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今回、訪れた鹿児島でのミッションは「鹿児島市電の全形式を撮影する」でした。 これが、なかなか厳しい! 鹿児島市電の場合は15種類もあります。 早朝から線路脇で通勤電車撮影作戦から始まり……。 どうにかミッションをクリアしたあとは、桜島で美味しいものの名産を探しに出かけてみました!

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鹿児島市電を撮って、桜島名産品三昧/2004年~2020年

前回の九州新幹線に引き続き鹿児島のお話です。
この年訪れた鹿児島でのミッションは、「鹿児島市電の全形式を撮影する」でした。
(正確には鹿児島市交通局ですが、鹿児島市電と書きます。)

南国の路面電車、鹿児島市電(2020年撮影)

これが、なかなか厳しい!
路面電車は、普通の鉄道に比べて車両の種類が多いんです。
鹿児島市電の場合は15種類もあります。
1形式1両の車両が4種類、1形式2両の車両が5種類……。
ぼーっと待っていても、全部にはなかなか出会えません。

まずは、早朝から線路脇で狙う「通勤電車撮影作戦」です。
当然ながら通勤時間帯には列車がたくさん走ります。
そのときにはたくさんの形式の車両が出てくるわけで、この時間を過ぎると車庫に入ってしまい、夕方まで、場合によっては翌日の朝まで動きません。
新型のトラムタイプは日中も走るのですが、特に古いタイプの車両は朝夕のみ運転されることが多いです。

トラムタイプの車両は一日中走っていて撮りやすい(2020年撮影)

昼ごろまで撮影し、その日走らない予定の車両や事業用車両を除いて、あと1形式まで撮影することができました。
しかし、残った1形式が来ない……。
いつまで待っても来ない。
これが、1形式1両の、いちばん古いタイプの車両です。
最後の手段として、ついに神田駅にある交通局へ出向き、この500形が動いているのかを確認しに行きました。
今回は沿線での撮影を考えていたので事前に取材依頼を出していなかったのですが、まぁていねいに対応していただきました。
受付から指令まで案内していただき運用情報をチェック、目的の車両が本日は運転しないということがわかりました。
すると、「今はちょっと時間があるので案内できるけど、車庫を見る?」と言っていただき、突然の車庫見学が実現です。
そして目的の500形を撮影することができました。

最後に車庫で撮影できた500形(2020年撮影)

さらに車庫内を見せていただくと、不思議な車両があります。
これが、散水車と芝刈り車両です。
鹿児島市電は、区間によって線路部分がアスファルトや石でなく、芝生が敷いてあります。
やはり南国特有で温度上昇を防ぐ意味もあるようです。

芝生が敷いてある区間もある
(2020年撮影)

芝刈り用の車両。
散水車に連結して作業する(2020年撮影)

この交通局には建物の3階に資料展示室があり、市電のパーツや模型などで楽しむことができます。
しかも窓からの風景が抜群で、車庫に止まる電車と桜島を見ることができるというビューポイントです。
(見学可能時間、状況などはHPをご確認ください)

資料室からの風景。なかなかのビューポイント(2020年撮影)

資料館の内部。
なんと無料!(2020年撮影)

そしてここからは、鉄道を離れて船に乗り、桜島・土産物探しの旅!

親切な社員さんのおかげで、この日車庫から出てくる車両は全部撮影済み。
これ以上待っても撮影が進まないことが判明しました。
ただ、天気は快晴。
時間は午後3時です。
……このまま終了ではもったいない。
とはいえ、まだ早春で日没までそれほど時間がないので、他の路線に移動する時間はありません。
そこで決めたのが、まだ行ったことのない桜島行きでした。
市電の路線からも近い鹿児島港の駐車場に車をとめてフェリーに乗船です。
この桜島フェリーは24時間運航されていて、乗船した時間帯は20分間隔です。
乗船時間も20分ほどで、料金は大人1名200円。
ほんとうにバス感覚です。

市電を撮影後桜島フェリーに乗船。
鹿児島港(2020年撮影)

20分ほどで桜島港到着
(2020年撮影)

桜島港からは、歩いて10分ほどの道の駅へ向かいました。

桜島火の島めぐみ館
(2020年撮影)

港から少々坂を登ってきたもので、まずはソフトクリームからいただきます。
桜島小みかんソフトです。
もちろん柑橘系なのですが、普通のみかんと比べて柑橘系の香りよりも爽やかな甘みが強く、クリームとよく合います。

道の駅の子みかんソフト
(2020年撮影)

食べているうちに、
火山灰はたいへんなことに!(2020年撮影)

ソフトを食べて落ち着いたところで、店内をまわります。
滞在時間の関係もあって、お土産の物色です。
桜島といえば、まず桜島大根が思い浮かびます。

畑の桜島大根
(2007年撮影)

まずは桜島大根漬け。
梅酢で漬けたものを購入しました。
開けてみると思った以上に厚切りです。
さっくりとした歯ごたえがあり、すっぱさと甘さでどんどん食が進む感じです。

桜島大根漬け
(2020年撮影)

けっこう厚切りで、
おいしい(2020年撮影)

続いて切干桜島大根です。
大きな大根がここまで細くなっているのも面白くて購入です。
もちろん煮物にしました。
いつも使っている切干大根に比べて甘みが強くて、いい味になりました。

桜島切干大根
(2020年撮影)

もちろん煮物に!
(2020年撮影)

もうひとつ購入したのがフリーズドライの桜島大根です。
水で戻すと大根おろしが完成というもの。
車内食で使うにはもってこいの製品です。

桜島大根パウダー
(2020年撮影)

水で戻せば、あっという間に
大根おろし(2020年撮影)

でき上がった大根おろしを食べてみると、甘みが強いのと辛みがやや弱めで、さすがにしゃっきりというわけにはいきません。
焼き魚よりはしらすとの相性が良くて、おいしくいただけました。
もうひとつ、良かったのが納豆です。
納豆にパウダーのまま入れて、醤油ではなく塩で味付けします。
パウダーが水分を吸収するので強烈な粘り気が出て、ちょっと違う味わいでした。

納豆に使うと
粘り気がすごくなる(2020年撮影)

海産物では、日持ちするきびなごの黒酢炊きをチョイス。
ふっくらとしたきびなごに黒酢の濃厚さと甘さ、ゴマの風味がたまりません。

きびなごの黒酢炊き
(2020年撮影)

黒酢のコクがたまらない。
焼酎に合う!(2020年撮影)

そしてもうひとつ。
売り場で見つけたのが食用椿油です。
椿油はまだ意識して使ったことがなくて、味がまったくわかりません。
しかし、190グラムの瓶(かなり小さい)で2700円。
ちょっと高価……。
売り場の前を3往復ぐらいして、ようやく決断。
購入しました!

食用椿油
(2020年撮影)

髪の毛に使う椿油は独特の香りがするので、食用ではどうだろうと興味がわいてきました。
開けてみると、だいぶ薄い色合いです。
髪の毛用の黄色みがかった感じと違います。
なめてみると、少し甘みとまろやかさを感じる程度で、クセはありません。

食用椿油。
色はほぼ無色に近い(2020年撮影)

まずは白身のタイに使ってみます。
塩と椿油だけで食べてみると、びっくり!
魚の味わいが際立ちます。
そのうえで、まろやかさを感じてすごくおいしくなりました。

タイの刺身に塩と椿油。
見事なお味に(2020年撮影)

次は肉です。
実は、第73回でお話しした羊牧場から、そのあとにも羊肉を譲っていただきました。
それも、超貴重なラムヒレ肉です。
たたきにして、6種の味付けでいただきました。

国産ラムヒレ肉のたたき、手前が塩コショウに椿油(2020年撮影)

塩コショウのみ 塩コショウと椿油、塩とわさびと椿油、塩コショウと小豆島のオリーブオイル、柚子胡椒、それにバルサミコソース和えです。
まずは、基本の塩コショウでいただきます。
甘くて、香りが良くて、しっとりとした食感。
もう文句なしです。
次にオリーブオイルをいただきます。
鮮烈な緑の香りがして、だんだんと肉と混じって、食べているうちに料理が出来上がるような楽しみです。
そして、塩コショウに椿油です。
これは、びっくり!!
食べた瞬間から肉の味がぐっと増した感じです。
まろやかな中に味わいがすごいことになりました。
さらに、わさび付きは、辛みが立たなくなって、爽やかなわさびの香りと肉の香りが、やはりぐっと増す感じです。
知らなかった椿油の味、まだまだ使ってみたい油です。

線路がないので、ずっと行っていなかった桜島。
鉄道カメラマン的には盲点でした。
景色も良いし、おいしいし、鹿児島港から近いし、
また、機会を見つけて行ってみたいと思います。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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