』から始まった、餃子をオシャレに楽しむ風潮は今も健在。皮を手打ちしたり、注文を受けてから手包みしたりするような、フレッシュな餃子体験を打ち出すお店も多くなってきたようです」

塚「餃子専門店で外国人観光客を見る機会も増えましたね。餃子が日本を代表する料理のひとつとして、世界的に認知されてきたのでしょう」
小「個人的な話ですが、各審査員からさまざまな候補店が挙げられる中、行ったことのないお店に行けたのが今回の収穫。毎日3箇所ほど回って、食べ比べる日々でした」
オ「けれどもどの店の餃子も、まったく似ていないんですよね。同じ『餃子』というカテゴリーで、これほど多様な表現ができることにあらためて驚かされました。餃子は単なる料理ではなく、作り手の哲学や歴史が詰まった文化そのものなのですね」
ク「みんな違ってみんないい。それが餃子なので、ランキングなどつけたくないのが本音ではあります。でも、それによってより餃子の素晴らしさが伝わるなら、ランキングもやむなし!」
松「正直なところ、順位をつけることに心苦しさは覚えてしまいますよね……」
塚「私は称えたい餃子が多すぎて、非常に悩みました」
オ「そうなんですよね。今回、グランプリに選ばれなかった店の中にも、素晴らしくおいしい、大好きな餃子がたくさんあります」
小「グランプリの結果に賛否両論が集まり、餃子について活発な意見が交わされることを期待しています」
松「餃子を愛する人たちがどう餃子を楽しんでいるかを知り、より餃子を楽しむきっかけになれれば最高です!」
ク「どの餃子も愛情を込めて包まれている、ということが伝わるとうれしいですね。餃子は、平和の象徴だ!」
(撮影/鵜澤昭彦、小島昇、構成・取材/萩原はるな)
