「呑める人」と「呑めない(呑まない)人」が心を通わす漫画を描きたかった
作者は、本作の生まれた背景についてこう語っている。
「自分はお酒が強くなく、周囲がビールを頼む中で自分だけお茶を頼むと、勝手に気まずさを感じることがあった。呑める人と呑めない(呑まない)人が心を通わす漫画を描こうと思ったのがきっかけだった」
本作では、「どんなシチュエーションで飲むのか」「誰とその時間を共有するのか」といった情景も、“美味しさ”を構成する大切な要素として描かれている。義理の姉と弟という微妙な関係性を持つ2人が、毎週水曜日にだけ交わす食卓とノンアルのひととき。丁寧に積み重ねられていく会話と空気感が、読者の心にも静かに染み入る。
まずは第1話から――。モクテル片手に、2人の水曜日にそっと寄り添ってみてはいかがだろうか。ちなみに作者は、本物のお酒と飲み比べながら、様々なレシピを参考に実際にお酒もどきのレシピを作っているという。そのレシピはコミックスに載っているので、そちらもぜひ試してみてほしい。
【水曜姉弟あらすじ】
26歳の会社員・トーコは、母が再婚し13歳年下の中学生・ナツが弟になった。週に一度2人きりの時間が欲しいという両親の頼みで、毎週水曜日はナツがトーコの部屋に泊まりにくることに。突然姉弟になったトーコとナツはぎこちなさを抱えつつも、一緒に料理やお酒に似たノンアルコール飲料を手作りして徐々に打ち解けていく。
■『水曜姉弟』(1)