テイクアウトで気軽に楽しめるクウェート料理
ハネインさんは「多くの人にクウェート料理を伝えられた」ことを誇りに思っているものの、万博での長蛇の列で料理を届けられなかった人も多く存在していたことを重く受け止めている。
「もっと多くの人にクウェート料理を知ってほしい」と、テイクアウト専門店『Expo Kwait Kitchen』をオープン。本当はレストランとしての開業を望んでいたものの、資金的な問題からまずはテイクアウト業態で始めることを決意したという。
このお店では、米、肉、トマトソースで構成された「マチブース」を3種類と、サラダ、スープ、揚げ餃子の「サモサ」が用意されている。
メインはなんといっても「マチブース」。ラム肉、チキン、ベジタリアン向けのオクラの3種類だ。
ラムとチキンは日本のものは使わず、どちらもハラールに準じてラムはオーストラリア、チキンはサウジアラビアから輸入している。それぞれ6種類のスパイスとともにチキンは45分、ラムは約2時間茹でる。さらにスパイスをまぶしてそれぞれ15分オーブンで焼いていて、非常に手間がかかっている。
実際食べてみたが、ラムの臭みはほとんどなく、特有の旨みが凝縮。ラム肉好きにはたまらない一品だ。チキンも同様に独特の臭みがなく、驚くほど上品な味わいに仕上がっている。
しかも、セットのお米はバスマティライスの中でも高品質なものを使用。チキンスープで茹でることで、米単体でも十分においしく食べられる。上に乗せられたレーズンは、甘味だけでなく、ぶどうのしゃくしゃくとした食感が残っていて、それが良いアクセントになっている。これらが一体となって、丁度良く合わさり、味に奥行きを出している。
著者のイチオシはサラダ。サラダはルッコラをメインとしたベリーリーフに、フェタチーズ、デーツ、ナッツがトッピングされている。
ドレッシングは、バルサミコ酢とマスタードを合わせた味のものと、バルサミコ酢をカラメルソース状に煮詰めたものの2種類。どちらもバルサミコ酢をベースにしているから、2種類をかけても味にまとまりがある。ひと口で甘い、酸っぱい、苦い、ミルキー、香ばしい……噛むたびに味わいの変化が楽しめるのだ。
スパイシーなマチブースとのセット(1500円。単品はスープ750円、サラダ850円)で食べて、クウェート料理の味の幅広さを感じてほしい。





