万博の約3分の2!原価ギリギリの価格設定
自慢の料理を振る舞ってくれたハネインさんだが、プレオープン時は料理に対して称賛が並ぶ中、「高い」という声が挙がったのが気がかりだったという。確かに、メインのマチブースはMサイズでラムが2000円、チキンが1850円、オクラで1750円と1食で考えると決して安くはない。
しかし、これには明確な理由がある。肉だけでなくスパイスも輸入していること、しかも高価なサフランをふんだんに使っていることだ。
サフランは、クロッカスという秋の短い期間にしか咲かない花のめしべを手作業で収穫、乾燥させて作られる。しかし、夜明けに咲いてすぐに萎んでしまうため、収穫は時間との勝負となる。その上、めしべはひとつの花から3本しか取れず、1kgのサフランを作るのに大体15~30万本の花を要する超高級スパイスなのだ。
しかし、それを贅沢に使うことで、格段に香りが良くなる。ハネインさんは「折角食べてもらうなら、おいしく味わってほしい」とふんだんに使っている。
店舗に行くと、ふわりと上品なスパイスの香りが鼻を抜け、食欲を搔き立ててくれる。クウェート料理の根っこに「人を食でもてなしたい」というおもてなしの心がある。だから、ハネインさんもその思いで、原価ギリギリ低価格での提供を決めた。
「万博時の3分の2ほどの価格に抑えています。一度クウェート料理を食べてみてください。ヘルシーで、味わい深く、あなたにとってもやさしい食事になっています。お会いできること、楽しみにしています」とにこやかに語るハネインさん。
万博で食べた方も食べられなかった方も、ぜひクウェート料理を味わってみてほしい。
『Expo Kuwait Kitchen』
[住所]大阪市中央区瓦屋町3-4-8-101kitchenBASEなんば
[営業時間]11時半~15時、17時~20時半(金曜は夜営業のみ)
[定休日]月曜
文・写真/後藤華子





