貸切温泉とよもぎ蒸しで芯まであったまる
すでに充実した気持ちを抱えながらも、時刻は迫り貸切温泉とよもぎ蒸しのスタートに差し掛かる。
いったん着衣してフロントに戻り、貸切温泉を開けてもらってよもぎ蒸しもスタンバイ。きちんと鍵のかかる貸切温泉は木製の浴槽にカランがひとつ。腰掛けは2台置いてあったので、家族連れでも気兼ねない時間を過ごせるだろう。
こちらもなみなみと張られた温泉を、湯もみしながら楽しんでいく。大浴場にはない親密感がここにはあって、さまざまなご用向きを叶えてくれる場所だろう。
家族風呂を堪能したら、最後はよもぎ蒸し。局部を温めることで冷え性の改善や、内臓系をいたわる効果があると言われる。当館では、あらかじめ沸かしておいたホットプレートのお湯によもぎのパウチを入れ、出てくる蒸気を円座の下から裸のデリケートゾーンに直接当てる、というのがスタイルだ。
尋常ではない発汗をすること、蒸気を惜しみなく身体に当てる目的からも、ビニール製のポンチョをてるてる坊主のように着込んで、円座を覆って座ることになるのだが……。これが本当に、めっぽう熱い。
「熱源のゲージはご自由に上下させてくださいね」と指導いただいていたものの、どれだけ熱を下げたとしても、ぶわーっと立ちのぼる蒸気が、熱い。デリケートが、熱すぎる。
じたばた悶えてお尻を動かし、たまに熱源をオフにしながら耐えること30分。じたばたの甲斐あって身体は額にいたるまでびっしょりと汗をかき、なんだか内臓までじんわりと温まったかのよう。時間となったのでポンチョを脱いで、私の場合はいったん家族風呂のシャワーで汗を流し、ちょうど退出時間となったのである。
猿ヶ京温泉へは、都内から関越自動車道を通って2時間ほど。谷川連峰に包まれた、風光明媚な宿場町というゆえんもあって、しっとりと大人の風情ただよう温泉街だ。
アウトドアやキャンプなどの施設も多くあり、キャンパーやご家族連れにも(もちろんフジロッカーにも)楽しめる「遠足」の地となるだろう。さあまた、こちらもまた良い湯を求めて、旅に出ることとしましょうか。
■「猿ヶ京温泉 まんてん星の湯」
[住所]群馬県利根郡みなかみ町猿ヶ京温泉1150-1
[電話番号]0278-66-1126
[営業時間]10時~20時(入館受付19時)※土・日・祝は~21時(入館受付20時)
[休館日]火(祝日の場合は営業)
[URL]https://www.mantenboshinoyu.com/index.html
取材/森田幸江