「この料理、車内でどうやって作っているの?」
初めて乗車する人が驚くのは、料理の内容だけではない。温かい物は温かく、冷たい物は冷たく、店で提供するような盛り付けでサーブされるため、「1両しかない車内で、温かい料理や冷たい料理をどうやって出しているんですか?」そんな質問を受けることも多いという。
料理はあらかじめ調理したものを保温・保冷し、それぞれ分けて納品され、提供するタイミングに合わせて車内で盛り付ける。盛り付け方に関しては、シェフからレクチャーを受けているのだという。
列車はレストランと違い、厨房設備やスペースに限りがある。そんな環境で、一皿ずつ料理を仕上げて提供する。そう聞くと、目の前に運ばれてきた料理が、ますますありがたく感じられた。
ひとり旅でも、気まずさは感じない
ぼっち参加の筆者にもやさしく声をかけてくれた、アテンダントの尾崎麗奈さんは、「お料理の提供や紹介をしたりするだけではなく、私の声かけで、お客様にくろまつ号の旅をより特別なものにしていただきたいと思っています」と話す。
この仕事を始めて6年になるという尾崎さんが、特に気を配っているのが、ひとりで乗車するお客様だという。「席数が限られますので、一人で予約しても相席になることがあります。ひとりで乗車されている方には特に声をかけて、少しでも場が和むように心がけています」
確かに、ひとりでレストラン列車に乗ると、周囲のグループが楽しそうに会話するなかで、少し手持ち無沙汰になる瞬間もある。しかし、「ここからの景色がきれいですよ」などと声をかけてもらえると、それだけで旅の時間がぐっと楽しくなる。アテンダントとのちょっとした会話が旅のアクセントになる。そんな距離感が心地いい。




