国鉄旅行の強い味方「青春18きっぷ」と「自由にまわれる周遊券」
いまでも発売が継続される青春18きっぷであるが、その歴史は国鉄の運賃増収施策の一環として1982(昭和57)年に発売を開始した「青春18のびのびきっぷ」をルーツとする。いまの名称になったのは、その翌年の1983(昭和58)年からであった。
このきっぷは、「青春」と「18」の文字から連想するように、発売当初は学生向きに企画された商品だったこともあり、年齢制限があるように思われていた節もあったが、実際には利用者の年齢制限はない。ただし、“こども用”はこれまでも一貫して発売したことはない。2000(平成12)年以降、発売を打ち切るはなしは数知れず、その去就に注目が集まる“秀逸”のきっぷなのだ。以前は、5枚つづりの券片(1券片2000円×5枚=1冊10000円)をバラバラにして、友人と分かち合って使用することができたのだが、いまとなってはその不便さを感じている方もいることだろう。
国鉄時代といえば、やはり周遊券のはなしは外せまい。自分の旅行計画にあわせてきっぷを発行するオーダーメイドの周遊券(一般用とグリーン用)、あらかじめセットされたきっぷに自分の旅行行程をあわせるレディーメイドの周遊券(ワイド・ミニ・ルート)があった。発売は出発の1か月前から、有効日数(期間)はオーダーメイドとルート周遊券が1か月、そのほかは7日~20日間という、いまとなっては夢のような乗車券だった。
例えば、オーダーメイド周遊券の場合、列車、連絡船(青函・宇高・宮島(昭和57年まで仁堀))、国鉄ハイウェイバスを合計201キロ以上利用し、周遊指定地を2箇所以上まわって出発地に戻ることが発売条件で、その運賃は列車・連絡船が2割引き、国鉄バスは1割引き(学生は2割引き)、一部の私鉄線が1割引きとなり、自分好みのオリジナル周遊券を作ることができたのだ。なかでもグリーン車用は、新婚旅行客の需要を見込んでいたため、ホームでの見送り者用として入場券10枚がセットになっていた。こうした気遣いは、昭和ならではの“国鉄サービス”だった。
エリアごとの周遊券(ワイド・ミニ)には、北海道、東北、関東、中部、関西・中国・四国、九州があり、ルート周遊券には十和田、佐渡・弥彦、アルペン、永平寺・東尋坊など21ルートが設定されていた。こうした周遊券は、JR化後も周遊きっぷと名前を変えて発売されていたが、次第に規模縮小や発売取りやめとなり、2013(平成25)年には消滅した。
そのほか、夫婦の合計年齢が88歳以上で利用できる「フルムーン夫婦グリーンパス」や、30歳以上の女性2名以上のグループが利用できる「ナイスミディパス」もあったが、前者が2021(令和3年)年、後者が2008(平成20)年に発売を取りやめた。





