古民家移築の情緒あふれる木の館 槍見館(岐阜県・新穂高温泉)
伝統的な木組みの技術で建てられた古い民家などを、別の場所で再び組み立て直す「古民家移築」。古材を解体・運搬し、再び命を吹き込むのだから、手間もコストもかかる贅沢な建築手法だ。
岐阜県・奥飛騨温泉郷のひとつ、新穂高温泉にある「槍見館」は蒲田川の川沿いに立つ一軒宿。かつては北アルプスに登る登山客が泊まる山宿だったが、2000年に築200年の庄屋の館を移築した。建築方法は釘などを一切使わない昔ながらの木組み工法で、木材はすべて欅を使っている。
古材は本館の主に民芸調の和室の客室とロビーでも使用され、そのロビーでは毎日炭が焚かれて昔ながらの雰囲気が楽しめる。また客室の天井に張り出した梁は大きいもので長さ20メートルにもなり、天井の高い部屋があったり、低い部屋があったり、それぞれ趣が異なる。ロビー周辺の一部の柱にもこの欅の木材が使用され、昔の建物で使われていたであろう切り口や加工のあとが垣間見える。
名峰・槍ヶ岳を望む、絶景の露天風呂「槍見の湯」がこの宿の看板風呂。大浴場のほかに開放感のある混浴露天風呂、4つの貸切露天風呂、女性専用露天風呂が点在していて、館内での湯めぐりも楽しい。無色透明のお湯は源泉かけ流しで高クオリティ。混浴露天風呂も、客室に用意された湯浴み着を着て入浴するので男女とも楽しく湯浴みできるはずだ。
朝は趣ある土間のロビーで活気ある餅つきが行われる。お餅はもともと「ハレ」の日の縁起のよい食べ物。「ヨイショ!」というかけ声とともに杵と臼でつく餅つきに参加すると、心も晴れ晴れとしてくる。旅の楽しさがよりアップすることだろう。
【施設データ】
『槍見館』
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂587
電話:0578-89-2808
料金:1泊2食1人2万1250円(消費税・入湯税・宿泊税込)〜(休前日1100円、年末年始などの特定日は3300円アップ)
新穂高温泉
奥飛騨温泉郷にある5つの温泉のひとつで、北アルプス穂高連峰の登山口に位置する温泉地。昭和45(1970)年に開業した新穂高ロープウェイをきっかけに発展、大自然の野趣あふれる温泉を楽しめる宿が点在する。開湯時期は不明だが、戦国時代、武田信玄の家臣が見つけたとも言われている。








