殿堂入りの「つけめん」に4連覇の「まぜそば」、圧倒的な食体験!
殿堂入りを果たした同店の「つけめん」(1300円)は、大友さんが毎朝打つフレッシュな自家製麺を、思う存分堪能できる秀作だ。ホロホロ鳥とイベリコ豚の旨みをたたえたつけ汁は、醤油か塩が選べるのもポイント。醤油は福島県産のキレのある天然醸造醤油が、麺によく絡む。ハマグリとアサリが効いた塩は、途中でネギやワサビを入れて味変するのがおすすめ。のど越しと弾力が最高のみずみずしい麺は食べやすい長さに調整されており、200gのボリュームがあっという間に消えてしまう。
4連覇を達成した「まぜそば」(1300円)もまた、圧巻のクオリティ。トリュフオイルが香る卵黄ソースと旨みたっぷりの醤油ダレが店主渾身の自家製麺に絡み、圧倒的な食体験を提供してくれる。
田中さん「あぶらそばを食べることが最高の瞬間のひとつ」
式典後、実際にラーメンを食べた審査員たちからも、絶賛の声が上がった。
【かずまさん、つけめん(しお)実食コメント】
かみしめるたびに食感と風味がすばらしいとあらためて思います。つけるとまた表情がかわる。塩はさらにせめていて、個人的にかなりストライクです。
【田中さん、あぶらそば実食コメント】
いやあこれはもう、あぶらそば 審査でここ数年ずっと1位をつけさせていただいてるんですが、このあぶらそばを殿堂入りとして実食できることが、ラーメン食べ歩き歴35年のなかでも、最高の瞬間のひとつでといえます。鼻孔の近くで、丼から立ち上る香りが鮮やかな稜線をつくる。鼻が早く食え、早く食えといっていますので、いただきます!
『かねかつ』といえば、真骨頂の麺ですね。これは汁なしの模範というか、「汁なしとはこういうもんだよ」と世界に知らしめるエポックメイキングな一杯です。まぜそばは15回から20回まぜろというんですが、福島県産しょうゆの香りが立ち上ります。これはもう食べる前から、味覚だけじゃなく嗅覚、触覚で食べ、美しさなど視覚でも食べるまさに五感でいただける一杯です。うまい、これはやっぱね、殿堂入りするなっという一杯ですよ。ホロホロ鳥、イベリコ豚のエキスがぎゅっと凝縮されて、しょうゆの甘辛と脂の香りが抜ける。この味わいはかねかつならではですね。
これがヒミツ兵器の「卵黄トリュフ」でございますが、これは初期のころはなかったんです。卵黄ソースはこのメニューをNo.1にした立役者のひとつだと思っています。
夫婦の温かみが感じられる接客
スタイリッシュな空間、夫婦の温かみが感じられる接客、店主の趣味が活かされたエッジの効いたBGMと、ラーメンを味わう環境も最高。新たなTRY大賞&殿堂入り店の実力を、ぜひ確かめにいってほしい。
店名:『らーめん かねかつ』
住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-6
電話:非公開
営業時間:6時〜7時半LO、10時〜15時(材料なくなり次第終了)
定休日:日、祝
席数:カウンター8席
交通:JR京浜東北線北浦和駅東口より徒歩2分
駐車場:なし
予約:不可
支払い:現金のみ
「第26回TRYラーメン大賞」は2025年10月21日に発売
受賞店などを網羅したムック『第26回 業界最高権威 TRYラーメン大賞2025-2026』(講談社ビーシー/講談社)は10月21日に発売。
文/萩原はるな、写真/近藤誠