全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・京島の書店『kamos(かもす)』です。
両輪で“醸す”本を届ける
短パンにビーチサンダルがよく似合う店主は、この特集でなんと3人目。柳下藍さん、北澤華蓮さんと共に2025年5月にオープンした『kamos』の共同代表を務める大久保勝仁さんだ。店から歩いて5分ほどの銭湯『電気湯』の4代目でもある。
年配の常連客が互いをリスペクトし、気遣いしながら振る舞う様子に注目した彼は、現代の若者には「対話の作法」が必要だと考えた。コミュニケーションツールが便利になる一方、対話は当たり障りなく、本音の付き合いはなくなったと指摘する。
「汚れが沈澱して上澄みがキレイになった水を想像してください。上澄みが現代の人間関係で、沈澱した汚れが相手に言いづらいことや社会の課題。知らない誰かと生きるためには、汚れと向き合わなければいけません。有効な方法が本を読むこと。読書によって汚れを対話の力に変える。共生の醸造と呼んでいます。kamos は“醸す”が由来です」(大久保勝仁さん)
同店は店頭販売と定期送付のサブスクサービスとのハイブリッド型。サブスクはお好みのキュレーターが選んだ本が2カ月おきに6冊、推薦文と一緒に届く。キュレーターは、気鋭の学者やアーティストなど25人を擁している。
「1年間、キュレーターと同じ本を読み、同じテーマについて共に考えることができます。大切な言葉を常に持ち歩くような感覚を楽しんで欲しいです」(柳下藍さん)
取材後、柳下さんおすすめの一冊である『ファンタジア』を買った。『電気湯』でひとっ風呂浴びてから、喫茶店で読んだ。ふと、久々に旧友と話したくなったのは、自分の中に沈澱していた何かが醸されたからかもしれない。
【owner’s recommend】『ファンタジア』ブルーノ・ムナーリ著
柳下藍さんにとっての「アイデアを生み出すために自分を整える」一冊。芸術家・詩人・発明家と多彩な著者の発想の原点に触れられる。
「今後より重要となるアートとテクノロジーの融合について、ヒントがたくさん隠れています」
京島『kamos(かもす)』
[店名]『kamos(かもす)』
[住所]東京都墨田区京島3-48-1
[電話]なし
[営業時間]月・水・日:15時~21時
[休日]火・木・金・土
[交通]京成押上線京成曳舟駅から徒歩9分
■おとなの週末2025年12月号は「冬の温蕎麦」

撮影/松田麻樹、取材/渡辺高
※月刊情報誌『おとなの週末』2025年10月号発売時点の情報です。
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