深さ1000mの山の地下で宇宙誕生の歴史が明らかに?
そしてもうひとつの神岡の誇りといえば、そう、あのニュートリノ研究で有名な「スーパーカミオカンデ」だ。神岡は初代「カミオカンデ」時代も含めノーベル賞を2度も出した宇宙物理学研究の聖地である。だが見学どころか近づくこともできない。なぜなら山の地下1000mにあるからだ。
代わりに町の科学館『カミオカラボ』を訪ねると、原子記号すら記憶のブラックホールに消えた私に、年若い学芸員の山田さんが苦心して解説してくれたので、大雑把だがここに記そう。
山田さんによると、今この瞬間も驚異的に小さい素粒子ニュートリノが宇宙から狂ったように地球に降り注いでいるのだが、電気を持たないため岩盤も私の体も通り抜けていくという。だがまれに水の分子に衝突すると小さな光を放つ。その光を巨大な水槽で捉え研究することで、まわりまわって宇宙や人を含む物質の起源を探ることができるらしい。
「ただこの研究が未来の何に役立つのか今は分かりません」。
そう山田さんが澄んだ瞳で語るので、「ニュートリノはお金になるのか」という黒い質問は引っ込めた。それより「人はどこから来たのか」という哲学的にも思える、全人類にとって大切な研究が神岡の地下で黙々と続けられていたことに、妙に心を打たれたのだ。
学芸員:山田寛人さん「研究者によるミニ講座も時々、開催しています~」
『ひだ宇宙科学館カミオカラボ』
[施設名]『ひだ宇宙科学館 カミオカラボ』
[住所]岐阜県飛騨市神岡町夕陽ヶ丘6道の駅スカイドーム神岡内
[電話]0578-86-9222
[営業時間]9時~17時(入館は16時半まで)
[休日]水
[料金]無料(年2回、スーパーカミオカンデ見学会のチャンスも)




